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  2008/12/3  No.461   週刊メールジャーナル  読者数11388(前回)
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●メガバンク経営陣を国会に呼んで公的資金を投入せよ!
(会員制経済情報誌『現代産業情報』12月1日号より転載)

世界の金融機関が恐怖に怯え、立ちすくみ、信用創造機能を放棄しているどこ
ろか、自分だけは生き残ろうと、資金回収を急いでいる。

経済の血液が止まってしまいそうなのだから各国政府は、なりふり構っていら
れない。

紙幣を増刷、インターバンク市場で直接、金融機関に貸し付け、大手銀行は一
行たりとも潰さない覚悟で増資に応じている。

IMF(国際通貨基金)が試算したところによれば、今後数年間に必要とされ
る主要各国の金融機関への資本注入額は6750億ドル(約67兆円)。

各国とも、ためらうつもりはない。そこは不換紙幣の強みである。

惜しみなくカネを次ぎ込み、まず金融機関の「破綻するかも知れない」という
不安を取り除き、カネが市中を流れるようにするつもりだ。

それには、暴落する一方の不動産、資源価格、証券化商品に値がつく環境をつ
くり、“底値”を確定させる必要がある。

底なし沼に引きずり込まれるような恐怖から逃れてはじめて、金融機関は冷静
さを取り戻して、融資にも前向きになれる。

その正常な姿を取り戻すまで、各国政府は「なんでもあり」の“救済”を続け
よう。

金融・財政の規律など無視、膨大な財政赤字も、将来のハイパーインフレの危
険性にも目をつぶっている。

11月中旬に米国で開かれた20カ国・地域による緊急首脳会合(金融サミット)
は、結局、危機感を共有、世界の金融システムを崩壊させないために手を尽く
すことを確認して終わった。

「成果がない」と批判されたが、そんなことはない。

欧米先進各国は、「100年に一度の危機」に世界が直面していることを認識さ
せ、BRICsなどに同一歩調の対策を取らせ、同一のリスクを抱え込ませる
ことに成功、世界は運命共同体になった。

翻って日本は、「バブル崩壊の後遺症で金融資本主義と距離を置いており、傷
は浅かった」と、つまらない見栄を張ったおかげで、IMFに10兆円も支払
わされたうえに、思い切った資本注入ができないでいる。

傷が浅いわけはない。

貸し渋りや貸し剥がしは欧米金融機関と変わるところがなく、巷から聞こえて
くるのは大手から中堅・中小に至るまでの阿鼻叫喚の声である。

既に貸し渋りは、不動産、建設、マンション業者の連続倒産という形で顕在化
しているが、業種業態と企業規模を問わなくなってきており、今や東証一部の
上場企業ですら、金融機関の貸し渋りによるキャッシュフローの枯渇で、倒産
の危機に瀕しているところが少なくない。

金融機関に公的資金の予防的資本注入を可能とする、金融機能強化法の年内成
立が危ぶまれているが、その間にも倒産する地銀、第二地銀が出てきそうだ。

08年度9月中間決算で赤字に転落するのは30行を越え、金融庁は時価会計の凍結
などの緊急避難措置で乗り越えさせているものの、その“先送り”が地域経済
をさらに追い込んでいる。

もう一時の猶予もならない。

まず政府がやるべきは、金融機関の状況を把握、金融機能強化法を早期に成立
させたうえで、思い切って公的資金を投入することである。

中途半端では効果が薄いことは、98年から99年の投入時に経験した。

メガバンクから地銀に至るまで、相当な額をいっせいに投入、その政府の決断
が最大の貸し渋り対策となる。

もちろん公的資金なのだから、議論はオープンでなければならず、その場は国
会が相応しい。

メガバンク経営陣を国会の公聴会に呼んで、貸し渋りをせざるを得ない状況を
語らせ、米国自動車のビッグ3の経営陣がやったように、「資本が必要だ」と、
本音をぶちまけさせるのである。

その“儀式”を経て、具体的な公的資金の投入があり、半国有化がなされて始
めて日本は欧米と危機を共有したことになる。

当然、その時、自己保身で信用収縮を招いたような経営陣は更迭されなければ
ならないし、貸し渋りにはペナルティーを課すべきだろう。

10兆円の大盤振る舞いでいい気になっている時ではない。

このまま金融機関が信用収縮に走れば、倒産企業は続出、インフレ下の不況
(スタグフレーション)という最悪のシナリオが待ち構えている。

迷っている時間はない。



●キャノンと“手打ち”に象徴される「市場検察」の揺らぎ
(同前転載)

約1年前に『毎日新聞』がスクープ、記者クラブの“縛り”もあって、新聞テ
レビなどのマスメディアはほとんど報じなかったものの、週刊誌など雑誌ジャ
ーナリズムが飛びつき、弊誌も折に触れて報じた大光というコンサルタント会
社の脱税疑惑(=本誌も転載)は、資金源であるゼネコンの鹿島、あるいは便
宜を図った先のキャノンに行き着かないまま、大分県に本社を置く「小さな会
社の大きな脱税事件」で終わる可能性が高くなった。

一般には無名でも、大光を率いる大賀規久氏は、日本経団連会長の御手洗冨士
夫キャノン会長の同郷(大分県佐伯氏)の後輩で、しかも御手洗氏と大賀氏の
兄が「親友」という間柄。

その太いパイプをテコに、大賀氏はキャノンに食い込み、工場警備、建設下請
け、資材納入、コンサルタントと幅広く仕事を請け負っていた。

脱税疑惑もキャノンとの関係によるもので、大分キャノンマテリアルが大分市
東部の丘陵地帯に工場を建設するにあたり、受注ゼネコンの鹿島から裏ガネや
仲介手数料で約30億円を受け取りながら、申告していなかったという。

問題は、地方の小さなコンサルタントに、なぜ鹿島がかくも巨額資金を提供し
たのか、である。

鹿島は、御手洗氏の社外秘書的な存在だったという大賀氏の各方面の“捌き”
を期待、それを承知で捜査しているのだから、「検察には広瀬勝貞大分県知事、
衛藤征士郎元防衛庁長官などを始めとする地元政界、大分県庁などと御手洗、
大賀両氏のトライアングルを解明しようとする意図がある」(司法記者)とい
う観測が流れるのも、無理からぬことだった。

しかし捜査は一向に進まない。

山田洋行事件に着手、「防衛のドン」といわれた守屋武昌元事務次官を逮捕、
さらには「防衛フィクサー」の秋山直紀被告にまで手を伸ばしたという事情は
あるものの、防衛事件終結後も動きがないのは、明らかに「御手洗経団連を刺
激したくないし、いつあってもおかしくない総選挙に影響を及ぼしたくない」
(検察OB)という、いつもの“配慮”が働いた。

「政官財の監視役」であることを期待され、そう自覚している地検特捜部だが、
中立でありたいというこだわりが、事件着手を遅らせる傾向がある。

まして「御手洗経団連」には、法務、検察が導入に心血を注いできた「裁判員
制度」を、経済界の総意として進展させてもらいたいという思惑があった。

そのために樋渡利秋検事総長は、9月29日、日本経団連を訪れて御手洗会長に、
従業員が裁判に参加しやすくするための有給休暇制度創設などを要請したとい
う経緯もあった。

前出のOBが解説する。

「来年5月にスタートする裁判員制度は、法曹三者が並々ならぬ努力を傾けて
おり、経済界の協力は不可欠。大光の脱税事件をへたに広げると、事実であろ
うがなかろうが『御手洗の関与』が報道される。そんなことをして御手洗にへ
そを曲げられたくない検察は、事件を大きくするつもりはない。経団連会談は、
その“手打ち”だった」

近年、検察捜査にはこの種の“配慮”があまりに多く、結果として「政官財の
疑獄」には切り込めない。

政治家といえば県知事どまりで、国会議員の逮捕はない。

「市場検察」に大きく舵を切ったのは、贈収賄事件のハードルが高くなってい
るのにもかかわらず、ローテーション人事によって特捜検事の捜査能力が低下
しているためどという。

だが、「市場検察」の現状も厳しい。

今回の金融恐慌で米国が証明したのは、金融システムの崩壊を防ぎ、信用秩序
を回復させるには、国家が超法規的に不祥事を見逃し、金融機関を救済すると
いうご都合主義だった。

日本に市場の透明化を求め、事後チェック型の今の「市場検察」を求めた米国
で、そんな勝手がまかり通るのが、「善悪」で割り切れない経済事件の複雑さ
である。

検察は、“受け”を狙ってライブドアを摘発、新興市場をつぶし、利益の自己
都合による取り込みという意味では、より罪の重かった日興コーディアル証券
を見逃した。

しかし、市場は「国策」で関与すべき場ではない。

証券取引等監視委員会や公正取息委員会といった「市場の番人」に任せ、やは
り地検特捜部は国益に反する政官財の癒着を監視すべきであり、ことに権力を
握る政治家の動静を厳しくチェック、彼らに恐れられる存在であり続けなけれ
ばならない。

しかしながら昨今の検察は、権力者にとって「怖い存在」ではなくなっている。

経団連会長に脅え、選挙に気を使う。

直近では、西松建設幹部の業務上横領事件に着手したが、内紛で“自首”して
きた高原和彦容疑者を逮捕しただけの話。

東京電力の絡む開発に顔を出すフィクサーの会社などを家宅捜索、「本丸はこ
ちらか」と目されてはいるものの、東電とこのフィクサーの関係は、佐藤栄佐
久前福島県知事事件の際にも取り沙汰され、家宅捜索も行なわれており、「リ
ベンジ」がガサの理由だとすれば、今回も事件が波及する可能性は低い。

結局、現在の地検特捜部は、新境地の経済事件に存在感を打ち出せないまま、
本来の役割である「権力の監視役」としての機能を果たせず、揺らいでいる。

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お取次ぎします。お申し出あれば、無料で見本誌をお送りいたします。




【お知らせ】


■□■第18回社内広報サロン 12/19 金曜日■□■

今回のテーマ「社内報のリニューアルを考える」

多くの企業がこの時期、来年4月に向けた社内報のリニューアルを考えます。
デザインの変更、台割の変更など、リニューアルの仕方もさまざまです。
しかし、見せ方の変更だけでいいのでしょうか? 
もう一度、根本に立ち返って、
社内広報の目的も見直してはいかがでしょうか?

詳しくは、
⇒http://www.commu-suppo.net/salon/20081219salon.pdf

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 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 取締役 社内広報事業
 ナナ総合コミュニケーション研究所  所長
 豊田 健一
 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6
 新宿加藤ビルディング5F
 Tel :  03-5312-7471
 Fax :  03-5312-7475
 E-mail :toyoda@nana-cc.com
 URL : http://www.nana-cc.com
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 週刊メールジャーナル 2008年12月3日 第461号(水曜日発行)
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