■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2010/3/3 No.521 週刊メールジャーナル 読者数11133(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【お断り】 今号は、ナナ総合コミュニケーション研究所ポータルサイト 「commu-suppo.net」の会員専用サイトのコラム「社内広報を考える」 から転載しました。この専用サイトにアクセスするには、 ポータルサイトからメールマガジン購読(無料)を申し込み、 パスワードを取得してください。 なお、このコラムは、社内広報担当者だけでなく、経営者をはじめ としてコーポレート・コミュニケーションにかかわる方々に お読みいただくことを目的として、定期的に本誌に転載しています。 ⇒http://www.commu-suppo.net/ 「社内広報を考える」 ■統合型グループ誌のあり方考える (その1) 前回のこのコラムでは、グループ経営には三つの類型があり、そのコミュニケ ーション誌には、「拡張型」と「統合型」の2タイプがあるとした。 「拡張型」には、連結決算の親会社が発行するグループ誌で、単体の社内誌が グループ誌に発展していったものが多い。 その配布先の子会社や関連会社は、かつての事業部や部署・部門である場合が 多く、グループ誌といっても単体誌のコンセプトが色濃く残り、したがって単 体誌の編集発行ノウハウがそのまま通用するといってもいいだろう。 これに対して「統合型」は、経営統合やM&Aによって、もしくはサプライ・ チェーン・マネジメント(SCM)によって形成されたグループの、持株会社 等が発行するグループ誌が多く、このタイプは、近年のグローバリゼーション によって漸増している。 この統合型グループ誌の発行ニーズは、持株会社のガバナンスによって異なる ことが考えられ、単体誌のノウハウはほとんど通用しえない。 そこで今回は、統合型グループ誌のあり方について、絞って考えてみたい。 持株会社の下に複数の会社がぶら下がるグループ形態であっても、SCMによ る取引系列のグループ形態であっても、傘下の会社はそれぞれが独立したガバ ナンスで経営されているはずであり、それぞれ経営理念を持ち、会社の文化、 風土もグループ内他社とは異なることが多い。 したがって、それらの会社のコミュニケーション・マネジメント・システム (CMS)を尊重しながら、グループの経営目標を実現するために、グループ 内のコミュニケーションが求められると考えられる。 普通、このようなグループでは、それぞれの会社が単体社内誌を発行している はずであり、それらを“統合”するグループ誌が求められている、といっても いいだろう。 そのようなグループ誌には、グループの経営目標を達成するために、単体誌と の差異を明確にしつつ、かつそれらとの協調とリーダーシップが求められる。 したがって、グループ内の単体誌と異なる発行目的、編集方針を持つことは当 然であり、結果として、読者ターゲットを絞り込んだり、配布対象を特定する ことさえありうる。 ただしその前提として、グループ内各社の社内広報担当者と持株会社の広報担 当者は定期的に会合し、それぞれの役割分担を自覚するとともに、全員でグル ープ誌の編集企画に積極的に参画する必要がある。 単体社内誌には、グループ誌のコンテンツを十分に意識しそれをサポートする 企画が求められ、グループ誌には、各社のコンテンツを理解し、それらを “統合”する企画が求められる。 結果、はじめて、単体誌とグループ誌との相乗効果が期待できる。 言うまでもないが、読者の立場からすれば、単体誌に加えてグループ誌が配布 されるのだから、それぞれのコンテンツに異なる情報価値がなければ、一読に 値しないわけである。 「社内広報を考える」 ■統合型グループ誌のあり方を考える (その2) 少々脱線するが、10月5日は「社内報の日」である。 これは“統合”の語呂合わせであることは、以前このコラムでも紹介したので、 制定のいきさつは省略するが、この“統合”の意味をもう少し補足したい。 筆者は、この制定にはまったくかかわっていないのだが、これを知った時から 全面的に賛同している。 社内誌は、明治後期に誕生以来、社内の出来事(情報)を「お知らせ」するこ とを目的として編集発行が続いてきたが、近年の社内誌は、社員だけでなく、 非正規従業員やステークホルダーの意識や価値観を“統合”し、関係者が一丸 となって経営目標に向かって行動する動機付けに、その存在意義が認められる ようになってきている。 グローバリゼーションの影響が現れているといっていいだろう。 従業員の価値観が多様化している現代の経営では、この“統合”(“結束”と 言い換えてもいい)の度合いが、会社業績に直結するようになってきたからで あろう。 社内の意識と価値観、行動のベクトルを統合するためには、コミュニケーショ ンを活性化する必要があるとする経営論を、筆者は支持したい。 「会社」(「企業」とは必ずしも同義ではない)の中での「仲間意識」が強ま れば、さまざな現場で、誰もが思ったことを「発言」し、「実行」し、それを 社内に「普遍化」し、その結果としての経営の果実を最適に「分配」すること が可能になるからである。 コミュニケーションの目的を、この“統合”に置くからには、それに役立つコ ミュニケーション・メディアが望まれるのは当然だろう。 日本全国で、毎年10月5日、社内誌や社内報の役割と現状を見直す機会にし てはどうか。 このところグローバルに注目されている、トヨタ自動車の事案をよくよく見る と、この“統合”の度合いに緩みができていたのではないかと思われる節があ る。 現場の重要な出来事を、直ちにトップが知りえなかったということは、内部統 制システムが機能しなかったというよりも、コミュニケーション・システム (CMS)が働かなかったと、言うべきだろう。 このことは、近年、同社とそのグループ社のいくつかの社内誌を見るにつけ、 連想を禁じえないのである。 ユーザーのクレームはまず現場に届く、これらが社内のCMSによって、必要 なセクションに集積され、分析され、対応策が決まる。並行して経営トップに 報告され指示命令が伝達される。 そのプロセスに、何らかの障害があったのではないかと、慮らざるをえない。 ゼネラル・モーターズ(GM)の事例を思い起こす。 もう70年も前のことだが、GMは、当時、少壮の政治学者として売り出し中 のピーター・ドラッカーに、経営の中枢までを洗いざらい見せ、自由に経営分 析・評価させた。 その結果が、あの「企業とは何か」という名著を生み、今日の「会社の社会的 責任」(CSR)につながっている。 しかし、GMの従来からのやり方に自信満々だった最高実力者アルフレッド・ スローン以下、当時の経営陣は、これを黙殺した。 当時のGMには、CMSの概念がなく、経営責任者の判断だけが必要だったの だろう. 時代が違うとはいえ、今日のグローバリズムの中では、CMSを経営判断に組 み入れる必要が痛感される。 その意味では、トヨタ問題は対岸の火事ではない。 一般に、近年のCMSは、「上意下達」ではほとんど機能しなくなっていると いえる。非正規従業員の増加などによる価値観の多様化が原因の一つかもしれ ないが、むしろ、現場の声がスムースに上がっていかなくなっているからでは ないか。 ここに、グループの単体社内誌とグループ誌とが協調し、それぞれの役割分担 を果たすことへの期待があるといってもいい。 近年、グローバリズムの中で、日本的経営の良さ、強さを見直そうとする経営 論が台頭しているが、筆者は、必ずしも非正規従業員の存在を否定することに 直結させる必要はないだろうと考えている。 むしろ、日本的経営といわれる中で、米欧のそれと最も異なる経営手法は、C MSではないかと思う。 それは、わが国の勤労階層の教育レベルと均質性によって、その効果が保証さ れ、それゆえ、CMSによる、社内広報とその中核メディアである社内誌や社 内報とが、日本的経営のグローバル競争力を生み出していたものと考える。 現に、過去、このような日本的な社内メディアは、欧米の経営では見ることが できない。 グローバリズムによって、グループ経営が増加し、これに伴って、漸増を続け るグループ誌のあり方について、もう少し、考察を続けてみたい。 (以下次号) 【お知らせ】 ■■第9回全国社内誌企画コンペティション 募集開始■■ 厳しい時代だからこそ、社内報の出番! 「会社を元気に、社員をイキイキ。」そんな社内誌を応援します 第9回全国社内誌企画コンペティション 募集開始! あなたの熱い想いが込められた社内誌の「企画」をご応募ください。 社内誌1冊全体を審査するコンペティションではありません。 過去には4分の1ページの企画がゴールド企画賞を受賞したことも! あなたの「イチオシ」企画をご応募ください。 詳細はこちら↓ ⇒http://www.commu-suppo.net/competition.html 問い合わせ先:ナナ総合コミュニケーション研究所 ⇒http://www.commu-suppo.net/ 担当:大橋 eMail:ohashi@nana-cc.com tel:03-5312-7471 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2010年3月3日 第521号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |