■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2008/9/24 No.451 週刊メールジャーナル 読者数11695(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●日本でも無謀にリスクを取ったリーマンの倒産 (会員制経済情報誌『現代産業情報』9月15日号より転載) 日本でリーマン・ブラザーズの名が高まったのは、ライブドアが行なったニッ ポン放送株買収の際に、800億円のMSCB(下方修正条項付き転換社債) を1社で引き受けた時だった。 金融機関から見放された上場企業は、証券市場を利用して必死の生き残りを図 る。 その際に使われたのがMSCBで、引受証券は株を借りて「カラ売り」を仕掛 け、転換価格を修正しながら株価下方局面で儲け、同時に転換した株数を増大 させたうえで株価の引き上げにかかり、株価上下のダブルで稼いだ。 違法ではない。業績不振会社の「最後の錬金術」として、今も使われることが ある。だが、引受証券に確実な儲けが出るということは、誰かが損をしている ということ。 ライブドアの場合は、ライブドアの株主と一般投資家だった。 つまり、証券市場をなにより大切にすべき証券会社が、市場と投資家を足蹴に して儲けたわけで、弊誌はこの「背信のマネーゲーム」を繰り返し批判した。 その当事者であるライブドアは破綻、マネーゲームに引きずり込んだ村上世彰 被告は、堀江貴文被告とともに実刑判決を受けた。 リーマンは、唯一、無傷で200億円を儲けた。 「正当な報酬」と思いたかっただろうが、因果はめぐる。理屈ではないところ で、“報い”を受ける運命だったのである。 顧客を持たず、提案するディールを採用してもらえるかどうかがすべての外資 は、顧客と自分自身のために無理な調達を仕掛け、グレーゾーンに突っ込む傾 向がある。 それだけ日本の銀行とは比較にならないシビアな現実を生きているわけで、 「ハゲタカ批判」など気にしない。 しかし、そうはいってもその役割の大きさから、半ば公的存在と認識している 金融機関が、「外資系」といえども、モラルを欠いた金儲け主義に走ることを 許すほど、日本は寛容ではない。 ニッポン放送買収騒動を経て、リーマンもそのことを理解するようになった。 「ルールに則ってやっていることに文句をつけるのか」「ご自由にお書きくだ さい。何かあれば、法的措置を取ります」――こう紋切り型で対応していたリ ーマンの広報体制は変わり、マスコミに対して懇切丁寧に対応するようになっ た。 だが、グンを抜く収益至上主義は変わらない。 弊誌は、No.590でソリッドグループとリーマンとのトラブルを報じた。 ライブドアの子会社であるライブドアオートという中古車販売会社を、ソリッ ドの親会社が買収した際、その買収資金150億円を提供したリーマンが、ラ イブドアオートに貯めこまれていた現金と国債120億円を担保にしていたこ とが原因だった。 複雑な背景は省略するが、相手先資産を担保にした買収は、LBO(レバレッ ジド・バイアウト)という手法で認められてはいるものの、敵対的買収では使 わない。 嫌がる相手を資本の力で屈服させる時、自分の資産ではなく相手の資産を利用 するのは、いかにも商道徳に反するからである。 リーマンはこの時、ソリッドの親会社に資金力がないとは思わなかったと反論 したが、担保の120億円を、後に担保権行使で取り上げたことは事実であり、 その“あざとい行為”が批判されたのはいうまでもない。 また、直近では、大手商社・丸紅の信用を利用して1500億円もの投資資金 を詐取したアスクレピオス事件で、リーマンは被害者となった。 リーマンは、詐欺師集団の用意した偽造の印鑑証明や「偽の丸紅部長」に引っ 掛かって、371億円を振り込み、回収できたのは50億円だけだった。 「間抜けな被害者」を演じたわけだが、背後はもっと複雑である。 No.601で報じた(本誌は6月18日号に転載した)ように、騙したアスクレピ オスの斉藤栄功氏、リーマン担当幹部の實貴孝夫氏、仲介したコンサルタント の埋田敏行氏の3人は、メリルリンチ証券に在籍した“仲間”だった。 しかも、實貴氏は個人的にもアスクレピオスに投資、利益相反行為を行なって いる。 暴かれたのは斎藤氏の詐欺行為で、リーマンは被害者だが、うかうかと怪しい 金融商品に乗っかってしまうところに、リスクを取ることを是とする体質の危 なさがあり、同時に中身を見抜けず、社員の暴走を許してしまうところに、う かつさもあった。 日本で繰り返されたリーマンの「二流の証明」は、サブプライムショックを乗 り切れなかったリーマンの“弱さ”を象徴、「投資銀行」の時代が終わりを迎 えている今、ベア・スターンズに続いてリーマンと、下から順に破綻するのも 無理からぬことなのである。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取り次ぎします。お申し出あれば、無料で見本誌をお送りいたします。 【お知らせ】 ■メールマガジン紹介■ 「都会育ちの田舎暮らし」 世界的な人口爆発、穀物価格の高騰、就業者の減少・・・ 近年、何かと話題になる「農業」に関するメールマガジンです。 著者は、東京から高知へIターン就農。 田舎の暮らし、農業のことを、都会人の目線でお伝えします。 登録はこちらから⇒http://www.mag2.com/m/0000246354.html ■■■ 発表! 第7回全国社内誌企画コンペティション 審査結果 受賞企画一覧はこちら → http://www.commu-suppo.net/conpetition/2008result.pdf ◆◆◆ 第7回全国社内誌企画コンペティション 表彰式、相談会、企画事例紹介、講演会、交流会のご案内 詳細とお申込はこちら → http://www.commu-suppo.net/conpetition/7st_info.pdf ■■■ 第17回社内広報サロン 2008/10/17 金曜日 「グループ広報」を考える → http://www.commu-suppo.net/salon/20081017salon.pdf ------------------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 取締役 社内広報事業 ナナ総合コミュニケーション研究所 所長 豊田 健一 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail :toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com URL : http://www.commu-suppo.net ------------------------------------------------ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2008年9月24日 第451号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |