■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2010/5/5 No.530 週刊メールジャーナル 読者数10890(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【お断り】 本誌は毎週水曜日に定例発行しておりますが、勝手ながら、本号は2日繰り上 げ、5月3日(憲法記念日)に配信いたします。 ●鳩山―小沢がグアム全面移設を決意すれば公約通りだ! (会員制経済情報誌『現代産業情報』5月1日号より転載) 沖縄米軍基地の移設に関して、鳩山首相が述べた「腹案」なるものを忖度して、 新聞・テレビなど反政府で一致しているメディアは、何もないはずだと、5月 退陣論まで展開している。 しかし、予てから鳩山首相が米軍の駐留に関して特別な決意を持ち、日米同盟 そのものの転換を意図しているのではないかという見方も一部にある。 そもそも問題の本質は、普天間の危険除去だけではない。沖縄問題の根底にあ るのは、戦後長期にわたって強いてきた沖縄県民への極端な負担である。 沖縄が我が国の一部であることは事実だが、歴史的に見れば本土人(ヤマトン チュ=本誌注)が沖縄島民(ウチナーチュ=本誌注)に対し、どんな姿勢を示 してきたかという問題であり、 米軍基地の存在をいかに解決するかは、国の責任であると同時に、本土人の責 任であることを自覚しなければならない。 そして第二には、外国軍の基地が長期に常在するのは、異常だということだ。 米軍基地を撤退させ、自衛隊を強化するという原則に戻り、防衛予算の大幅ア ップから憲法論議までしなければ、対米従属が将来にわたり解決できない。 第三には、新しい情勢の変化の中で「米国の核の傘」や軍事力で、将来にわた り我が国が平和を維持できるなどという空想から脱皮するしかない。 それこそ次元が違うが、子ども手当てを国民が我慢し、それを防衛費に廻して も、自分の国を自分で守るという、ごく当たり前のことを、国民が決意すべき であろう。 その前提で、今回の普天間問題を考えれば、沖縄基地の国外、グアムなどを中 心とする米国領土に移転させる提案をすることだろう。 既に日米による在日米軍再編計画で、沖縄の海兵隊とその家族のグアムへの移 転が決められ、移転費用の60%を日本側が負担することになっている。 全面的なグアム移転を実行すれば、さらに我が国の負担が増すが、沖縄県民の 負担を大きく軽減し、鳩山政権の公約を守ることで、政権への信頼が回復する はずである。 「基地はいらない」という県民の勢いが増せば、米軍もその民意を無視できな くなるはずで、現行案を強行することの困難を知るだろう。 岡田外相や外務省、防衛省の役人などは、情勢の変化をとらえられず、現行案 の修正などと言っており、更には自民党防衛族、大手ゼネコンなどの安保マフ ィアが存在する。 これらがシュワブ沿岸部の埋め立てなどの工事で、大きな利権を狙っている。 地元選出の与党議員の一部にも、良からぬ噂が出ている。 何れにせよ、米国も民主党政権が誕生、我が国も新政権ができた今、大きな意 味で対米従属から対米自立へ変わるときで、変えられるはずである。 その第一歩として、グアムへの全面移設を決意し、鳩山政権の浮揚を図るべき だ。 新聞やテレビなどのメディアも、米国の言いなりになって自分の国の政権や指 導者を非難することが、いかに異常なことかということを知るべきだ。 ●内閣情報官人事に見る諜報と政治の「距離感」 (転載・同前) 政府は三谷秀史内閣情報官の退任を認め、後任に大阪府警本部長だった植松信 一氏を就任させた。 一方で政府は、退任した三谷氏を拉致問題対策本部の事務局長代理に起用した。 “三段跳び人事”で情報官に抜擢されてから4年。長期にわたりインテリジェ ンスのトップを任され、なお拉致問題の実務を預かる三谷氏への官邸の信頼は、 「森喜朗元首相に突っ込んだ質問をする共同通信政治部記者に平手打ちまでし た首相秘書官時代の忠誠心」(関係者)に源泉がある――と、単純な語られ方 をする向きがあるから意外だ。 ある公安筋は、「米村さんと比べてみればいい」と話を振る。「米村さん」と は、前警視総監の米村敏郎氏。 この1月に退官し、情報官等で内閣入りが確実視されたが、結局ポストは与え られなかった。公安筋は「その理由は彼の『舌禍』にある」と、指摘するのだ。 「内閣情報官人事は官邸が最終的に判断するものの、具体案を出すのは警察庁。 今回、警察庁が最初に推したのは米村氏で、二番目が植松氏だった。 しかし、鳩山官邸が選んだのは植松氏だった。米村氏は総監在職中から『民主 党政権の中で働くつもりはない』などの言動が伝えられ、 これが人の口を介して民主党側に伝わった。くだらない話だが、これが米村氏 が“蹴られる”理由になったようだ」 一貫して警備・公安畠を歩み、特に外事情報には強みを見せた米村氏の経歴と 能力は、内閣情報官として全く遜色のないものである。 OBを含めた公安人脈の広さ、海外諜報機関との個人的なパイプの太さは、今 の日本の公安マンとしては超一級のものが認められる。 そのエリート公安マンが、仮に政党好悪の発言で現政権から疎遠にされたとす れば、これは国家の不幸ともいうべき種類のものであろう。 一方の三谷氏は、“幸運”に恵まれた。森元首相の寵愛を受け、拉致問題への 強硬姿勢を示す安倍晋三元首相からも頼りにされた。 関係者は「それだけではない」と解説するのだ。 「金銭スキャンダルを抱えたまま首相になってしまった鳩山氏には検察対策が 必要だったが、時の東京地検特捜部長は佐久間達哉氏。 三谷氏が在米日本大使館一等書記官勤務時代の前任者に当たる。自らの贈与疑 惑、小沢一郎幹事長の政治資金団体疑惑に見舞われ検察にパイプがほしいとき に、官邸にとっては三谷氏が“救世主”に見えただろう。 安倍、福田、麻生と3代の首相に仕えた三谷氏を、鳩山官邸が切らなかった理 由はここにあるという話です」 以上の論評は、植松現情報官の能力を否定するものではない。しかしながら、 三谷氏の処遇との対比で米村氏を見た場合、その処遇には論理的には解せない 思いがつきまとう。 それはとりもなおさず、「諜報」と「政治」の距離を測る尺度に「好悪」が介 在することへの違和感がある。 ●電波利権のために鳩山民主党を叩くテレビ局の横暴! (転載・同前) マスコミの「鳩山民主党バッシング」がやまない。 小沢一郎幹事長の政治資金問題化から始まって、鳩山由紀夫首相の「母子手当」 に移り、再び小沢氏に戻って「秘書宅の4億円」を批判、不起訴で「小沢捜査」 が中断すると、普天間問題に批判の刃が向いた。 弊誌は、マスコミの「横並びバッシング報道」を一貫して批判してきた。 政治権力の監視、社会の木鐸意識での批判なら、その独善性は脇に置いてもま だ許されよう。 だが、新聞、テレビ、雑誌の多くは、「売らんかな」の精神での鳩山批判、小 沢批判なのである。 「小沢叩きは売れるんですよ」 これは、急速に発行部数を伸ばしている週刊誌編集者の“本音”である。そこ には、政権交代を経て「新しい国の形」を整えようとする民主党政権を見守り、 そのうえで、建設的批判をしようというマスコミの役割が、見失われている。 なかでもエスカレートしているのがテレビである。もともと電波(周波数)は 国民の財産で、政府がテレビ局に「放送免許」を与えているだけだから、新聞 や雑誌に比べると、テレビの政権批判は穏やかだった。 かつて佐藤栄作元首相は、記者会見で新聞記者を追い出し、テレビカメラに向 かって語りかけたほどである。 だが、今回はテレビ局がむしろ鳩山批判、小沢批判を先鋭化させている。 それが視聴率アップにつながるという側面はあるものの、もう一つ重要なのは 「電波利権」である。 そのからくりを暴いて秀逸だったのが、「テレビはなぜ朝から晩まで鳩山政権 を叩くのか」(4月21日〜4月25日)という4回連載の「日刊ゲンダイ」 記事だった。 同紙が、「民主バッシング」の理由として挙げているのが、総選挙直前の昨年 7月、民主党が掲げた「INDEX2009」の中で書かれた電波料金への 「オークション制度」の導入である。 総務省によると、テレビや携帯電話会社が国に納める電波利用料金は年間約7 50億円で、そのうち携帯電話会社が8割以上を占めており、テレビが納めて いるのは約38億円に過ぎない。 年間売上高3兆円。独占が保証されて高給与で有名なテレビ局が、その「権利 料」に1000分の1強の対価しか支払っていない。 このテレビ局が電波を独占する問題は、先進国が共通に持っていたものの、9 0年代末以降、移動通信や無線ネットの利用拡大で電波が不足する状態となり、 電波の配分を市場原理にゆだねる「オークション制度」を導入する動きが活発 化、OECDに加盟する30カ国のうち、「オークション制度」がないのは、 日本やルクセンブルグなど7カ国だけだという。 記事の中で大阪大学名誉教授の鬼木甫氏は、次のようにコメントしていた。 「仮に地デジ移行の跡地(アナログ波)をオークションした場合、想定落札価 格は約1.7兆円になる。国民資産である電波の適正な経済価値を国庫収入とす るため、オークション制度を導入すべきです」 この電波利権に切り込む姿勢を見せたことが、テレビ局の民主党バッシングに つながった。 さらに、読売新聞と日本テレビ、朝日新聞とテレビ朝日、産経新聞とフジテレ ビといった具合に、新聞社とテレビ局は密接な系列関係で結ばれている。 いわば「運命共同体」であり、利害は一致、それがマスコミあげての狂気のバ ッシングとなっている。 さらに問題なのは、この「横並び批判」が操作された「世論調査」を用い、 「国民の声」と称して行なわれることだ。 周知のように世論調査は、たかだか1000人、2000人へのアンケートで 行なわれている。これで「国民の声」とはおこがましい。 また、「普天間問題への対応を評価するか」と、聞かれて「評価する」と答え る人は少ないだろうし、その質問の後で、「鳩山政権を支持するか」と聞かれ ると、気持ちが「評価しない」に連動、「不支持」となるのが一般的。世論調 査とは、所詮その程度のもの。 そのうえ新聞もテレビも民主党批判で固まっているのだから、それを目にする 国民が「鳩山政権不支持」に回るのは当然だろう。 こうしてテレビ局は、「電波利権」という思惑を秘めて、民主党政権をののし る。 それが国民の為になるかどうかは二の次。罪深いのがどちらかは、明白なので ある。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』のご購読は、本誌がお取 次ぎします。無料で見本誌をお送りします。お申し出ください。 【あとがき】 朝日新聞の4月16日付朝刊に興味深い記事が載っていた。 昨年10月まで在日米軍や第7艦隊を指揮下におく米太平洋軍の司令官だった キーティング退役米海軍大将が、普天間移設問題に絡んで、海兵隊の駐留は 「より好ましいが、絶対に必要なわけではない」と語ったという。そして次の ようにも発言したという。 「沖縄は訓練の機会、(すでに投入して回収できない)埋没費用を考えると (駐留場所として)都合が良い」 「関東平野など他に受け入れ先があるのなら、どうしても沖縄でなければなら ないとは思わない」 そして、沖縄の方が好ましいとする理由は「既に今、駐留しているからだ」と 述べたという。 この記事は、一面や一連の普天間問題で民主党バッシングを掲載している政治 面に掲載された記事ではない。 米軍関係者の中にも様々な意見があるということを、われわれ日本人も必要が あるだろう。 これから、どのような「日米交渉」を行なうべきか、沖縄県知事始め、関係自 治体の首長らは、ぜひとも鳩山首相に具体的な提言をしてもらいたい。 今日5月3日は「憲法記念日」である。 【本誌おすすめの図書】 あらゆるビジネスシーンで使える 「どうしようかな……」を「なるほど!」に変えてゆく コミュニケーションテクのすべて。 『心動かす交渉術』 〜顧客リピート率95% トップクラスのヘッドハンターが使う交渉術〜 【著者】小松俊明 【価格】定価(本体1,300円+税) 詳細、購入はこちら⇒http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901491970 【本誌おすすめの映画祭】 “知らなかった世界がここにある”『第7回東京平和映画祭』 マイケル・ムーア監督『キャピタリズム マネーは踊る』、 サム・ボッゾ監督『ブルーゴールド―狙われた水の真実』、 小林アツシ監督『どうするアンポ?〜日米同盟と私たちの未来〜』 など10作品と講演など 6月19,20日の2日間でお届けします。 詳細、チケット購入はHP⇒http://www.peacefilm.net/ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2010年5月5日 第530号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |