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  2008/5/21  No.434   週刊メールジャーナル  読者数11452(前回)
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●胡錦濤主席訪日の裏側で何が!
(会員制経済情報誌『現代産業情報』5月15日号より転載)

日本国民の印象に残ったのは、中国によるパンダの貸与の約束だけではなかっ
たのか。

中国の国家主席が10年ぶりに訪日したが、日中間に横たわる難問に解決の道
筋がつけられたとは思えない。

胡錦濤国家主席を熱烈歓迎した福田首相のはしゃぎぶりに比べて、一部の政治
家やマスコミは冷ややかだった。

大手マスコミが報じなかった(報じられなかった?)胡主席訪日の裏側を探っ
てみた。

福田首相、胡主席が「戦略的互恵関係包括推進に関する日中共同声明」に署名
した7日夕、国会内で記者たちが公明党のある幹部に、「公明党内で日中首脳
会談を評価する声が多いが、成果は」と質問した。

これに対して公明党幹部の答えは意外なものだった。

彼は開口一番、こう言ったのだ。

「これというものがあったかなあー、中国製ギョーザ中毒事件についても、前
に言っていることと変わらない。事件については、もう日本側の捜査機関はや
れるだけやったわけで、後は中国側がやる気にならないと進展しない。両首脳
が会うことには意義があるだろうけど……。福田総理は主席に気を使い過ぎで
は」

これは、公明党の幹部としては、思い切った発言といえる。というのも、中国
要人と創価学会・公明党は、極めて親密な関係にある。今回も胡主席と池田大
作名誉会長が特別に会談(後述)したことでも明らか。

この公明党幹部の発言は、彼の「書くなよ」という一言で、日の目を見ること
はなかった。

ギョーザ中毒事件に関していえば、こんなばかばかしい話もあった。首相秘書
官と番記者とのやり取りを再録してみる。

番記者「胡錦濤は、来日するまでギョーザ中毒事件を知らなかったという話が
あるが、真相は」

秘書官「全く知らなかったというのは、どうかなあ。しかし、日本側がギョー
ザ問題でここまで怒っていることに(胡錦濤は)びっくりしていた。中国では、
責任を持っていないやつが、いつまでも情報を握ったままにしている。上に投
げろと言っても、ダメなんだ」

幸いにも、中毒事件で日本側に死者は出なかった。しかし、生命の危機に陥っ
た子供がいたことは事実で、それを考えれば、なんとも頼りない中国政府の対
応ぶりが透けて見えるようである。

しかし、胡主席訪日でハイテンションになった政治家もいた。「媚中派」の代
表格とされる二階俊博総務会長だ。

同氏は首脳会談後に胡主席と会っており、やたらとご機嫌で饒舌だったという。

二階氏はオフレコで日中共同声明に、まず「各紙の夕刊の見出しを見ると、進
展と評価しているね。かなり両首脳が踏み込んだということだろう。事前に日
中双方の関係者から、そういう感触を得ていた」と、感想を漏らした。

二階氏にとって、経産省時代に中国と交渉した東シナ海ガス田問題は、もっと
も注目されるところだった。

媚中派といわれるだけに、ガス田問題に対応する当時の二階氏の弱腰に批判が
強かった。

この日、わざわざ二階氏は、記者たちの前でガス田問題の共同声明の成果につ
いて、資源エネルギー庁の望月晴文長官に問い合わせるパフォーマンスまで演
じて見せた。

「いいじゃないか、両首脳が進展を確認しあったのだから」と二階氏は口にし
たというが、とはいっても中国が一筋縄でいかないことを、一番熟知している
のも同氏だ。

池田名誉会長と胡主席との会談は、30分にわたった。これまで池田氏は、二
度ほど胡主席と面談したことがある。

学会のブリーフによると、会談ではチベット問題は出ず、池田氏が「胡主席閣
下は世界的な名優のようだ」とのリップサービスを行なったとか。

この会談が、池田氏のカリスマ性をより高めるために一役買ったことは間違い
ない。

意外だったのは、安倍前首相が胡主席との朝食会で苦言を呈したことだ。

安倍氏は中曽根、森元首相らが同席する朝食会で、チベットやウィグルの人権
問題に具体的に触れ、その座を凍りつかせたというのだ。

政界のKY男が、誰もが聞きたいのに聞けない一件を質したというのだから、
皮肉な話ではないか。

この安倍氏に比べて、男を下げたのが小泉元首相だった。朝食会にも晩餐会に
も出なかったのだ。

「いくら靖国参拝などで中国と対立したからといって、胡主席と同席しないと
いうのは、小泉さんのケツの穴が小さいと言わざるを得ない。しかも、すでに
元首相という立場にある。小泉さんは、中曽根さんを上回る5年半という長期
政権を敷いた総理大臣なのだから、過去は過去として堂々と胡主席と会って欲
しかった」(ベテラン秘書)

中国トップの訪日は、国民的人気を誇る男の化けの皮を剥いでしまったともい
える。

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 週刊メールジャーナル 2008年5月21日 第434号(水曜日発行)
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