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  2008/3/26  No.425   週刊メールジャーナル  読者数11235(前回)
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●「道路の権力」を握る国交省官僚に伸ばすべき捜査のメス
(会員制経済情報誌『現代産業情報』3月15日号より転載)

 賛否両論はあったが、「小泉改革」が日本の秩序を変えたことは確かである。

 「談合」に代表される「政官財」の癒着構造は、04年から始まった橋梁談
合捜査以降、成田国際空港、防衛施設庁、水門、汚泥処理施設の捜査へと続き、
談合担当者や関係省庁の役人らが続々と逮捕され、さらにその時の捜査資料を
もとに、和歌山県知事、宮崎県知事らが、ゼネコン談合担当者らとともに逮捕
された。

 今後、一切の談合構造がなくなるということではない。だが、独禁法改正に
よって密告制度が導入され、課徴金は跳ね上がり、談合は割に合わないシステ
ムとなってしまった。

 ゼネコンを始めとする各地の談合組織は解体され、すぐに復活することはな
さそうだ。

 一方で、規制緩和は人材派遣に見られるように、“行き過ぎ”を思わせるよ
うに進み、旧大蔵、旧郵政、旧運輸といった許認可官庁が持つ権力に、多くの
業者が群がるといった構図はなくなりつつある。

 「ノーパンしゃぶしゃぶ」で接待されていた旧大蔵官僚が、金融庁検査官と
して金融機関と対立、「金融処分庁」と恐れられる役所に“変身”したのが、
その象徴である。

 そうした中、何の傷を負うこともなく、天下りを堂々と続け、予算を自分た
ちの財布と錯覚し続けているのが、国交省の道路官僚たちである。

 道路特定財源を役人がいかに無駄遣いしているかについては、既に多くの報
道がなされている。

 彼らは、野球のグラブに始まって、ミュージカル上演やCD制作、マッサー
ジチェア購入や職員旅行の丸抱えまで、道路特定財源を使ってきた。

 海外旅行を含む遊興費を賄ってきただけでなく、道路特定財源を原資とする
道路特別会計では、天下り先法人に「特命随意契約」で事業を発注していた。

 2006年度の主な事業費は675億円で、特命随意契約が642億円と約
94%を占める。

 事業内容は、道路パトロールや工事監督、用地取得、調査研究などで、その
大半が、財団法人道路保全技術センターなど天下り法人だった。

 無駄遣いの集積となる道路特定財源は、年間5兆4000億円にものぼり、
道路官僚は一般財源化を阻止して、これを使い切るつもりである。

 だから政府・与党が昨年12月に合意した道路中期計画は、個々の事業を積
み上げて2017年までの10年間で59兆円になる計画だった。

 特定財源10年間分の54兆円をもとに逆算したとしか思えない。

 道路特定財源を握るのは、「道路一家」と呼ばれる国交省道路局の官僚たち
である。

 その中のドンは、元建設事務次官の鈴木道雄氏で、駐車場整備推進機構など
5法人の理事長・会長を務めている。

 事務次官の後は日本道路公団副総裁に天下り、総裁を含めて8年間、道路公
団に君臨、74歳の今も現職だ。

 『週刊ポスト』の直撃取材に「契約に基づいて仕事しているだけ。利権など
ない」と、軽くかわした後、「国のため、国民のために恩返しするという気持
ちでやっている」と、うそぶいた。

 天下り生活を存分に享受、生涯賃金9億円をもらっているという鈴木氏は、
自身を育むシステムが、道路ばかりか国を蝕んでいることに思いが至らない。

 その原因の一つは、国交省の「道路一家」に捜査のメスが及んでいないから
だろう。道路公団副総裁に及ぶ事件はあったが、橋梁談合絡みだった。

 「国策」を批判されることの多い検察捜査だが、国家に戦略と国策が必要で
あることは紛れもない事実。

 官僚組織が税金を財布代わりにしていいはずがないし、そうした時代でもな
い。

 道路も橋も港湾も鉄道も、基本的なインフラが整えば、管理運営を民営化、
効率を求めるのは当然のことだろう。

 その構造を政治家と官僚が手放さないのは、間違いなくそこに、業者を巻き
込む利権があるためで、特捜部の出番である。

 ゼネコンや道路関連業者が、道路一家の高級官僚を、家族を含めてまとめて
北京五輪に招待するという計画もある。

 こんな連中を放置していいわけがないし、厳しく捜査すれば、談合同様、国
民の怒りが向いていることもあり、間違いなく利権の構図を潰せるはずなのだ。

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