■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2010/1/27 No.516 週刊メールジャーナル 読者数11078(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●毎日・共同「包括提携」異例の訂正会見の背後にあるもの (会員制経済情報誌『現代産業情報』1月1・15日号より転載) 弊誌はNo.635において『毎日新聞』の『共同通信』への再加盟を取り上げ、 両社が言うところの包括提携の意味の分りにくさを指摘したが、共同は記者会 見の1週間後に当たる先月4日に再び会見を開き、先の発表内容を訂正した。 「毎日と共同加盟の地方紙が包括提携し、地方紙の記事を毎日が使えるように する」としていた提携内容を、「包括提携は毎日と一部加盟紙が個別協議を始 めている段階」と訂正し、「説明不足だった」と謝罪したのである。 あまりに稚拙な企業行動だが、一連の訂正・謝罪会見の背後には、『朝日新聞』 と『読売新聞』の圧力があった――とその筋では囁かれている。 昨年11月26日に華々しく行なわれた毎日と共同の合同記者会見では、「共 同通信からの記事配信のみにとどまらず、毎日新聞は共同加盟地方紙からも記 事提供を受け、さらに毎日と共同加盟紙は新聞製作や販売網の協力も視野に入 れた経営効率化に向けて包括提携を結ぶ」と説明していた。 今度は共同が単独で訂正・謝罪の記者会見を行なったのが同12月4日。「全 加盟紙が毎日との提携で合意したとの印象は説明不足だった」と頭を下げたの だが、関係者はこう語る。 「共同の訂正・謝罪会見は『北海道新聞』や『中日新聞』、『新潟日報』など 有力加盟紙から激しく突き上げられたのを受けて行なわれた。 共同加盟社で構成される理事会の会長は『西日本新聞』の多田秋重会長だが、 毎日と西日本が個別に進めている提携を、加盟社全体に拡大させようとした共 同の勇み足だったようだ」 問題は共同を激しく突き上げた有力加盟社の背後だ。 「その背後に『朝日』と『読売』の存在があったことは、公然の秘密になって いる。朝日は2011年をメドに中日と提携して、関東、中部で大規模な相互 印刷を実施する予定だし、読売も今秋から新潟日報に現地印刷を委託すること になっている。 朝日、読売にしてみれば、毎日、共同提携は自社の地方提携の邪魔以外の何物 でもないし、一方の中日、新潟日報にしても弱者連合である毎日・共同より、 朝日・読売との提携のほうが魅力的に映っている。 朝日、読売という“強者”に袖にされぬよう、暴走した共同に訂正を強制した い。そのあたりの心理を突いた朝日、読売が、無言の圧力を地方紙にかけたと いうことらしい」(関係者) さらに踏み込んだ見方の中には、もっと積極的な「毎日潰し」の意図が朝日、 読売にはある――との視点がある。 別の関係者は「朝日・読売の標的が毎日の基盤を取り崩し、そのパイを分け合 うことであるのは疑う余地がない。だから、毎日が共同と真に包括提携を結ん で経営を強化するのを嫌い、早めに手を打った」と指摘するのだ。 いずれにせよ、他の企業に厳しい指摘を投げかけ、記者会見で齟齬を見つけれ ば鬼の首でも取ったように報じる新聞社、通信社が、自社の“包括提携”をめ ぐって異例の訂正・謝罪会見を余儀なくされた事態の裏には、衰退の一途をた どる新聞業界の複雑な利害構造が反映していることは間違いない。 共同は不始末の責任を取って、石川聡社長ら経営幹部の減俸処分を決めたが、 これを単なる“不祥事”と見るのは本質的ではない。 二番底の恐怖が囁かれる中、経営破綻する社が現れることが現実化する業界に あって、「どこと組むのが正解なのか」という、グループ化の離合集散が進行 しているとみるべきであろう。 ●新華僑の資力で仕手株化する「中国関連銘柄」の功罪 (転載同前) 昨年末、証券市場で二つの銘柄が急騰、ともに「中国関連銘柄」ということで 話題になった。 ジャスラックに上場するスーパー銭湯の極楽湯と、東証二部に上場する不動産・ レジャー開発の価値開発。 11月末から12月にかけて、両者はストップ高を繰り返し、材料はいずれも 「中国」だった。 極楽湯は、11月30日、中国最大級の金融事業集団CITTC(シティック) グループと合弁で、中国を中心とする東アジア地区で温浴事業を展開すると発 表した。 極楽湯の上位株主にマーチャント・バンカーズ(大証二部)があるが、同社が 持つ極楽湯株をCITTCグループに譲渡、三社で中国における温浴事業を展 開しようというもの。 中国の「温浴文化」は日本とは異なるものの、お湯につかって清潔さや健康を 整えるという発想は同じで、大きな需要創造が期待できるということで極楽湯 株は、12月1日と2日の二日連続ストップ高、一時は400円を突破をした。 かつて、上毛という社名の仕手銘柄だった価値開発は、繊維から不動産開発、 ホテル・レジャー施設の運営へと業態変換しているが、12月1日、広東省が 株式を100%保有する中国旅行社グループの広東中旅旅遊投資発展公司との 基本提携を発表した。 価値開発グループが運営するホテルおよび温泉旅行サービスを、中国からの観 光客に共同で提供するというもので、中国からの観光客が激増しておることも あって人気化、12月2日と3日はストップ高となり、一時は80円近くの値 をつけた。 しかし、両社とも「中国関連銘柄」になっただけで、具体的に売上高と利益に 貢献する事業が立ち上がったわけではないし、株価が二倍、三倍に急騰するの は、明らかに上がり過ぎである。 極楽湯の発表直前の株価は、200円台の前半で推移、価値開発に至っては2 0円前後の「ボロ株」だった。 ただ、熱が冷めるのもまた早かった。 極楽湯はストップ高の後は急落を続け、12月中旬以降は“平穏”を保ってい るものの、今年1月8日の終値は295円で、「中国バブル」が到来する前と それほど変わらない。 価値開発のメッキの剥げ方はもっと急で、1月8日の終値は29円と、元の木 阿弥だ。 実は、両社株の乱高下には仕掛け人がいるという。証券関係者が解説する。 「1980年代以降に日本に留学、一流大学で学び、学力と人脈に恵まれたう えに才覚もある30代から40台の留学生組が、いま、日本の企業社会で上場 企業の経営者になるなど、大きな力を持つようになっています。 『新華僑』と呼ばれる彼らが、中国と日本を結びつけるビジネスを展開、その 中で得たインサイダー情報を利用、株を買い、売り抜けるから仕手株化するん です」 弊誌がNo.626で指摘したラオックスもそうだった。ラオックスは、昨年6月2 5日、中国家電量販店トップの蘇寧電器が、日本最大の中華ショッピングモー ルを持つ日本観光免税とともに、同社の第三者割当増資を引き受けて、筆頭株 主となることを発表した。 蘇寧電器と日本観光免税の株式を併せると50%を超え、ラオックスは流通業 界としては初めて「中国系」の上場企業となった。 証券市場はこれを歓迎、発表日の終値は124円だったが、翌日からストップ 高の連続で5営業日目の7月2日には454円の最高値を記録した。 しかし暴落も早く、ストップ安をつけながらの“つるべ落ち”で、7月14日 の終値は166円だった。 ラオックス株が加熱するのは当然だが、暴騰と暴落には間違いなく、事前にニ ュースを知る勢力の“仕込み”と、発表後の急騰に乗じた“売り抜け”がある。 中国の上海市場で横行するインサイダー取引を、そのまま日本に持ってきたよ うな手口を認めてはなるまい。 だが一方で、中国の成長力と市場の巨大さは、「中国銘柄」を仕手株からの本 当の成長銘柄にしてしまう力を秘めており、ラオックスの成長に疑いを挟む向 きは少ない。 新華僑の怪しい“仕掛け”は論外だが、その力をもっと積極的に利用、中国の 成長力に日本の将来を託す正しい“戦略”が、今後、求められている。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』の購読は、本誌がお取次 ぎします。お申し出頂けば、無料で見本誌をお送りいたします。 【お知らせ】 ■■「社内報、特集企画、どう考えていますか?」■■ 2月19日 金曜日 午後6時半 社内広報サロン 開催 特集の企画を考えることは、担当者の一番悩むところではないでしょうか? 経営ネタでいくのかコミュニケーションネタでいくのか、或いは、定番の決算 記事にするのか、年頭挨拶にするのかなどなど、悩みはつきません。そこで、 鍵となるのが、掲載の優先順位や定番記事の切り口をいかに変えるか。 今回はなかなか知ることのできない、他社の企画発想方法や、上司を納得させ る企画の出し方など、社内報の特集企画の考え方について、皆さんと考えたい と思います。 詳細はこちら ⇒http://www.commu-suppo.net/salon/20100219salon.pdf ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2010年1月27日 第516号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |