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  2008/3/12  No.423   週刊メールジャーナル  読者数11221人(前回)
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◆日銀総裁人事「腑に落ちぬ不同意の理由」

 これは、日銀総裁人事に関する12日付朝日新聞「社説」の標題である。本
誌もほとんど同意見である。

 社説はネットで読めるので再録はしないが、「不同意」を決めた野党ことに
民主党の理由には納得がいかないということだ。

 要は、この問題が福田政権とことを構える勝負どころかどうか疑わしいとい
うこと、もっと大局的な判断をすべきだということだ。

 今日12日午前、衆院本会議で野党は、日本銀行の次期総裁候補として与党
が提案した、武藤敏郎副総裁の昇格を含む総裁・副総裁人事案を、反対多数で
否決した。

 昨11日に国会で行なわれた武藤氏らの所信聴取を、野党側が問答無用とば
かりに無視したのと同然であり、国対の調整儀式とはいえ、国民としては納得
がいかない。

 この問題の本質は、日本銀行総裁人事に政治はどう関与すべきか、というこ
とにある。

 もともと、国会同意人事は、重要な政策決定に関与する審議会や行政機関の
人事に国会がかかわることで、政府を監視し、国民の意見を反映させる狙いが
ある。

 一般的な人事は政府(形式的には大臣)の判断で決められるが、より監視が
必要な機関の主要人事は国会の同意を必要とすることにしてある。

 しかし、日銀総裁・副総裁人事については、戦前・戦中・戦後一貫して政府
の専決事項であったが、1997年、旧大蔵省をめぐる接待疑惑や住宅金融専
門会社(住専)への対応をめぐって世論の批判が沸騰し、日銀法が改正され、
同意人事に変わったばかりである。

 当時、衆院と参院とで結論が食い違ったとき、どのように扱うべきかを決め
なかったことが、今回のように、政局のタネにされる原因になったといっても
いい。

 過去、欧米先進国の中央銀行トップ人事では、空白が生じないよう、それぞ
れ工夫がなされている。

 参院の不同意によって総裁席に空白が生じることは、今日のように金融政策
のグローバル化の中では、国際的な不信を買うことは間違いない。

 提案に反対することはあってもいいが、民主党の反対理由である「財政と金
融の分離」はまったくの建前であることが国民の目にみえみえである。

 多くの国民は、総裁候補に必要な資質は何か、武藤氏の資質はそれに相応し
いかどうか、ということだけを知りたいと思っている。

 しかし、民主党はそのことにはまったく言及しようとしていない。そしてな
ぜかマスメディアも、武藤氏のプロフィールと資質についての報道が少ない。
朝日の社説もそのことには触れていない。

 が、少なくとも民主党は、与党の責任を追求するだけでなく、代案人事を提
案するか、さもなくば最低でも空白が生じないような提案が必要である。

 あわせて民主党は、今後とも永久に財務省出身官僚の登用をしないのかどう
か国民に表明する必要がある。このことは、民主党の政権担当能力の判断にも
かかわることである。

 実は筆者は、現役時代の96年頃、トップ直命により大蔵省と橋本(龍太郎:
当時首相・蔵相代行)事務所に出入りをしたが、銀行局在任当時の武藤氏の考
え方を知ることは重要な目的であった。その経験に立って、本誌は武藤氏の総
裁就任にあえて反対はしない。

 本誌は、自民党幹部がいうように「経済界や金融の専門家がみな賛成してい
る」とは思わないが、この時期、「余人を以って代えがたい人材」として、武
藤氏の総裁就任はやむをえないと考える。


【お知らせ】


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 週刊メールジャーナル 2008年3月17日 第423号(水曜日発行)
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