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  2008/9/17  No.450   週刊メールジャーナル  読者数11675(前回)
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【お断り】
本号は、「ナナ総合コミュニケーション研究所」のポータルサイト、「Com
mu−Suppo.net」(コミ・サポネット)のコラム「社内広報を考え
る」から転載します。このコラムは毎月更新されます。
⇒http://www.commu-suppo.net


■■コンプライアンスの実効をあげる社内コミュニケーション■■
 

■第1回「復習、CSR経営」■


昨年、この「コミサポ・ネット」に連載したコラムが、今年1月「NIKKE
IーNET」に転載された。(隔週5回連載)

その影響と思われるが、いくつかの会社や地域経済団体から講演に呼ばれる羽
目になった。

テーマは「CSR時代の社内コミュニケーション・マネジメント」であった。

なぜ、そのテーマで書くことになったのか、今回のテーマに入る前に、まず、
そのことを明確にしておきたい。

今回のテーマもまた、多くの社内広報担当者からは「遠い世界のハナシ」と思
われ、かつまた、多くの経営者からは「マネジメントの埒外」と思われてしま
う可能性があるように思えるからだ。

今回のテーマは、前回のテーマと重なる部分が多い。だが、今回は社内広報担
当者、ことに、社内誌編集者の目線で、会社の生き残りにかかわる、社内コミ
ュニケーションの諸問題を提起したいと思う。

近ごろ、経営方針に「CSR」を掲げる会社が増えてきた。並行して
、「CSR報告書」などを制作配布する会社も増えてきた。あわせて、社内誌
でもCSRの実践記事の掲載が増えだした。

しかし、その多くに、CSRの本質についての曲解がみられ、その上に立って、
自己(会社)に都合の良いCSR経営観をステークホルダーに押し付けようと
しているように見える会社がある。

たとえば、「環境対策」の内容をことさらあげつらい、それで社会的責任を果
たしているかのような、説明をしている会社もある。

あるいは、経営倫理を実践するとして、ことさら「コンプライアンス」を言い
募る会社もある。

だが、それらの会社が、不具合「商品」をしばしば世に送り出し、消費者の生
命さえ脅かすことになった事実は、近ごろ枚挙に暇がない。

あるいはまた、非正規労働者を実質使い捨てにしている会社がCSRを標榜し
ても、経営理念との矛盾はないのであろうか。

では、そもそも、CSRとは何か。

近ごろ、和訳の困難な外来語が増えているが、この、CSRというのは大変分
かりがいい。

直訳すれば、「会社の社会的責任」ということである。マスメディアでは、
「企業の社会的責任」と“注記”を統一しているようだが、以下の問題提起を
読めば、「会社の…」といった方が適当であることが理解できよう。

すなわち、CSRの本旨は、「社会から存在を認められている会社」は「社会
の期待に報いるべきである」ということである。

「社会から存在を認められる」とはどういうことか。

難しいことをいうつもりはないが、その会社が作ったり売ったりしている商品
価値を社会が認めるならば、その会社は社会から、その存在を認められるよう
になることが必然なのである。

そのために、その会社がその存在を「認知」される社会的な仕組みは、既にで
きあがっている。いわゆる「法人登記」である。

CSRとは、「法人として登記された会社が追うべき社会的責任である」と、
言い換えても良いだろう。

つまり、会社が「法人」である以上、「人」らしくあらねばならないという、
社会の仕組み(法律)ができ上がっているのだ。

金融資本主義は、本来(形而上は)「モノ」である「会社」に対して、なぜ、
「ヒト」と同じ「人格」を与えるようにしたのであろうか。

端的にいえば、法律上「ヒト」同等の立場を与えた以上は、(法人としての)
「権利」を主張し、あるいわ法的な立場を利用するだけでなく、社会に対して
「ヒト」らしい義務と責任を果たせ、いうことなのである。

つまり、CSRとは、法人としての会社にとって、それほど、大仰なことでは
ないし、いわんや、ことさらにPRをするようなことではない。(以下次号) 


●新興不動産ファンドを追い詰める金融庁の「放置プレイ」
(会員制経済情報誌『現代産業情報』9月1日号より転載)


不動産不況といっても、不動産業界全体が銀行に苛められているわけではない。
非遡及型のノンリコースローンを用いて不動産を金融商品化、高い利回りを投
資家に約束する新興不動産ファンドが、ノンリコースローンをまったく出さな
い銀行によって、ファンドを組成できなくなった。

地価の反転は、10兆円規模となった不動産ファンドがもたらしたもの。

その主役が不在となって市況は低迷、それに銀行の強固な貸し剥がしが重なっ
て、物件があふれて地価の下落に拍車がかかった。

さらに、昨今の不動産ビジネスの担い手だった外資系の投資銀行が、サブプラ
イムショックによって不動産ビジネスから撤退、リストラされた不動産ローン
ビジネスにかかわる金融マンは1000人近い。

こうした内外のさまざまな理由によって、不動産市況は低迷、新興カタカナ不
動産ファンドは追い詰められており、もはや自助努力のレベルを超え、行政の
超法規的な指導や政治による解決が求められる段階である。

しかし金融庁は動かない。というか、何もしない。弊誌は前号(No.605
=本誌転載なし)で、反社会的勢力(反社)に対し、金融庁、警察庁、証券取
引所、全国銀行協会、日本証券業協会などが一体となって排除する動きに出て
いることを詳述した。

こうした流れを利用、貸し渋りに走る銀行が、「金融庁が(融資を)認めない」
と、金融庁の“威光”を借りることがあるようだが、現実には金融庁が個別企
業の融資にまで口を出すことはない。

では、金融庁はなぜ何もしないのか――。

この疑問を解消するのは、不動産ファンド代表の次の言葉である。

「もともと不動産は、国土交通省の管轄。ファンド関係者は、国交省官僚に指
導を受けながら不動産投資顧問業の登録をした。ところが不動産が金融商品化
してから、金融庁の力が強くなり、昨年9月末に施行された金融商品取引法に
よって、完全に金融庁の傘下に入った。

金融庁としては、規律の緩い国交省時代のファンドを淘汰、自分の手で再編す
るつもり。だから、放置して潰れるに任せている」

非常に分かりやすい説明である。

確かに、不動産の金融商品化によって、不動産融資は急増、2005年と06
年の年間の不動産業への貸し出し金額は、10兆円近くなった。

全産業融資の2割を超え、しかもその金額は、バブル期に匹敵する。

ブームに乗って不動産ファンドは粗製乱造され、上場するREITにも土地鑑
定評価などの面で、恣意性の高い怪しいファンドが現れるようになった。

その原因の一つに、ゼネコンを相手の談合体質を引きずる、国交省の規律の緩
さがあったことは事実だろう。

金融庁の金融監督業務もまた、かつては大蔵省検査部で銀行MOF担との癒着
の中にあった。

しかし、金融検査官の自殺者まで出した接待汚職事件の末、大蔵省は分断され、
金融検査が独立官庁となった金融庁に移管されてからは、金融業界とは慣れ合
わず、本気で対峙する役所となり、金融庁職員はそこに自らの存在意義を見出
した。

その自覚を胸に、「金融処分庁」と呼ばれるほど厳しい存在となったわけだが、
国交庁のもとで自由放任だった不動産ファンドには、主催者の脇の甘さ、経営
体質の弱さ、コンプライアンスの不備など目に余るものがあった。

それは是正すべきことではあったが、金融商品取引法の成立までは国交省の影
響力の方が強かったし、同省への遠慮もあった。

だが、昨年9月末から不動産ファンドは、実質的に金融庁傘下であり、不動産
の売買が信託受益権で行なわれるのだから、金融商品として“縛り”を受ける
のは当然だろう。

実際、不動産ファンドは金融庁の規制対象となり、立ち入り検査を受けること
もある。

そうした金融庁から見て、現在のファンドは数が多すぎるし、金融商品を販売
するに値する社内組織を整えているところは少なすぎる。

だから金融庁は何もしない。そこは、融資を引き絞る銀行と「不動産ファンド
は、数が多く脆弱に過ぎる」という点で共通認識を持っており、金融庁は今年
に入ってからの連続倒産を、業界再編のいい機会と受け止め、「無策」に徹し
ているのかも知れない。

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【あとがき】


15日、経営不安が高まっていた米証券第4位リーマン・ブラザーズが、経営
破綻した。

さらに同業3位のメリルリンチは、米銀行2位のバンク・オブ・アメリカに身
売りすることで合意した。

サブプライム危機は、米国で過去最大の破綻と金融危機に発展。信用不安から
世界の株式市場で、急激な株安が広がった。

16日の東京証券取引所では、株価が大幅下落。今後、米国の金融不安は短期
的に収束する見通しは立たないが、わが国の円高、株安による産業界への悪影
響は限定的との見方が多い。

米投資銀行のなかでも、不動産関連業務で強みを発揮してきたリーマンの経営
破綻は、日本の不動産業、とくに、不動産ファンドの証券化商品を売りまくっ
て伸びてきた、新興不動産業の倒産の原因を裏付ける事態になった。

米国政府は、先ごろ、政府系住宅抵当金融会社2社の救済と、証券5位のベア・
スターンズに対して公的資金の注入を決定し、金融不安の沈静に期待をかけた
ばかりだが、サブプライム関連金融商品のリスクは大き過ぎた。

三つ子の赤字を抱え、しかも、イラク、アフガンなどの戦費の膨張が収まらな
い上に、EUやイラン、ロシアのオイルマネー決済で、基軸通貨の地位をゆる
がせている米国の財政状況では、もはや、自国民に対して、これ以上の負担を
求めることはできなくなったことを、自ら証明した。

90年代、ITバブルの崩壊から立ち直るため、窮余の一策として打ち出した
低所得層に対する住宅取得支援政策が、住宅・不動産のバブルを招き、結果と
して、その崩壊がドルの地位低下を招いたことになる。

大統領選を前にした、こうした事態は、ブッシュ政権(=共和党)の失政とし
て、政界のみならず、経済アナリストなどからも批判されることになるだろう。


【お知らせ】


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