■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2008/8/6 No.445 週刊メールジャーナル 読者数11388(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【お断り】 8月13日号は「休刊」させていただきます。ご了承ください。 ●「フィクサー秋山直紀」を逮捕した特捜部が目指す政界ルート (会員制経済情報誌『現代産業情報』8月1日号より転載) 日米平和・文化交流協会で専務理事を務める秋山直紀容疑者の最大の不満は、 防衛利権に関与する印象の「フィクサー」と称せられることだった。 防衛商戦において多額の賄賂が飛び交うのは、防衛装備品の世界である。 今回の防衛省事件の発火点は、CX(次期輸送機)のエンジン代理店の座をめ ぐって、山田洋行と日本ミライズが争ったことで、その総額が1000億円と いうのだから、軍需産業や防衛商社が、熾烈な受注合戦を繰り広げるのもわか る。 だが、そうした「調達の世界」に秋山容疑者は関与していたのだろうか。 確認すべきは、秋山容疑者の“身分”が社団法人の専務理事でしかなく、その 社団の目的は「日米交流」にあったことだ。 だから秋山容疑者の活動の中心は、ゴールデンウィークに議員団を引き連れて 訪米、米国の軍産関係者と交流することと、秋に日本で米国の軍産関係者を招 いたシンポジュームを開催することだった。 従って、古くから秋山容疑者を知る政界関係者の「秋山評」は、「便利屋」で ある。 「細かい所に気配りできる奴で、旅行の世話役やシンポジュームの裏方には最 適。それを20年も地道に続けてきた。それだけ防衛には強い思い入れがある。 20年も続けてきたから、日米の防衛人脈は太くなるし、彼が最も力を入れた ミサイル防衛の分野では、第1人者になった。それをもってしてフィクサーと いうんだろうが、自分を防衛利権に結びつけられることを、なにより嫌がった」 確かに、巨額の“裏金”が動くのは防衛調達の世界である。 そこでは三菱重工を柱とする軍需産業が、多数の自衛隊OBを抱え、彼らが自 衛隊OB政治家や防衛官僚・自衛隊幹部と調整しながら、防衛装備を決定する。 この堅牢な世界は、秋山容疑者のような部外者を決して寄せ付けない。 今年1月に開かれた参院の参考人招致で、秋山容疑者は日本戦略研究センター (日戦研)に言及、金丸信、小沢一郎、田村秀昭といった防衛族大物の名を挙 げて、「日戦研のような組織こそが問題」と指摘した。 そこにこそ軍産複合の疑惑がある――。 もちろん、過去に何度も防衛利権に切り込んだことのある特捜部は、「防衛の 要」に三菱重工、三菱商事、三菱電機などの「スリーダイヤ」を中心とする軍 需産業が座っていることは承知している。 だが、システムとして利権に切り込むのは容易ではない。そこで山田洋行とい う防衛産業の中では、傍流の商社の中で発生した内紛を機に、かねて「目ざわ りな存在」として意識していた、秋山容疑者の捜査に踏み切ったのである。 しかし着手して驚いたのは、外(米国)にカネを流し込むシステムが確立、日 本における資金移動がないことだった。 加えて、三菱重工、三菱商事といった軍需産業・防衛商社からの資金流入も、 社団法人への会費や寄付金以外には確認できなかった。 それは、装備品調達の世界に、秋山容疑者が強くないことの証明だったが、一 方で秋山容疑者にも“急ぎのカネ”が要る。 秋山容疑者が米国で資金を管理していたのは、彼が仕えた舞台装置会社副社長 の長田久代氏の仕手戦失敗を契機とする。 バブル期の仕手戦で70億円以上の借金を抱えた長田氏は、94年に亡くなり、 その一部を連帯保証した秋山容疑者も破産状態となって、経済活動の拠点を米 国に置かねばならなかった。 それが、「トンネル会社」と特捜部が認定した、アドバック・インターナショ ナル・コーポレーションだった。 装備品調達には口利きしないというポリシーと、日本でビジネスを展開できな いという現実。 その中で“苦肉の策”として手を出したのが、福岡県苅田(かんだ)港の遺棄 化学兵器の処理事業だった。 逮捕は、03年から05年までに2億3200万円を隠したという所得税法違 反容疑だが、そのうち約1億5000万円は遺棄化学兵器に関するもの。 秋山容疑者傘下の社団法人が“推奨”した処理方式を持つことで、300億円 近い受注を果たした神戸製鋼は約4800万円、電気関係の日立製作所は約1 80万円、神戸製鋼の下請けの山田洋行は約1億円をアドバックなどに送金し ている。 当然、特捜部は秋山容疑者の脱税資金が政界に流れたのではないかという疑い を持ち、捜査を進めている。 爆弾処理に実績のない秋山容疑者の社団法人が、調査事業を受注できたのはな ぜなのか。 そこに、久間章生、額賀福志郎など秋山容疑者としたしい政治家の影はないか。 また、神戸製鋼受注の裏に安倍晋三元首相の事務所関係者の存在が囁かれるの は、秋山容疑者との関係によるものではないか――。 山田洋行には別に、同社の“反目”に回った日本ミライズの宮崎元伸被告と元 防衛事務次官の守屋武昌被告への対抗策として、秋山容疑者に約3000万円 を現金で渡し、久間防衛相(当時)へのとりなしを頼んだという疑惑もあり、 こちらの捜査も続いている。 傍流ゆえに狙われた秋山容疑者の、本流の三菱重工を軸とするグループへの怒 りは強いが、「政界ルート」を含め、それを拘置所の中で検事を相手にしゃべ ることはあるまい。 その分、脱税事件としての裁きを終えた秋山容疑者が現場復帰した際、パワー アップする可能性もあり、その時は「フィクサー」に相応しい怖い存在になる かも知れない。 ■会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次します。お申し出あれば、無料で見本誌をお送りいたします。 【お知らせ】 ■■第16回社内広報サロン■■ ■開催日■ 2008/8/22 (金) ■詳細とお申し込み■ →http://www.commu-suppo.net/salon/20080822salon.pdf ■今回テーマ■ 「読まれる社内報を考える」 「読まれてなんぼの社内報」、いかにして読者に読んでもらえるか、 読者の関心を高められるか。さらに、読まれるだけでいいのか、 読まれた後、読者にどうして欲しいのか。 今回は、「読まれるとは」「読まれてから」を皆さんと考えます。 ------------------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 取締役 社内広報事業 ナナ総合コミュニケーション研究所 所長 豊田 健一 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail :toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com URL : http://www.commu-suppo.net ------------------------------------------------ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2008年8月6日 第445号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |