■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2009/3/25 No.476 週刊メールジャーナル 読者数11356(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●中小零細企業を救うのは銀行ではなくノンバンク! (会員制経済情報誌『現代産業情報』3月15日号より転載) 年度末を控えて、中小零細企業は悲鳴をあげている。 金融機関の経営危機が実体経済に及んで、自動車、電機などの大企業を直撃、 そのしわ寄せが下請けの中小零細に来た。 仕事が急減、逆に取引先の倒産は急増、頼るのは金融機関しかないが、今やメ ガバンクですら、わが身を守るのに精一杯。 融資に応じてリスクを取り、「経済の血液」としての使命を果たそうとするよ うな、気概に溢れた金融機関はどこにもない。 日本の企業数の98%は、中小零細企業である。 『フーテンの寅』で、いつも資金繰りに追われていた「とらや」の隣の「タコ 社長」が、日本を底辺で支え、雇用の70%を担い、安定的な国家運営に貢献 してきた。 トヨタやパナソニックの名声と繁栄は、社員が10人もいないような、零細を 含めた下請けの“献身”によって成り立ってきたが、その日本経済の「核」と なる部分が、存亡の危機を迎えている。 なによりも求められているのは、資金繰り支援である。 事態を重くみた金融庁は、3月10日、貸し渋りなどを点検する、新たな金融 円滑化策を発表した。 対策の柱は、三菱東京UFJ銀行などメガバンク3行に、りそな、中央三井信 託、住友信託などを加えた9行を対象に、「貸し渋り」や「貸しはがし」につ いての集中検査を実施、露骨な「貸し渋り」については、是正を促すというも の。早く言えば、「中小企業に融資をしなさい」という政策である。 一定の効果はあろう。事前に検査を公表することで、「貸し渋り」や「貸しは がし」に走る銀行を牽制した。 だが、トヨタなど大企業が発行するCP(コマーシャル・ペーパー)や社債の 引受を銀行が行なわず、仕方なく政府や日銀が「緊急対策」で、CPと社債を 購入、事実上の国家管理型資本主義に踏み出しているのが実情である。 検査があるからといって、中小零細企業に、こうした大手金融機関が融資に踏 み切るとも思えない。 したがって、実際に融資を担うのは、政府が融資の返済を全額保証する、緊急 保証制度である。 政府保証だからノーリスク。政府はこの枠を6兆円から20兆円に引き上げた ことで、中小零細企業の「駆け込み寺」となった。 それは、「リスクマネー」を取り込もうとしない、金融機関の現実を改めてさ らした。 「保証枠を取ってください」というのが、交渉に臨む際の銀行員の基本姿勢で ある。 大企業から中小企業までが国頼み。しかし、いうまでもないことだが、健全で はない。 民間企業が安易に、国からカネを借りたり、出資を受けたりしたのでは、経営 者のモラルハザードを招き、そんな甘さで成長路線、再生路線が描けるわけも ない。 さらに、予算には限りがある。 日銀は将来のインフレに目をつむってでも、資金繰りを行なうことを決め、C Pや社債を直接購入しているが、「異例中の異例」(白川方明総裁)であるこ とに違いはなく、やがて資金を引き上げる。 「危機対応」を名目にした日本政策投資銀行の資金供給も同じで、国会で予算 承認されなければならないという制約がある。 緊急保証制度も20兆円までという上限があり、野放図には出ない。 したがって融資は「緊急」に「国」が行なうのではなく、金融機関がリスクを 取りながら行なうのが“筋”であり、本来の姿に早く戻るべきである。 そのネックは、メガバンクから地銀に至るまで、「銀行」と名のつくところは、 中小零細企業を相手にしないことである。 勢い、メインの取引金融機関は信金信組が中心となるが、資金繰りが窮した時 の本当の駆け込み寺は、今も昔もノンバンクだ。 倒産したSFCG、経営危機のロプロ、NISグループといった商工ローンで ある。 確かに金利は高い。「目ん玉売れ!」という厳しい取り立てもあるだろう。 だが、彼らが中小企業にとって、「欠かすことのできない一時避難所」であっ たという歴史を忘れてはなるまい。 撤廃された29%金利は、数字だけ聞くと凄い。29%の金利を払って成り立 つ商売などない。 だが、数カ月の資金繰り、あるいは月末を乗り切る資金という現実論を考えれ ば、成り立つ数字である。 ただ、商工ローン、消費者ローンは、裁判所とクレサラ弁護団、過払い金請求 で大きく儲けた弁護士や司法書士によって、ビジネスモデルを破壊され、資金 繰りがつかずに倒産に追い込まれている。 銀行は救わず、信金信組は救えず、それでも困った時の「駆け込み寺」だった ノンバンクを、「社会悪」として、つぶす必要があったのか。 国が面倒を見ている猶予期間に、中小零細企業の資金繰りを誰が見るのかを、 商工ローンを軸としたノンバンクの再活用という視点で、再考した方がいい。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』購読のご希望は、本誌が お取次ぎします。お申し出あれば、無料で見本誌をお送りいたします。 【お知らせ】 ■■■第6回大阪社内広報サロン 4/14 火曜日■■■ 「社内報の読者の巻き込み方を考える」セミナー ⇒http://www.commu-suppo.net/salon/20090414salon.pdf ■■■第20回社内広報サロン 4/16 木曜日■■■ 「社内報、読者の声の集め方を考える」セミナー ⇒http://www.commu-suppo.net/salon/20090416salon.pdf --------------------------------------------------- 株式会社 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 取締役 社内広報事業 ナナ総合コミュニケーション研究所 所長 豊田 健一 〒160-0022 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F Tel : 03-5312-7471 Fax : 03-5312-7475 E-mail :toyoda@nana-cc.com URL : http://www.nana-cc.com URL : http://www.commu-suppo.net --------------------------------------------------- ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2009年3月25日 第476号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |