■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2008/11/26 No.460 週刊メールジャーナル 読者数11581(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●やはり証明された外資の「アーバンコーポレイション食い」 (会員制経済情報誌『現代産業情報』11月15日号より転載) 企業経営に透明、公正、公開が求められるようになって、不祥事が発生した時 など、企業が自ら、ヤメ検弁護士などを中心に「調査委員会」を設置、内部調 査を進めることが多くなった。 ただ、「企業発注」という制約から、せっかくの委員会報告も“玉虫色”にな ることが多く、効果の程は疑問だったが、仏BNPパリバの「外部検討委員会 (委員長・松尾邦弘元検事総長)」は、「パリバの罪」に鋭く切り込み、小気 味いい。 調査していたのは、経営破たんした不動産業のアーバンコーポレイション (東証一部)が、重要事項を開示しないまま、パリバと資金調達契約を結んで いた問題である。 この“詐欺的調達”については、弊誌も「アーバンを潰したBNPパリバの 『偽装調達』」と題してNo.606で報じた。(本誌=9月10日号にて転載) アーバンは、6月26日、300億円の転換社債をBNPパリバの一括引き受けで発行 すると発表した。2年満期の社債で利率は2.5%、行使価格は発行決議時の344円 で固定されていた。 ところがアーバンは、8月13日、民事再生法の適用を申請、当日のIR(投資家向 け広報)で、この社債が固定されたものではなく、300億円はいったんパリバに 戻され、同社が転換株を売却して得た資金の一部を、株価に応じてアーバンに 支払うという、アーバンにとってはかなり不利な契約であったことが判明する。 その結果、パリバは株価を自在に操って利益を確保、アーバンが調達できたの は約90億円に過ぎなかった。 弊誌はこう書いた。 「これほど、投資家を愚弄した資金調達はない。アーバンに300億円が入るとし たIR、通常の転換社債であるかのごときIRは、すべてウソだった。それを信じ て『買い』に入った投資家は、BNPパリバの『売り』の前に沈んでしまい、最後 には倒産で株券を紙くずにされてしまった」 外部検討委員会は、パリバとのスワップ契約を含めて開示しようとしたアーバ ンに対し、株価下落要因になるからとストップをかけたのがパリバだったこと を明かしたうえで、「顧客であるアーバンコーポレイションへの背信で、安田 雄典日本代表の責任は免れない」(松尾委員長)と断定した。 更に、非開示であることを承知でアーバン株の売買を続けた点については、 「形式的にはインサイダー取引に該当すると判断している」(同)とまで踏み 込んで発言した。 この結果に憤慨するのは、「アーバン再生」を信じて、パリバの「売り」に 「買い」向かっていった個人株主である。 すでに一部株主らが損害賠償請求訴訟を起こしているが、1億円以上の損害を 被ったというある個人投資家は、こう断言した。 「カネが返ってくるとは思わないが、アーバンもパリバも許せない。捜査当局 に刑事告訴するつもりだ」 BNPパリバの担当は、日系アメリカ人のエリック川端氏。アーバン側は房園博行 社長が自ら担当したということだが、エリック川端氏に騙されたという構図で はない。 開示すべき情報だということは認識していたのだから、それをパリバ側に強く 求めなかった房園社長の責任は重い。 ただ、アーバンを食った外資はパリバだけではない。房園社長は個人で、自社 株を担保に巨額資金を運用、そのアドバイスをして不動産や各種金融商品を売 りつけたのは、新生銀行を筆頭とする外資だった。 「新生銀行は、目一杯、房園社長に貸し込んでいました。そのくせ、今年4月 以降に株価が暴落すると、容赦なく貸し剥がした。その悪辣な手口に嫌気が差 して、年収1億円で雇われたばかりのプライベートバンクの幹部がすぐに退職 したそうです」 痕跡は、房園氏の所有する物件に残る。 不動産はやはり好きだったようで、投資用として、都内の広尾や神宮前に物件 を所有、前者には8億5000万円の、後者に11億5800万円の根抵当権を設定して いたのは新生銀行である。 資産のもととなっていたアーバン株の暴落で房園氏は、7月7日、金融機関9社 に担保提供していたアーバン株を叩き売られ、持ち株比率は16.6%から4.3% に急減した。 会社と個人の双方で房園氏は断末魔を迎え、“死に水”を取ったのは外資とい うことになる。 「ハゲタカ」ぶりは健在。だが、そうしたビジネススタイル、金融システムが 今回の恐慌で崩壊した。 公共的性格を持つ金融機関が、腐肉を漁ってはならないのである。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次ぎします。お申し出あれば無料で見本誌をお送りいたします。 ■■コンプライアンスの実効を上げる社内コミュニケーション■■ (「ナナ総合コミュニケーション研究所」ポータルサイト 「Commu-Suppo.Net」 コミ・サポ・ネットのコラム「社内広報を考える」から転載。このコラムは 毎月更新されます) ⇒http://www.commu-suppo.net ■第4回「なぜ コンプライアンスなのか」その2■ では、一般の産業では、今回の投資銀行のような投機的な経営はありえないの であろうか。 そんなことはない。例えば、エネルギー産業や運輸交通産業など、公共性が強 いといわれる産業でも、需要を予測して設備投資をする以上、ある意味、投機 的な経営は避けられない。 あえて言えば、資本主義自体が投機的な本質を抱えているのであり、そのなか で金融システムが変調をきたせば、たちどころに経済全体が不安定になる、と いうのがいまの資本主義経済の仕組みなのである。 そのことを前提とした会社経営は、つねに利益の追求を経営課題の核心におき ながら、かたやその自己目的化と、一方で社会的責任を実現しようとするミッ ションとの間で、絶えず揺れ動いている、といってよい。 一方、法人格を得た「会社」は、会社法によって「ヒト」同様のコンプライア ンスが求められるようになってきている。 さらにまた、金融商品取引法(J−SOX法)等新しい法制化によって、内部 統制の徹底を強く求められはじめている。 こうした要求は、新自由主義経済の進展とともに、金融システムと産業構造の グローバル化によってもたらされたものであり、これらの新しい経営のクビキ は、会社経営の社会的責任を忘れさせないための歯止めともいえる。 つまり、CSR経営の前提はコンプライアンスであり、その保証のためには、 内部統制の確立が求められているということである。 言い換えれば、「CSRとコンプライアンスと内部統制」は、デカップリング (分離すること)が不可能な、グローバル化時代の経営倫理といってもいいだ ろう。 そして仮に、ときどきの経営環境に対応した内部統制が機能し、コンプライア ンス・リスクのない経営ができれば、そのような会社こそが、社会が期待する CSR経営の会社、ということができるのである。 近ごろ、食品の安全問題が、ジャーナリスティックな関心の的になっている。 これはまさに、食品の製造や販売にかかわる会社は、新たなコンプライアンス とCSR経営を問われている、と言い換えてもよい。 ただしかし、この問題は、川上の食材生産・加工業から、川下の商品製造・販 売業まで、流通段階が長くかつ広くグローバル化しているために、コンプライ アンス・リスクの把握が難しいという現実がある。 利益の追求こそが“最善美”とされる新自由主義経済のもとで、投資銀行が膨 大な利益をあげえたのと同様、グローバル経済の仕組みの中で、食品関連業界 もまた、利益の極大化をはかった結果、食品安全にかかわるコンプライアンス ・リスクが顕在化した、といってもよいだろう。 結局、流通各段階の食品製造・加工・販売会社が、それぞれ主体的な価値観に よって、コンプライアンスを維持していくことが、この問題の最善の解決策に なるのではあるまいか。 そこで、それぞれの経営に求められるのが、「発表する」「教える」「表示す る」という、ソーシャル・コミュニケーション(対外広報)の3原則である。 こうした食品安全のメッセージを消費者に発信するために、いまや、グローバ ル経営を前提にした、ICM(インターナル・コミュニケーション・マネジメ ント=社内広報)が求められているのである。 これは、金融機関でも、公共性の強いエネルギーや運輸交通産業でも、食品業 界でも、その他の産業でも共通の経営課題なのである。(以下次号) 【お知らせ】 ■□■第18回社内広報サロン 12/19 金曜日■□■ 今回のテーマ「社内報のリニューアルを考える」 多くの企業がこの時期、来年4月に向けた社内報のリニューアルを考えます。 デザインの変更、台割の変更など、リニューアルの仕方もさまざまです。 しかし、見せ方の変更だけでいいのでしょうか? もう一度、根本に立ち返って、 社内広報の目的も見直してはいかがでしょうか? 詳しくは、 ⇒http://www.commu-suppo.net/salon/20081219salon.pdf ------------------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 取締役 社内広報事業 ナナ総合コミュニケーション研究所 所長 豊田 健一 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail :toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com URL : http://www.commu-suppo.net ------------------------------------------------ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2008年11月26日 第460号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |