■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
  2009/12/16    No.512   週刊メールジャーナル   読者数11063(前回)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

●「献金の隠蔽工作」は証明されたものの聴取は見送られた鳩山捜査の是非
(会員制経済情報誌『現代産業情報』12月1日号より転載)

鳩山捜査が大詰めを迎えている。

「実母からの献金」についてはほぼ解明、高齢で体調を崩している安子さんと
鳩山由紀夫首相本人の事情聴取は見送り、その代わりに首相は、「上申書」を
提出、安子さんから提供を受けた資金が「貸付金」ではなく、「贈与」と見な
されれば、税金の支払いに応ずる考えを示している。

友愛政経懇話会の収支報告書の虚偽記載から捜査を始めた特捜部は、最後に、
安子さんからの献金が「貸付金」であるか否かの確認作業を行なった。

参考人聴取を受けた鳩山家に近い人物が語る。

「特捜部に呼ばれたのは二度目です。最初は、友愛政経懇話会の収支報告書に
名前が使われた理由についてでした。今回は、由紀夫さんの選挙資金の流れに
ついて。安子さんからの資金が活動資金になっていることは承知していて、そ
れが勝場(啓二元秘書)の言うように、貸付金なのかどうかを聞いてきました。
正直に、『そうじゃないと思う』と、答えておきました」

特捜部の調べによって、偽装された鳩山献金の一部が母・安子さんの資金を原
資にしていることが明らかになっている。

2004年からの5年間で首相に渡ったのは約9億円。勝場元秘書は、この9
億円が「貸付金」によるものであると特捜部に説明、それは次のような経緯だ
ったという。

「関係者によると、同懇話会の会計担当だった元公設第一秘書が、国際交流事
業などを手がける財団法人の役員に、資金不足を相談した。役員は首相の祖父
の代から鳩山家の側近といわれる。

役員は特捜部の聴取に対し、(首相の)お母さんに『お金を貸してください』
と頼んだ、などと説明しているという」(『日本経済新聞』11月26日付)

弊誌は、「検察が座視できない『鳩山献金』の秘密」(No.631)と題して、
鳩山首相を政治家にしたのは、安子さんの「資金力」であることを詳述した。
(本誌10月14日号にて転載=本誌注)

首相は1986年に初当選、その際、室蘭に自宅を建て、選挙事務所を開き、
後援会を組織するといった活動は、安子さんの資金で賄われた。

また、手足となって動いたのは、まだ30歳前後の芳賀大輔元政策秘書や勝場
元秘書ではなく、一郎元首相が提唱した「友愛革命」に賛同、友愛青年同志会
(現日本友愛青年協会)を立ち上げ、威一郎元外相の政治活動も手伝った「鳩
山家を支える人たち」だった。

記事中の「国際交流事業などを手がける財団法人の役員」というのは、その中
心人物で、日本友愛青年協会で常務理事を務める川手正一郎氏である。

特捜部は、川手氏と勝場元秘書の「(安子さんからの)貸付金」という説明を
信じていない。

「貸付金」にしなければ、贈与税の支払い義務が生じるし、上限を年150万
円とした政治資金規正法の量的制限に触れる。だから「口裏を合わせたのでは
ないか」と、疑っていた。

捜査の結果は明白である。安子さんと首相の間では、利息や返済計画などを定
めた借用書がなかった。貸付実態がなく金利も支払われていない。

「贈与」である可能性が高く、そうなると贈与税は最大で4億3000万円と
なる。

最終的に特捜部は、首相の政治資金規正法違反は問わず、贈与税を課す方針を
固めた。それが「首相と実母の聴取見送り」であり、「上申書」の提出となっ
たのだが、その経緯を検察関係者が次のように解説する。

「勝場がすべて自分の責任でやったと供述、それを覆す証拠、証言があるわけ
ではない。

また、検察は安子資金の流れをほぼ押さえたが、悪質性がなく、税法、政治資
金規正法などの罪を問うような話でもない。

首相も納税する意思を内々に検察に伝えており、勝場の在宅起訴で事件は終結
することになった」

国民も怒ってはいない。

共同通信の11月末の世論調査では、首相の対応について、「政治責任を取っ
て辞任すべきだ」は、わずか11.4%だった。

一方、「説明責任を尽くし改善策を講じたうえで続投すべきだ」が75.5%
だった。

自分のカネで政治をした鳩山首相に、説明責任を求めても、政治責任は求めて
いない。

なにより国民は、過去に逮捕された田中角栄、金丸信、鈴木宗男といった自民
党政治家の「政治をカネ」に変える錬金術を、嫌というほど見てきた。

由紀夫首相だけでなく、「母の愛」は邦夫元総務相にも平等に注がれ、年1.
8億円が渡っていたことも報道され、由紀夫首相への怒りなどない。

検察は、告発に従がって捜査はしたものの、そんな国民のムードを察知、「首
相と母」の刑事責任を問うことはなさそうだ。

◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』の購読は、本誌が取次ぎ
をいたします。お申し出いただけば、見本誌を無料でお送りいたします。



●鳩山献金が美談にならない日本政治の病理 無定見な民主党批判は逆行では
(奥秋昌夫『追撃コラム』12月8日号より転載)
⇒http://blog.livedoor.jp/tuigeki/

鳩山由紀夫首相の献金問題は美談だが、美談にならないところに日本の政治の
病理がある。

政治家と金の問題は、金で政治が曲げられるところに問題がある。だが鳩山首
相の場合、母親から長年にわたって恒常的に資金が提供されていたもので、特
定の意図は見出せない。お金を渡すから道路を造ってくれとか、何らかの便宜
を図ってくれという話ではないのだ。

実母の安子氏はブリジストンタイヤの創業者石橋正二郎氏の娘で、数百億円の
持参金をもって鳩山家に嫁いだといわれている。鳩山家の総資産は計算するの
も難しいぐらい巨額で、800億円以上あるのではないかとみられている。そ
んな母親が息子の政治生命を危うくするようなことをするわけがないではない
か。

献金は10年ぐらい前から行われている。鳩山氏は今は首相だが、数ヵ月前に
なったばかりで、それまではただの一議員だ。政治や行政を動かせる力も職務
権限もない。そんな政治家に母親がいったいどんな見返りを求めて献金したと
いうのだろうか。見返りというのなら、立派な政治家になってほしいという親
心だろう。それが批判に値することなのだろうか。

母親として息子が立派な政治家になるために私財を投じたということで、非難
どころか賞賛されるべきことだ。お金持ちのママがいるといいな─などという
低レベルの非難の対象になるべきものではない。
鳩山家が貧乏だったら井戸塀政治家といわれるところだ。不幸にして資産家だ
からそういわれないだけだ。

脱税にあたるという批判もあるが、それは意図したものでないことは明らかだ。
こんな大金持ちが政治生命を危うくしてそんなことをするだろうか。もし間違
いがあるなら訂正して必要なものを払えばいい。書類上の不備の問題ではない
か。

金権政治は自民党のお家芸だ。これを自民党政治家が鬼の首を取ったように批
判するのもどうかと思う。むかし、自分たちがさんざんやってきたことを棚に
あげ、よくも人のことを非難できますね。

最近になって実母からの資金提供は、実弟の鳩山邦夫元総務相側にもほぼ同額
行われていたと報道されている。兄弟を等しく扱うという安子氏の教育方針ど
おりのことで、ほほ笑ましくはあっても非難されることではない。献金の趣旨
も見返りを求めてでないことが裏打ちされたようなものだ。これを受けて自民
党サイドの批判は尻すぼみになっている。

▼無定見な民主党批判は逆行では

批判もあってはいいが、擁護するマスコミがないのはどうだ。批判の濃淡が若
干あるだけだ。これではマスコミはいくつもいらないではないか。ものごとは
いろんな角度からみるものだ。

読売新聞は12月5日の社説で金丸信・元自民党副総裁を引き合いに出し鳩山
献金を批判しているが、鳩山首相と金丸氏を同列に扱うことに違和感がありす
ぎる。金丸氏は金権政治のチャンピオンだ。鳩山首相とは出自もタイプも全然
違う。もう何世代も昔の政治家で、いまさらこんなところに引っ張り出してく
るのもおかしい。金丸氏への献金はズバリ見返りを求めてのもので鳩山献金と
は性質が違う。読売新聞論説委員はよっぽどセンスがずれているのではないか。

権力者は批判されてしかるべきだが、昨今の民主党への批判は総選挙前の自民
党政治へのいらいらを引きずっている。政権交代したのに自民党政権下とおな
じ調子で批判するのはどうかと思う。自公政権は首相を1年ごとにころころか
え、国民の批判をかわして何年も政権の座に居座った。その後遺症がいま噴出
している。批判はそこのところを考えてしなければいけない。マスコミもネッ
トもそれを忘れた批判が横行している。

国民世論を無視して総選挙を先送りしてきた政権は十分批判に値するが、それ
を破って誕生したばかりの政権を無闇に批判するのは逆行ではないのか。天に
唾することにならないか。無定見な批判はひかえるべきだ。



【お知らせ】

■「社内報をリニューアルするには?」

  第24回 社内広報サロン

◆開催日時:12月18日(金)、18:30〜21:00

◆開催場所:東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビル5階

http://www.nana-cc.com/corporate/map.html


◆参加お申し込み(PDFを出力しFAXでお申し込みください。)

http://www.commu-suppo.net/salon/20091218salon.pdf

◆お問合せ先:ナナ・コーポレート・コミュニケーション

commu-suppo@nana-cc.com

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 週刊メールジャーナル 2009年12月16日  第512号(水曜日発行)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
        〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201
ホームhttp://www.mail-journal.com/
メールadmin@mail-journal.com
転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■