■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2008/4/9 No.427 週刊メールジャーナル 読者数11260(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●三井住友銀行を手玉に取った紹介融資事件の行方 (会員制経済情報誌『現代産業情報』4月1日号より転載) 新聞記事を何度繰り返し読んでも、よく理解できない事件である。 『読売新聞』が、3月14日、「三井住友170億円ずさん融資」というタイ トルで報じた、不動産業者に対する紹介融資事件――野村證券出身だという社 長が、よほど人を騙すテクニックに長けていたのかも知れないが、それにして もメガバンクの迂闊さが信じられない。 読売記事を振り返ってみたい。 まず、不動産業者の紹介で、三井住友銀行が中小企業60数社に総額170億 円を融資し、うち100億円以上が回収不能になっていると事件の概略を書い た後、その「仕組み」をこう説明している。 「60数社の大半は融資の申し込みの際、偽造された経理書類を提出し、約2 0社は営業実態のないペーパーカンパニーだった」 マヌケである。 素人が「お役所仕事」でやった新銀行東京というなら話はわかるが、メガバン クの中でもシビアな融資で知られる三井住友が、偽造された書類もペーパーカ ンパニーも見破れないものだろうか。 そもそも融資の際に営業実態を把握しないのか。 一回の貸付額は2000万円から2億円。返済期間2〜3カ月の短期融資が多 かったという。決して少ない額ではない。 最初は三井住友内部に、当該不動産会社のコシ・トラスト(本社・東京都渋谷 区)に“内通”する不良行員がいるのではないかと思われた。 それならマヌケ融資も理解できる。 しかし三井住友に続き、三菱東京UFJ銀行でも同じ手口で60億円を引っ張 っている事実が明らかとなり、再び理解不能になる。 「関係者によると、コ社の紹介で中小業者に融資を行なったのは、法人に対す る事業資金の融資などを担当する三菱東京UFJ銀行恵比寿支店。 同支店は、三井住友でコ社関連の融資が始まった約1年後の2004年から事 業資金などの名目で融資の申し込みを受け、06年ごろまでに数十社に総額約 60億円を貸し付けた」(『読売新聞』3月15日付) 三井住友でうまくいったから、散らす目的で三菱東京UFJも利用、まんまと 引っかかったという図式である。 さらに次があった。 『読売新聞』は「紹介企業に組関係者」と報道、背後の犯罪者集団を臭わせた。 報道によれば、一連の紹介融資が行なわれていた2005年9月、暴力団関係 者が役員に就任した。 借り入れに協力した業者の中には、暴力団組員が出入りしていたところもあっ たというが、三井住友が融資金の回収に本腰を入れ始めた07年3月に、その 暴力団関係者は退任している。 コシ・トラストが偽造していたのは、銀行に提出していた納税証明書や不動産 鑑定書。 暴力団系偽造グループの存在が疑われるのだが、捜査関係者によれば「そうし た組織犯罪の可能性は低い」という。 では、なぜメガバンクは騙されたのか。 民間の情報調査会社によれば、コシ・トラストは、00年7月、中林明久氏 (39)によって設立された。 中林社長は、大卒後に野村證券に入社、営業職を3年務めた後、不動産業界に 転職、二社で経験を積んでからコシ・トラストを設立している。 同社は、不動産の売買・仲介だけでなく、不動産証券化事業、ファンド事業、 デューデリジェンス事業などを行なっているというから、経歴を生かし、証券 化を含む新しいタイプの不動産事業に取り組んだことになる。 中林氏の経歴に加え、不信感を抱かれぬように商工ローンのSFCG(旧商工 ファンド)から高利の資金を借りて、スムーズな返済を装っていた氏の巧みな 手口に、メガバンクは引っかかったわけだが、「それにしても」という誰もが 抱く疑問については、内部調査を進めている三井住友が、金融庁と擦り合わせ のうえ刑事告発することになるので、捜査の行方を見守るしかない。 そこでは、170億円がいとも簡単に抜かれるメガバンクの審査の“穴”を徹 底検証するとともに、山口組系暴力団の関与がどのようなものであったかにつ いて、同種の事件を引き起こさないためにも、漏れなく捜査する必要がある。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次ぎします。お申しであれば、無料で見本誌をお送りいたします。 【あとがき】 普通の企業が、取引や融資、増資などを通じて、暴力団系の企業舎弟に食い込 まれるケースが増えています。 資金導入ルート、取引先や人物の身元調査、信用・資産調査などは、普通の企 業が自ら実施することは難しいといわれています。 わが国でも最古参に属する民間調査会社・株式会社ミリオン資料サービス (社長・坪山晃三、東京都中央区八重洲)は、こうした企業のさまざまなニー ズにお応えしています。 本誌は、同社への取次ぎをいたします。 【お知らせ】 ◆社内報、PR誌、コミュニケーション誌の編集者の皆さんへ!◆ 本誌推奨の新刊書「新聞記者のミニ法話」(新風書房刊・1575円・税込) の著者である元産経新聞編集委員・藤井元秀氏のエッセイを、社内報、PR誌、 ミニコミ誌などのコラムで連載しませんか? 「心の時代」と言われて久しいものの、社内・社外の人間関係は荒んでいます。 藤井氏が17年間かけて取材した、全国の名社・宮司、名刹・智識の法話を、 身近なたとえで、わかりやすく解説します。 人生の教訓を踏まえたヒューマン・コミュニケーションに役立ててください。 ライター・藤井元秀氏には、本誌が取り次ぎます。 ■■ 第14回社内広報サロンのご案内 2008年4月18日(金)■■ 今回のテーマ 「社内報の読者の巻き込み方を考える」 読まれる社内報にするためには、読者である社員を巻き込むことが大切です。 読まれるだけでなく、取材や原稿執筆も社員の協力がなければスムーズにいき ません。 今回は、「読まれてなんぼの社内報」その読者を「味方」にする巻き込み方に ついて、皆さんと考えてみたいと思います。 ■詳細とお申し込みは ⇒http://www.commu-suppo.net/salon/20080418salon.pdf ■■新刊書のご紹介■■ ◆売り切れ書店続出!発売3週間でたちまち5刷突破! ◆いま話題の「知的生産術」をたった100円で実現! 情報は複雑に管理しても使えない・続かない。本当に情報を活用するには、 すべての情報を1冊のノートにまとめる必要があるのです。 分類・整理は一切不要、時系列で書きとめ、メモや資料は貼り付ける。 無理してハイテクな情報管理をするより、 どこにでも売っている100円ノートで、 ローテクに情報を管理し、効率的・効果的にアウトプットする技術を ご紹介します。 ◆奥野宣之著『情報は1冊のノートにまとめなさい』(Nanaブックス) 詳しくはこちらへ ⇒http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901491768/ ------------------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 取締役 社内広報事業 ナナ総合コミュニケーション研究所 所長 豊田 健一 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail :toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com URL : http://www.commu-suppo.net ------------------------------------------------ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2008年4月9日 第427号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |