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  2009/1/7  No.465   週刊メールジャーナル  読者数11433(前回)
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【ご挨拶】

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

前号で、「次号は1月14日号から配信」とお知らせしましたが、
ご要望により本日から配信を開始いたします。

今号は「ナナ総合コミュニケーション研究所」主宰「コミサポ・ネット」
⇒ http://www.commu-suppo.net
に1月5日に入稿したコラム「社内広報を考える」の原稿を転載します。

「100年に一度」といわれる世界的な金融危機に端を発した実体経済への影
響のなかで、わが国は深刻な雇用危機を迎えています。そこには、行き過ぎた
市場主義による会社経営のグローバル化の陰が認められます。

本来、日本の会社にはこのような経営哲学は相容れなかったはずです。深刻な
景気悪化のなかで、日本の会社はいかなる対応をすべきか提言をしています。

キーワードは「社内広報」です。ぜひ「コミサポ・ネット」もご覧ください。

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なお、本誌『週刊メールジャーナル』は、今年9月、創刊10周年を迎えます。
抜本的なリニューアルを計画しておりますので、コンセプトについてご提言を
いただければ幸甚です。引き続きご購読、ご支援をお願いいたします。



■■コンプライアンスの実効をあげる社内コミュニケーション■■
第3回「経営ミッションとコンプライアンス」
(CSRを前提にした経営ミッションの実現に向けて)


前回までに、「CSRとは何か」について考え、そして「ゴーイングコンサー
ン(経営の継続原則)としてCSRを具現化」するためには、「継続的な利益
の確保とすべてのステークホルダーへの適正な配分」を前提とすべきであろう、
ということを述べてきた。

従って、「軽々しくCSRを経営の看板に掲げる」ようなことは困難だろう、
とも説いてきた。

「あえてCSRを標榜する」のであれば、その前提として「コンプライアンス
を担保する内部統制を確立しなければならない」とも書いた。

つまり、「CSRとコンプライアンスとはデカップリング(切り離すこと)不
可能な関係にある」ということを言いたかったのである。

はたせるかな、CSRを継続的に具現化することは、いかに難しいかというこ
とを証明するような事態が、一気に押し寄せてきたのである。

<何という年明けだろう。
100日余り前に米国の繁栄の象徴ウォール街を襲った激震は、同じニューヨーク
の世界貿易センタービルを崩落させた9・11テロをしのぐ破壊力で、地球を揺さ
ぶり続ける。

お金の流れが滞って、消費も投資も貿易も縮む。経験したことのない経済の急
降下。主要国の株は半値になった。

先行きへの心配が企業や消費者の心理を凍らせ、デフレ不況へのおののきが世
界に広がる。>

以上は、『朝日新聞』元日付に掲載の「社説」の冒頭部分である。同紙の主張
は改めて読み直していただきたい。

また、このような事態が発生した理由、真因、今後の展望、そのような中で求
められるこれから日本の政治、経済のあり方、国づくりビジョンなどについて
は、マスメディアなどの評論に委ねたい。

私が言いたいことは、こうした中での、日本の会社経営の本来のありようにつ
いてである。

ことに、CSRを掲げ始めた会社が、このような経営環境の中で、生き残りを
図らざるを得なくなったとはいえ、非正規社員を「モノ」のごとく扱うさまに
対しては、「CSRの何たるかを改めて考え直してほしい」と言わざるをえな
いのである。

もとより米国で誕生した「投資銀行」のミッションにはCSRは存在しないと
いうことは、すでに書いたとおりである。

投資家にのみ貢献するであろう金融商品を、世界中に売りまくることが経営の
ミッションであり、ゴーイングコンサーンすら眼中に無かったとしか言いよう
のない会社経営では、そもそもCSRを考慮する必要はなかった。

株主を唯一のステークホルダーと認識し、そのためにのみ会社価値を極大化す
ることを目標とする新自由主義の経営には、CSRは、はなはだ不似合いな経
営哲学だったと言ってよいだろう。

こうした経営哲学と、日本の多くの会社が明治維新以来、そしてまた今次大戦
の敗戦以来、さまざまの外圧や困難を乗り越えてつくり上げてきた経営哲学と
は、相容れないものではなかったか。

経済のグローバリズムの影響が日本の会社経営のありように及んだとしても、
非正規社員を増やしながら、一方でCSRを標榜するようなことは経営戦略の
ジレンマであったろう。

私がこの稿(シリーズ)を起こしたのは、まさに元旦の100日余り前だった。
多くの日本の会社が盛んにCSRを言い始めたことに対して、私は、経営ミッ
ションの建前が強調されるかもしれない危惧を感じていた。

それ故、そうした会社の社内広報では、経営ミッションとCSRとの関係につ
いてどのような説明責任が果たされているのだろうか、実態を知る必要がある
と思い、多くの社内広報担当者へのインタビューを続けてきたのである。

結果はまさに、本来のCSRとかけ離れた、表面(おもてづら)の会社価値を
高めることを狙った、偽物としか言いいようのないCSRの説明がはびこって
いることに唖然としたのである。

こうした現実が、今日の雇用危機を生んでいると言っていいのではないか。

需給関係が逼迫したときには、非正規社員をカットして会社が生き延びること
のできる体制をつくっておくことが、行き過ぎた市場主義によるグローバリズ
ムの本質であったことが、今日改めて証明されたといえよう。

だが、そうしたコストパフォーマンスは、いまだに日本的な経営哲学が根底に
残されている会社では、経営と労働との信頼関係を著しく損ない、社内がバラ
バラになる結果を招いているようだ。

いまひとつの方策として、新たなマーケティングをはじめ、ワーキングシェア
や経営者報酬カット、内部留保の取り崩しなど、あらゆる手段を総動員して生
き残りを探る方策もあったはずである。

いかなる経営戦略を選択するにしろ、トップマネジメントによる社内広報によ
って、正規、非正規を問わず全従業員の認識、価値観をそろえ、難局に経労一
体となって対処できる体制をつくり上げることが、大切なのである。

現に、そのようなコストパフォーマンスによって、雇用危機を回避しつつ全従
業員の知恵と能力を引き出して経営のポテンシャルを最高度に発揮している会
社も、多数あることも分かった。

こういう会社ではコンプライアンスの意識も行動も高いようだ。CSRに裏打
ちされた経営のミッションが全従業員に浸透しているからであろう。

日本の金融機関は、こうした会社を見抜いて与信を拡大する必要がある。その
ことが、金融経済の縮小を押しとどめ景気を下支えする力にも繋がろう。

日本の政治は、こうした会社が増える政策を推進する必要がある。

そのことが、蔓延している政治への不信感や国民が持つ将来への不安感、今日
の社会システムに対する閉塞感を開放する力にも繋がろう。

不幸にして景気の悪化が長期化し、こうした会社が苦境に立たされるならば、
そのときに役立つセーフティーネットを国を挙げて構築する必要がある。

たとえば、産業界でやむを得ない失業者が増加したなら、それを吸収できる農
林水産業や福祉産業が活性化する政策を平時から構築する必要がある。(かつ
てはケインズ的な失対事業があった)

たとえば、景気が悪化したときに、日本の森林資源を活性化し地球温暖化防止
への貢献が可能になるようなシステムを構築することは大いに歓迎できる。

たとえば、今のような状況が長引くのであれば、整備新幹線の継続事業や自動
車専用道の接続を完成するための公共事業への支出ではなく、全国で放置され
たままになっている植林山地を再活生化するための林道整備に振り向ければい
いではないか。

そのために必要な増税ならあえて認めようという、ナショナルコンセンサスも
あり得よう。

そうなれば、日本の会社の多くが、CSRを前提にした経営ミッションの実現
に向けて、まっとうな経営努力をすることが当たり前になるのではないか。

そしてこの数年、当たり前のように発生したさまざまな経営不祥事を、引き続
き誘発するようなインチキ経営は減少に向かうのではあるまいか。

繰り返し強調したい。CSRに裏打ちされた経営のミッションとコンプライア
ンスを一体として実現するためには、正規、非正規を問わず全従業員に浸透す
るような、トップマネジメントしての社内広報活動の活性化が必要なのである。
(このシリーズおわり)


【お知らせ】


★★★ 第19回社内広報サロン ★★★

■2月20日 金曜日 18時30分より

■「通信委員、編集委員、社内報編集体制を考える」

社内報編集に関する体制には、通信委員、編集委員などがあります。現場の
ニュースや意見を収集する手立てとして組織しているところもあるでしょう。
しかし、本当に、効率よく運営されているでしょうか? 
形骸化してはいないでしょうか? 
今回は、通信委員、編集委員について、皆さんとお話したいと思います。

■詳しくは
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 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
 取締役 社内広報事業
 ナナ総合コミュニケーション研究所  所長
 豊田 健一
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 週刊メールジャーナル 2009年1月9日 第465号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
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