■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2008/7/16 No.442 週刊メールジャーナル 読者数11449(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●金融庁とみずほ銀行が潰したスルガコーポレーションの教訓 (会員制経済情報誌『現代産業情報』7月1日号より転載) 「反社会的勢力」に資金を与えたとして批判を浴びていたスルガコーポレーシ ョン(本社・神奈川県横浜市)が、6月24日、民事再生法の適用を申請して 倒産した。 スルガは罪に問われなかったものの、山口組系有力組織と近い光誉実業の社長 が弁護士法違反容疑で逮捕され、光誉実業に立ち退き交渉を委託していたスル ガの社会的責任は明白である。 このため、スルガの倒産をマスコミは冷ややかに受け止めており、「自業自得」 という論調が大半だった。 だが一方で、右肩上がりの増収増益を続けてきたスルガが、「反社とのつきあ い」という一点で、警察、金融庁、メーンバンクのみずほ銀行から責められ、 八方塞がりの中、倒産に追い込まれた経緯は、日本の金融機関が監督官庁の顔 色を伺いながら仕事をする、社会主義的な金融システムの中に、今もいること を如実に伝えていて興味深い。 スルガは、ここ数年、不動産ソリューション事業という名の地上げ部門の活躍 で急成長した。 03年3月期の売上高458億円が、08年3月期は1251億円だから、5 年で約3倍の伸び。 利益も右肩上がりを実現、不動産流動化による取引の活発化で急進した新興不 動産業者の代表銘柄といってよかろう。 その分、仕事は速かったわけで、事件化した紀尾井町TBRビルのような、権 利関係の複雑な案件では、“凄腕”で知られる光誉実業を使ったのである。 光誉実業が、「企業舎弟」と目されてもおかしくない存在であることが判明し てからの、金融機関の対応は早かった。 内偵を始めた警視庁と連動するように、みずほ銀行は蛇口を閉めて新規融資に 応じなくなり、そうなると準メーン以下も同じ貸し渋りに走り、業績は好調で 黒字を確保、620億円の負債総額をかなり上回る資産がありながら、スルガ は資金繰りに詰まって民事再生法による再建を選択せざるを得なかった。 この間の金融庁の締め付けは徹底したもので、「スルガに融資するのはもちろ ん、スルガの物件を購入する不動産会社への融資もまかりならん!」というも のだったという。 もちろん、そこまで徹底した民間企業潰しを、役所が直接、指導したとは考え にくいが、スルガがすべての蛇口を閉められ、物件売却もままならずに黒字倒 産したことは事実である。 そこで不動産業界では、金融機関が金融庁の「口頭通達」を口実に、不動産業 者への融資を急速に絞り込んでいるのではないか、といわれている。 事実、スルガ以外でも、「反社会的勢力との関係」を噂される不動産業者は少 なくなく、USAJ(Sはスルガ)といった符丁で呼ばれる新興の不動産業者 が、金融機関の引き締めに遭い、厳しい状況にある。 この“横並び”は、金融機関の意識が、いまだに「護送船団時代」のままであ ることを物語っている。 金融庁発足から10年が経過した。最初は、財務省や他の官庁、政界などとの 距離感を測れなかったものの、10年の“経験”を重ねる中で、金融庁は「事 後チェック型」の組織として自らの役割りを意識、金融機関の不正、行き過ぎ、 ごまかしを厳しく監視、指導することで、存在感を高めてきた。 そこは、天下りを受け入れる金融機関と接待で癒着、「事前指導」によって業 界秩序を自分たちの思いのままにするという、旧大蔵の「護送船団行政」の時 代とは違う。 しかし、システムは代わっても、業者の意識に大きな変化はなかった。 「事前」であろうと「事後」であろうと、“お上”の意向に逆らわず、金融秩 序を保とうとする。 つまり、社会主義的金融システムのままなのである。 誤解を恐れずに言えば、「地上げに暴力装置はつきもの」である。 不動産開発事業において、占有占拠で居座る「プロ」を追い出すには、「プロ」 の力が必要で、これは理屈ではない。 そして、その「プロ」が暴力団組織なら問題だが、そこに足場を置く企業舎弟と なると、組織との濃淡を含めて千差万別、彼らを一律に「反社会的勢力」と見な して除外することは不可能に近い。 にもかかわらず、今の金融機関は、「反社」の一言ですべての判断を停止、融資 を中断、関係を絶っている。 そこには「バブル化した不動産融資を控えたい」という“本音”も隠されていよ うが、金融庁の意向を察知、横並びで同じ行動様式を取るこの自主性のなさは情 けない。 既にスルガには複数の外資系金融機関がアプローチ、スポンサーに名乗りをあげ ているという。 彼らにあるのは「逆バリの発想」。 スルガの倒産自体は「自業自得」かも知れないが、それをビジネスチャンスと捉 えない日本の金融機関に、将来は感じられない。 ■会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌がお 取次します。お申し出あれば、見本誌を無料でお送りいたします。 【お知らせ】 ■■■第12回コミサポ・セミナー■■■(ご案内) 環境への配慮、地域とのつながり、社会的な貢献 いま、企業では「CSR」を意識して活動を進めています その集大成ともいうべき「CSR報告書」 その読み方、作り方、使い方のセミナーを開催します ■テーマ■ 「CSR報告書の読み方、作り方、使い方」セミナー ■日程■ 7月18日 金曜日 16時より ■講師■ 株式会社NTTアド 加美山秀彦先生 セミナーだけでなく、講師に直接質問できるなんでも相談会、 そしてセミナー参加者とネットワークがつくれる交流会もあります ■詳しくは■ ⇒http://www.commu-suppo.net/seminar_pdf/20080718seminar.pdf ------------------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 取締役 社内広報事業 ナナ総合コミュニケーション研究所 所長 豊田 健一 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail :toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com URL : http://www.commu-suppo.net ------------------------------------------------ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2008年7月16日 第442号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |