■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2008/8/20 No.446 週刊メールジャーナル 読者数11644(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●資源・穀物を高騰させる投資銀行の存在意義とは何か? (会員制経済情報誌『現代産業情報』8月1日号より転載) サブプライムショックをきっかけに、投機資金が原油や穀物に流れ、すべて合 わせても25種類、約100兆円しかない商品先物市場を混乱させている。 国際取引所連合の2007年10月時点での調べによると、世界の株式市場の 規模は7200兆円、債券市場が5500兆円、金融派生商品であるデリバテ ィブの総額は約5京円である。 米国が金融を国家戦略とした1980年代以降、ドルは過剰に印刷されて世界 を回り、過剰流動性が定着した。 余った資金は、70年代後半のメキシコを中心とする中南米、80年代後半の バブル期の日本、90年代半ばの東南アジアやロシア、90年代末の全世界を 巻き込んだITバブルとなって猛威をふるい、各国に一時の繁栄をもたらした ものの、やがて経済原則にしたがってバブルは崩壊、各国を追い込んだ。 その元凶である米国は、世界最強の米軍による脅しと、基軸通貨ドルの強みに よって、バブルに踊った国の苦難を横目に繁栄を謳歌したが、ITバブルの崩 壊後は、住宅バブルがその穴を埋め、その住宅バブルがローンを組む資格のな い貧乏人を相手にした、詐欺紛い商品によって演出されたものであることが、 サブプライムショックで明らかになる。 今回、失われたのは、金融システムの信用である。その信用システムは、米国 の経済界を席巻した新保守主義と、その理論を現場で推進し、間接金融から直 接金融の流れを世界に確立したゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレ ーなどの投資銀行とによってつくられたものだ。 サブプライムローンで最も損失を出したのが、シティ・バンクやメリル・リン チであることが象徴するように、商業銀行と投資銀行の境目はなくなっている のだが、これは商業銀行が投資銀行に傾斜している表れで、世界金融は過剰な 資本を、華麗な金融テクニック=金融工学で操る「投資銀行の時代」となって いた。 サブプライム問題は、すべて金融で解決しようとする実体経済無視の金融資本 主義の歪みが露呈したものではあるが、その反省の色もなく過剰な資金が、わ ずか100兆円の商品先物市場に回り、原油や穀物を高騰させ、先進国国内で 広がる格差社会の低所得者を直撃、貧困国では食べるものがなく、暴動が続発 するという事態を招いている。 その犯人は、ゴールドマン・サックスなどの組成した商品インデックスファン ドであり、買いの主体は年金である。 世界の年金の規模は2000兆円。その一部が商品に投入されただけで、資源・ 穀物の先物価格が沸騰することは明らかだ。 原油はもちろん、小麦、コメ、大豆、とうもろこしといった世界の主要穀物が 2倍、3倍となって世界最貧国の10億人を追い込んだ。 こうした異常事態に米国は重い腰を上げ、投機的な資金投入を制限、取引総額 にも規制を加えようとしている。 これは、市場に規制を加えず、すべてを市場原理に委ねる、新保守主義の転換 を図るものだった。 市場の潮目は変わった。それを読んだ投資家は、商品先物市場から距離を置き 始めており、価格は沈静化を始めている。 これは単なる行き過ぎの是正ではない。過剰流動性を常態化させ、その過剰を 証券化商品を軸とする、おびただしい金融商品で捌き、企業を「モノ」に置き 換え、株主価格の増大を唯一の尺度にして、短期利益の創出を求め、M&Aを 武器にスクラップ&ビルドで企業経営者に活性化を強要してきた投資銀行主導 の資本主義が、終焉を迎えたといっていい。 金融が金融の世界で遊んでいるうちは、いくら投資銀行の幹部が数百億円の富 を稼ごうと認められた。 金融が実体経済を振り回す歪みは露呈していたが、米国が商品の目先を変え、 バブルの震源地を変化させている間は、容認できた。 しかし、人間のよって立つ基盤のエネルギーや食料までマネーゲームの道具と することは、さすがに容認できず、「規制」の網をかけた。 これは、すべての価値をカネに換算することで成り立ってきた、「投資銀行時 代の終わりの始まり」を象徴するものであり、政府が復権、商業銀行が息を吹 き返す起点となるかも知れない。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次します。お申し出あれば、見本誌を無料でお送りいたします。 【お知らせ】 ■■第16回社内広報サロン■■ ■開催日■ 2008/8/22 (金) ■詳細とお申し込み■ →http://www.commu-suppo.net/salon/20080822salon.pdf ■今回テーマ■ 「読まれる社内報を考える」 「読まれてなんぼの社内報」、いかにして読者に読んでもらえるか、 読者の関心を高められるか。さらに、読まれるだけでいいのか、 読まれた後、読者にどうして欲しいのか。 今回は、「読まれるとは」「読まれてから」を皆さんと考えます。 ------------------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 取締役 社内広報事業 ナナ総合コミュニケーション研究所 所長 豊田 健一 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail :toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com URL : http://www.commu-suppo.net ------------------------------------------------ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2008年8月20日 第446号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |