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  2008/10/8  No.453   週刊メールジャーナル  読者数11692(前回)
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●「総書記異変」をめぐる日韓公安当局の思惑、これだけの違い
(会員制経済情報誌『現代産業情報』10月1日号より転載)

体調異変が予測されている北朝鮮の金正日総書記の状態をめぐり、日本の公安
当局が注視しているのが「台湾」である。

「金総書記が入院しているとみられる平壌の『烽火診療所』は医療機関という
建前の裏で、軍事研究施設という性格も併せ持っています。

つまり、これまで摘発されてきた『台湾ルート』での不正貿易の終着点がここ
だったことが、各国の情報機関の分析で推測されている。

逆に言えば、今後、北の勢力が『台湾ルート』で何を送り込もうとするかを把
握すれば、金総書記の容体を分析するいい材料になるというわけです」(公安
当局者)

烽火診療所では核をはじめ、生物兵器や化学兵器の研究を行なっているとされ、
日本からもこうした兵器製造の過程で必要となる高性能連結乾燥機が、06年
に不法に運び込まれて設置されたことが確認されている。

「それだけではない。電気攪拌機やγ線測定器、二酸化炭素計測器なども輸出
されていた」(公安当局者)というほどである。

その不正輸出ルートとして浮上しているのが「台湾ルート」。

日本から台湾への輸出管理が緩いことに目をつけた北朝鮮系企業が台湾に進出、
ここを拠点に迂回させているわけである。

日本の公安当局は、北系企業がこうした台湾企業に投資している事実を確認済
みだ。

このルートは、総書記の治療に必要な医療品、機器の運搬ルートにもなり得る。
日本の公安当局が注目するのはここである。

「朝鮮総連が、総書記の治療に必要な高品質の医療品、医療機器を台湾ルート
で送る可能性がある。

その動きは、在日系企業の台湾貿易を監視していれば浮かんでくる。

総連や在日系企業が何を送ろうとしているのかをつかめば、総書記の容体を推
測する材料になる。

同時に、北の台湾拠点を解明する千載一遇の好機でもある」と、公安当局者に
は“追い風”が吹いているかのようである。

一方で韓国の公安・情報当局者は、日本とは温度差がある。

韓国情報機関は、いかに情報を操作するかに腐心を重ねた形跡がある。

「金総書記の病状をめぐっては、米中で重病説が流れているのと対照的に、韓
国では楽観的な情報が主流となってきた。こうも情報分析が異なるのは極めて
異例です」(関係者)

米政府高官が「もはや正常な執務をできる状態ではない」と言及したのに対し、
韓国では国防相が「手術後の回復が早く、介助があれば起き上がれる」と、回
復状態にあることを強調した。

韓国サイドが楽観論に終始する理由を半島関係筋は、「韓国はこれらの情報が
北朝鮮国内で傍受されていることを意識しているからだ」と、情報操作である
ことを強調するのだ。

「極度の食糧不足に襲われている北では、地方に行くほど食糧不足が激しく、
暴動で地方政府の食糧庫が襲われるほどの状態。軍内部でも、総書記の健康異
変を受けて、反総書記勢力が不穏な動きをしているという情報がある。

総書記が再起不能との重病説が強まれば、現体制下の不満分子が決起し、半島
情勢は大混乱に陥る。

これは、韓国政府が最も恐れるシナリオです。これを防ぐために、韓国は楽観
情報を強調しているとみられます」

総書記異変を追い風とする日本の公安当局と、最悪シナリオを避けるために情
報操作に腐心する韓国公安・情報当局。その対応には180度の差異がある。


●金融界が「次のバブル」と期待する排出権取引の危うさ!
(会員制経済情報誌『現代産業情報』10月1日号より転載)


米政府と議会は、9月28日、金融安定化法案に大筋で合意、不良債権買取の
ために75兆円を投じることになった。

しかし、下院で共和党などから造反議員が出て否決、早期の対応が待たれてい
る。(10月1日上院で修正可決し、3日下院で大幅修正のうえ可決も、この
迷走可決が、グローバルな金融不安を引き起こしている=本誌注)

金融恐慌に火をつけたサブプライムローン問題は、ITバブルの崩壊を住宅バ
ブルに飛ばしたことで始まったが、その住宅バブルの崩壊を、「潤沢な資金供
給」で乗り切ろうというのだから、「次のバブル」が生まれるのは必然である。

寂しがり屋のマネーには、自己増殖本能がある。ジッとしていることはできず、
次の収益機会を必ず求める。

当面、余剰資金は資源や穀物といった「モノ」に向かって先物価格を高騰させ
た。

指標となるWTI原油が1バレル150ドルに迫り、とうもろこしや大豆の値
段が急騰した。

金融から商品への資金移動は当然ながら、金融市場と比較した場合の商品市場
はあまりに小さいうえ、ガソリンや食糧を投機マネーで急騰させることへの批
判は大きく、規制の動きが各国で始まると、ヘッジファンドなどの投機マネー
は去って商品価格は落ち着きを取り戻した。

世界的な人口増加と、BRICsなどの将来の先進国入りで、「モノ」の価格
が右肩上がりを続けることは間違いないにせよ、資源・商品の世界には、資金
余剰を引き受ける余力がない。また、買占めは「世界の常識」が許さない。

では、過剰流動性の「受け皿」は何か。

世界の金融関係者が等しく期待するのは、排出権ビジネスである。

地球温暖化と絡んで、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を取引しようとい
うもの。

温暖化対策のための京都議定書を批准した各国で検討が始まり、先行するEU
では既に取引所が創設されて売買が活発に行なわれており、京都議定書を離脱
した米国でも個別企業は取引に参加、日本でも東証が取引所の創設を求めてい
る。

バブルは、正体が見えたところでみんなが冷静となって崩壊する。

ビジネスモデルのすべてを変えるといわれたITも、結局、情報の素早い伝達、
電子商取引の普及、携帯電話の簡便さをもたらしたものの、世界を変えるには
至らなかったし、金融工学によって完璧にリスクを計算されていたはずの証券
化は、「カネのない人間に家を持たせる」という錬金術に手を出したことで正
体が割れた。

排出権ビジネスも、実態がわからないから盛り上がっている。

9月中旬に来日した欧州気候取引所のパトリック・バーレイ最高経営責任者は、
各種のセミナーで講演、マスコミのインタビューにも応じて「伝道師」の役割
を果たした。

「パトリック・バーレイCEOは18日、東京で日本経済新聞記者と会い、
『2009年の取引量は08年の倍以上に拡大する』と述べ、50億トンを超
えるとの見方を示した」(日本経済新聞9月19日付)

EUは世界に先駆け、域内共通の取引システムを確立したが、まだコントロー
ルされているとは言い難い状況で、1トンあたり30ユーロで売買されていた
かと思うと、過剰な二酸化炭素の供給で、07年末には1ユーロ以下に暴落し
たこともある。

しかし、今年の洞爺湖サミットで地球温暖化問題が真剣に話し合われ、米国も
前向きに取り組む姿勢を見せるなかで、排出権は1トン20ユーロ台にまで回
復した。

その結果、世界の取引量が約10兆円となった排出権市場は、BRICsなど
途上国の参加で、2020年までに650兆円規模にまで発展するという試算
もある。

こうした国レベル、大企業レベルの動きに加え、市民、自治体、NPO法人な
どが、自分の温室効果ガスの排出量を認識、主体的に削減努力を担うという意
味で、個別・小口の排出量を購入するカーボン・オフセット市場も既にスター
トしている。

地球温暖化の防止という誰もが反対できない分野に、実はさまざまな誤解や曲
解が含まれていることを、弊誌は『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』
(武田邦彦著)を取り上げること(No.586)で指摘した。

「ウソがまかり通る」のは、環境問題をうまくビジネスに転嫁している人がい
るためで、排出権ビジネスもそこにビジネスチャンスがあると思う企業家によ
ってビジネス化され、市場の主導権を握りたいEUが、現在の所、一歩リード
している。

証券化がそうであったように、金融テクニックは実体経済に絡んでいる間は、
余剰資金をうまく回転させる手法として資本主義に貢献するものの、実体経済
から乖離すれば、カネがカネを生む錬金術としてバブル化、世界経済を痛めつ
ける。

地球温暖化とCO2 の因果関係が定かではなく、むしろビジネス化をもくろむ
企業家によって踊らされている側面が強い現段階で、排出権ビジネスに乗り出
すのは、京都議定書で不利な条件を呑まされ、排出権の「買取量」が大きくな
ってしまった日本にとっては、好ましいことではない。

国家戦略に沿った「ポスト京都議定書」を策定、排出権ビジネスがバブルの
「受け皿」にされていることを承知のうえで、冷静に取り組む、したたかな知
恵が求められている。

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予定しています『 社内誌白書2009 』を進呈いたします。
お忙しい中ですが、11月10日までに回答フォームよりご回答ください。
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    今回のテーマ:「グループ広報」を考える
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