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  2010/3/24    No.524   週刊メールジャーナル   読者数11127(前回)
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■自殺予防、防止の啓発
(保険業界紙『インシュアランス・生保版』3月18日号より転載)

わが国の「自殺」の多さが社会問題化している。

昨年末、警察庁が発表した暫定値によると、平成21年の自殺者は3万275
3名に上る。これは、12年連続しての3万名超、史上5番目の多さで、交通
事故死者数の約5倍に当たるという。

人口当たりではアメリカの2倍、イタリア、イギリスの3倍、OECD諸国、
G8の中ではロシアに次いで第2位と、国際水準からみても極めて異常な状況
である。

「命を守りたい」と、鳩山首相が所信表明演説で繰り返し強調した新政権は、
2月5日に関係閣僚による自殺総合対策会議を立ち上げた。

また、04年に設立し、自殺の予防・防止の啓発活動を続けているNPO法人
ライフリンクの活動を支援するように、いくつかのマスメディアも年始来キャ
ンペーンを繰り広げている。

こうした社会的な動きに対して、生保業界はどうリンクしていくのか、今のと
ころ見えてこない。

生保協会は、自殺による支払データを各社から収集しているようだが、各社が
非開示情報としているために、対外公表はできないとしている。 

だが、このデータは社会的な関心事になっていることは間違いない。ぜひとも、
各社別の件数、保険金、経過年数などの情報公開に踏み切ってもらいたい。

かつて生保業界は、自殺が社会問題化したとき、統一約款で「自殺免責」期間
を延長したことがある。しかし、今日の多発は社会構造的な問題が深く関わっ
ていると考えられ、免責規定の強化が自殺抑制に直結するとは考え難い。 

しかしながら、この業界は「命を大切にする」ことに社会的な存在基盤を置い
ている以上、この問題を“拱手傍観”することは許されない。

残された家族らの「永遠の不幸」を考えれば、保険金を支払って済むことでは
ない。直接、間接を問わず、自殺予防・防止の啓発活動に取り組むべきであろ
う。

まずは、新契約設計時点で、見込客の所得と債務のバランスを把握し、逆選択
を防止するセールスの基本を、これまで以上に徹底しなければならない。

より大切なことは、既契約のきめ細かな保全サービスで、家計と家族構成の時
系的な変化にしたがって、契約内容を見直すセールス活動をサポートすること
ではないか。

昨年末、業界OBが立ち上げた一般社団法人「シニアライフ協会」では、同会
がすすめる「シニアライフプランナー」の養成を通じて、契約家族の経済的な
問題や悩みごとを把握し、将来の生活設計の相談に乗っていくプロセスで、自
殺防止にも寄与できるはずと言っている。

すでに一部の会社が、このプロジェクトを営業職員の研修に組み入れていると
聞くが、普遍化に期待したい。



●「小沢バッシング」に血道をあげる「嫌中国派」の近視眼!
(会員制経済情報誌『現代産業情報』3月15日号より転載)

小沢一郎バッシングが止まない。

捜査当局に狙われるなど、追い詰められた著名人を、「反論不能」となったこ
とをいいことに、嵩にかかって攻め立てるのは、日本のマスコミの悪しき慣習
ではあるが、小沢一郎民主党幹事長への攻撃は、異様を通り越して空恐ろしい。

そして明らかに間違っている。

弊誌は、前号(No.640=本誌前号に転載=本誌注)で「小沢叩きで糊口
をしのぐ軽佻浮薄なジャーナリスト・評論家たち!」と題して、小沢攻撃に走
る立花隆氏ら著名ジャーナリストの薄っぺらな記事について批判したが、攻撃
の刃は、書かせている編集者にも向けられるべきだろう。

センスのかけらもないヒステリックな見出しを見ていただきたい。

「小沢先生含め全員逮捕だ」(石川知裕代議士元秘書金沢敬全告白・『WiL
L』3月号)

「小沢の天皇利用を大批判」(小林よしのり・『WiLL』3月号)

「あまりに幼稚な鳩山総理、小沢一郎という毒」(岩見隆夫×山内昌之・『週
刊現代』3月6日号)

「壊れかけの鳩山政権、ついにとけ始めた『小沢の呪い』」(『週刊現代』3
月13日号)

「鳩山政権に鉄槌下る!小沢一郎のバケの皮」(『週刊文春』3月4日号)

「政治家小沢一郎は死んだ」(立花隆・『文藝春秋』3月号)

「小沢一郎のちいさな器量」(福田和也・『文藝春秋』3月号)

「小沢一郎よ、あなたは陛下のご体調を考えたことがあるのか」(北村唯一・
『文藝春秋』4月号)

小沢一郎という政治家が、善くも悪しくも日本の政治を長年にわたってリード
してきたことは間違いない。

また、日本の政治家は、「親小沢」か「反小沢」かで色分けされてきた。

つまりそれだけの力のある政治家であり、経済が疲弊、日本の先行きが見出せ
ぬ時、この「この剛腕の力で混迷を打開すべき」というのが、大人の考えであ
り選択であるはずだ。

だが、日本のマスコミは、強いもの、人気のあるものに、数の力で攻撃を加え
る。

前述の雑誌タイトルによれば、小沢氏は「とけはじめた」「小さな器量」の
「毒」を持った政治家で、「陛下の体調も考え」ず、「利用」するばかりの
「バケの皮」を剥がされ、「逮捕」されても仕方のない「死んだ」ような政治
家なのである。

こんなタイトルの記事が、日々、掲載されるのだから、小沢氏のマスコミ嫌い
も分からなくはない。

そして、その醜悪な小沢批判の総結集というべきなのが、桜井よしこ氏が編集
長となった『新潮45』別冊の「小沢一郎研究」だった。

批判そのものに意味を見出す編集方針に、ケチをつけても意味はあるまい。タ
イトルだけで内容が推察できる。

「女の影――料亭の女将から隠し子騒動の元秘書、テレビレポーターまで」
(伊藤博一)

「特捜検察が迫った『小沢金脈』の全貌」(岡本純一)

「小沢一族の深き闇――実母を巡るなぞと『朝銀信組』の金(上條昌史)

究めつきは、巻頭言の「小沢さん、あなたはそれでいいのですか」という、桜
井よしこ編集長の論文である。

要は、理念と行動の人である小沢氏を、ベストセラーとなった『日本改造計画』
を中心に、その“変身”ぶりを鋭く攻撃した。

昨年、国会議員140名を含む600名の大代表団を中国向けに編成、議員一
人ひとりが胡国家主席と握手を交わした。

桜井氏は、この「朝貢外交」を、安定した日米同盟から離脱するものだとして
批判する。

「日米関係が日本の外交の基軸であり、安全の最重要の基盤であると強調して
きた小沢氏が、いまや明らかに中国に傾き、日米中の等距離外交、日米中正三
角関係論を主張する理由がここにある」

この路線変換は、「嫌中国」も立場を貫く桜井氏にとって、許せないものだっ
た。

だが、一昨年から昨年にかけて米国に滞在していた作家の島田雅彦氏は『サン
デー毎日』(3月14日号)の「日本脱米論」の中で、「変わるべき民主党が、
対米従属路線を捨てるのは当然だ」と、喝破する。

「自民党政権の“伝家の宝刀”だった、対米従属を明確に終わらせる必要があ
る。

米経済が崩壊し、ロシアや中国、インド、ブラジルといったBRICsが台頭
してきた。

日本もアジアの繁栄を念頭においた、新たな経済システムの構築を急がなけれ
ばなりません」

なかなかの慧眼で、米国に居住していたからこそわかる真実。

『WiLL』『文藝春秋』『新潮45』といった雑誌は、その右寄りの姿勢が
「反中国」につながり、その編集方針が「小沢攻撃」を先鋭化させているので
はあるが、日本のおかれた地勢的、経済的、防衛的観点からしても、島田氏の
「しなやかな感性」を持つべきで、雪崩を打った小沢攻撃ほど不毛なものはな
い。

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 週刊メールジャーナル 2010年3月24日  第524号(水曜日発行)
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