■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2010/5/12 No.531 週刊メールジャーナル 読者数10896(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【少し長いまえがき】 何ごとも、ものごとを予測どおりにうまく運ぶためには、実行のタイミングが 大切だといわれる。しかし、チャンスかどうかを判断するのはむずかしい。 しかも、チャンスは、いったん逃すと再びめぐってはこないといわれる。そう いう格言もある。 ほぼ完璧に「遅きに失した」ようなのであるが、100%諦めきれず、「悪あ がき」と軽蔑されるかもしれないが、あえて、最後のチャンスと思って賭けて みたい。実は今、そんな心境なのである。 本誌編集発行人・川崎明の父親・川崎英策は、昭和20年(終戦の年)6月、 西部ニューギニア島のソロンというところで戦病死したとされる。兵卒(死ん で伍長)としては異例の高齢で38歳だった。 しかし、運よく生還された方の報告によると、亡くなったのは20年4月で、 マノクワリだったという。母(昭和61年、79歳で没)は、その話を信じて いたようだ。(仏壇の過去帳にそう書き残していた) 父の所属部隊、第35師団ー東、南方軍ー直ー第2軍の「歩兵第219連隊」 は、19年5月、ソロンに上陸、直ちに大発に分乗して、マノクワリ経由ヌン ホル島守備のために進出したという。 そこでは、上陸をはかる敵と激しい戦闘となり部隊は玉砕、生き残りの兵は、 翌20年5月にソロンに撤収したとされる。 もしそうだとすると、動かせない負傷者や病人はそのまま放置され、多くがそ こで死亡した可能性も決して考えられなくもない。 したがって、父の亡くなった場所は、連隊の生き残り兵が最後に集結し、終戦 を迎えたとされるソロンではなく、マノクワリかヌンホル島かもしれない、と いうことになる。 ソロンは、ニューギニア島の最西端に位置する村だが、マノクワリはそこから 400キロほど東方に位置する海岸の村で、ヌンホル島の位置は、いろいろな 地図で調べたが分らない。たぶんマノクワリに近い小島だろう。 現に、この辺りの遺骨はほとんど故郷に帰っていないようで、昭和26年ごろ ようやく公報と共に父の遺骨としてわれわれ遺族の疎開先に帰ってきたのは、 石ころ1個だった。 ソロンには連隊本部が置かれ、兵站基地にもなっていたようだ。終戦前後、そ こで死亡した人は、毎日のように荼毘に付されていたという。 そんな父の、「軍歴確認書」という公文書を東京都(父の本籍地)から入手す ることになったのは、偶然の事情により、昨年のことだった。 そこで急遽、父の「死亡日」と「死亡場所」を確認したくなったのである。所 属部隊(大隊・中隊)の動静が分れば、自ずとはっきりするだろうと、思った のである。 しかし、ここに書いたように、死亡日も死亡場所も、公文書で確認することは、 決定的に不可能であることが分った。 そこで、東京都遺族連合会の名簿から確認できた、連隊の「戦没者慰霊会」や 「戦友会」「同志会」など、12の会の10名の代表者に、「たとえ断片的で もいいので、ご存知のことを教えていただきたい」と、お願いの書状を出した のである。(5月5日) 結果、直ちに電話でご連絡を頂けたのは89歳のご本人ただ一人、以外は、ご 本人が逝去されたりしたご家族からの連絡が3名、宛所に尋ねあたらずとして 書状の戻りが3名、ご返事待ちが目下3名である。 どうやら、父のことを調べるには、ほぼ「時期を逸した」ようである。それに は、重大な理由があるのだが、きわめてプライベートな事情であり、ここで書 くのは遠慮しよう。 実は、長年親しくしている出版社の経営者がいる。株式会社新風書房・福山琢 磨氏である。(本社・大阪市天王寺区) ⇒http://www.shimpu.co.jp 昭和63年に第1集を出版、以来毎年8月に「孫たちへの証言」のタイトルで、 全国から戦争体験の投稿を集め、証言集を発行し続けている方である。今年も、 まもなく第23集を発行される。 マスメディアで幾度も紹介されているので、本誌読者でご存知よりの方も少な くないだろう。 氏は、「ニューギニアでの戦争体験」を投稿された方々にも、情報提供のお願 いをしてはどうかと提案され、その方々の住所をお知らせくださった。 早速実行することにしたが、それなら、本誌読者にも、お願いするのが筋だろ うと思う次第である。 「歩兵第219連隊」の最期の動静について、例え断片的にでもご存知の方が おられたならば、本誌のフッター告知、URL投稿欄かメールでご一報をいた だけたら、まことにありがたく思います。 ●金融庁がもくろむ海外メガ2行と国内メガ2行への金融再編 (会員制経済情報誌『現代産業情報』5月1日号より転載) 金融庁が頭を痛めている。みずほフィナンシャルグループ(FG)の増資にメ ドが立たず、新生銀行とあおぞら銀行の合併が、あまりにひどい新生銀行の決 算で破談、金融再編が避けられなくなっているからだ。 まず、みずほFGは、国際的な自己資本規制の強化を前に、三菱UFJフィナ ンシャルグループ(FG)と三井住友フィナンシャルグループ(FG)が、証 券界の顰蹙をを買いながらも、いち早く1兆円増資に踏み切ったのに対し、完 全に出遅れた。 重しとなっているのが、2003年1月の取引先に頼み込んでの1兆円増資。 その後、株価の低迷によって、引き受け先には含み損が発生した。 さらに優先株での増資だったために、普通株での公募増資を行なえば、希薄化 によって株価下落は避けられず、取引先に一層、迷惑をかけることになる。 みずほFGの自己資本比率は、三菱UFJFG、三井住友FGといったライバ ルメガバンク以上に低く、導入が検討されている規制強化によって、このまま 増資できなければ、海外業務が可能な8%はもちろん、最低基準の4%も満た せない。 金融庁では、もともと旧興銀、旧富士、旧第一勧銀の寄り合い所帯が解消せず、 今もみずほFG、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行の3行で、社長会長ポ ストを六つ用意して旧3行で分け合うといった、みずほFGのセクショナリズ ムが不満だった。 そのうえ収益力が向上せず、斎藤宏コーポレート銀行会長の「女性スキャンダ ル」を、前田晃伸FG会長が自らの権力維持のために使うといった、ガバナン ス不在の経営に危機感を持っていた。 その危ういメガバンクに襲いかかった自己資本規制強化。みずほFGは、資本 政策の最高責任者である小崎哲資FG副社長兼最高財務責任者(CFO)を3 月末に退任に追い込んだが、増資の妙案はない。 みずほFGが、海外業務を継続するためには「2兆円増資」が避けられないも のの、自力が無理なら公的資金に頼らざるを得ず、金融庁としては「3メガバ ンク体制」に見切りをつけ、公的資金投入の代わりにみずほFGに引導を渡し、 2メガバンク体制に持っていく可能性がある。 国内メガバンクの誕生。そうなると対抗上、もう一つのメガバンクが必要で、 格好のグループが、新生、あおぞらに、りそな銀行を加えた国内メガバンクで ある。 「新生との比較で財務内容が良い、あおぞら銀行ですが、ビジネスモデルを確 立できていないという意味では新生と同じ。 昨年、金融庁が仕掛けた合併工作は、新生、あおぞらが持つ投資銀行機能と資 金調達力を生かし、地銀を巻き込んで国内メガバンクをつくろうということだ った。 アイデアは悪くない。みずほが国内メガになるのなら、公的資金投入行である、 りそな銀行も巻き込めば、対抗できる国内メガが誕生、公的資金投入の“言い 訳”にもなる」(メガバンク幹部) 新しい自己資本規制は、まだ決まっていないものの、昨年9月のG20ピッツ バーグサミットでは、新規制における中核的自己資本Tier1の主要部分は、 「普通株」と「内部留保」とすることが決まっており、みずほFGにとっては 今後の論議を待たずともクリアは絶望的だ。 だとすれば、プライドは傷つくが、国内メガの選択肢しかなく、りそな、新生、 あおぞらを軸にしたもう一つのメガバンクが誕生すれば、海外2メガ、国内2 メガの新しい金融秩序が生まれるのである。 ●ジェイ・ブリッジの上場廃止が目前で明るみに出る疑惑の数々 (転載・同前) 業績不振の上場企業を相手にした企業再生ファンドの中で、成功例と失敗例を 見事に見せつけたのがジェイ・ブリッジだった。 東証二部に上場する再生ファンド。もともとは日本橋倉庫という名の将来展望 のない倉庫会社だったが、2003年以降、証券OBの桝澤徹氏、外資系企業 出身の野田英孝氏などが入社、二人は、折からのファンドブームに合わせて同 社を再生ファンドに衣替えして急成長させた。 旧長銀、旧日債銀などのOBを積極的に雇用、株式時価総額の膨張に合わせて、 多摩川電子、ファイ(現トランスデジタル)、小杉産業、タスコシステムなど をM&Aで傘下に収め、それが証券市場の人気を集めて、さらにジェイ・ブリ ッジの企業価値(株式時価総額)は上がっていった。 ここまでが成功例なら、06年1月のライブドア事件以降、マネーゲーム的な 膨張がライブドアと同一視され、ファンドブームの終焉とサブプライムショッ クを契機とする証券市場の冷え込みもあって、株価頼みの経営のジェイ・ブリ ッジは凋落、業績の急落は、目を覆うばかりである。 小杉産業は倒産、トランスデジタルは倒産の上に刑事事件化、本体のジェイ・ ブリッジも事業のない「空き箱」となってしまった。 桝澤、野田の両氏は既に去り、香港ファンドが経営権を握ったものの経営する 気はなく、資産の切り売りに精を出している。 金融屋が株価頼み経営を行なった時のピークとアウトが、いかに早いかの証明 で、市場原理主義の「負の側面」を見せつけたわけだが、傘下の上場企業で倒 産、事件化が相次いでいるのに、本体が無傷ではいられない。 ゲームのツケは回ってくるのであって、既に、次の三つの問題が浮上している。 第一に神奈川歯科大の問題。昨年、神奈川県横須賀市に本拠を置く神奈川歯科 大で横領事件が発覚、元理事や運用係の投資顧問社長らが逮捕起訴された。 メインとなる犯罪の詐取金額は2億5000万円だが、驚くのは神奈川歯科大 の投資金額は05年からの4年間で約100億円にのぼり、そのうち約90億 円が損失となっていることだ。 いくら投資環境が悪くとも、9割の元本が失われるなど尋常ではない。実は、 この投資を誘導したとして罪を問われているのが、清水利朗元財務担当理事、 三宅公雄元理事、投資顧問業の大島健之氏らで、同歯科大の最大の投資先がジ ェイ・ブリッジだった。 「ジェイ・ブリッジの子会社にジェイ・キャピタルマネジメント(JCM)が あって、企業再生ファンドや医療再生ファンドを組成、企業や資産家に投資を 促していた。 実は逮捕された大島とジェイ・ブリッジの桝澤は、同じ証券会社にいたことが あり、仲がいい。 清水や三宅の信任を受けていた大島は、JCMシンガポールに約35億円を投 資、SRIメディカル1号ファンドにも約7億5000万円を投資させた」 (証券事情通) JCMに絡む投資がまともなものであれば、「投資は自己責任」ということに なるが、後述するようにジェイ・ブリッジもJCMも、ファンドの組成や募集 に問題があるとして、投資家に訴えられており、ジェイ・ブリッジが上場廃止 や倒産を迎えれば、「神奈川歯科大の闇」が、再度、復活する。 第二に、著名な経済評論家である浅井隆氏に関する問題。毎日新聞の元写真記 者の浅井氏は、21世紀型情報商社を標榜する第二海援隊を設立、不況に打ち 克つための数々の書籍を上梓している。 『国家破産サバイバル読本』『最後の円高』『2010年の衝撃』『全世界バ ブルが崩壊する日』……。 こうした書物は書店に山と積まれているし、新聞広告で目にふれることも多い。 当然、読者は浅井氏に「生き抜く方法」を聞きたくなるわけで、そうした際に 浅井氏は、海外ファンドを紹介、そのツアーを企画、投資アドバイザーを務め ることもある。 そのタイアップ先が海外のジェイ・ブリッジだった。証拠に、浅井氏は同社に 役員を派遣、経営にも関与している。 それだけ入れ込んでいる証しだが、逆にいえば、ジェイ・ブリッジに何かあれ ば、浅井氏の信用にも影響する。 三番目は、ジェイ・ブリッジの急成長の恩恵を被り、その後も復活を信じてカ ネを注ぎ込んだものの、今となっては「裏切られた」と反発している投資家で ある。 既に、裁判所に訴訟も起きており、訴状には次のような厳しい言葉が並んでい た。 「被告らは、従前のSRIメディカル1号ファンドとは別に、JCMメディカ ルファンド1号という新たな医療法人再生ファンド名で資金を集め、○×会 (本文実名)を売却するまでの間、適宜被告ら4社の資金繰りに充てたり、○ ×会売却のための経費として消費することを打ち合わせた」 要は、再生ファンドへの投資として資金を集めながら、ファンドの運営資金に 充てたという批判である。 山が高かったゆえに、谷も深いジェイ・ブリッジ。 これ以上、解体が進めば上場廃止や経営破綻は免れないが、そうなると封印さ れた数々の疑惑が噴出するのである。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』のご購読は、本誌がお取 次ぎします。無料で見本誌をお送りします。お申し出ください。 【本誌おすすめの図書】 あらゆるビジネスシーンで使える 「どうしようかな……」を「なるほど!」に変えてゆく コミュニケーションテクのすべて。 『心動かす交渉術』 〜顧客リピート率95% トップクラスのヘッドハンターが使う交渉術〜 【著者】小松俊明 【価格】定価(本体1,300円+税) 詳細、購入はこちら⇒http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901491970 【本誌おすすめの映画祭】 “知らなかった世界がここにある”『第7回東京平和映画祭』 マイケル・ムーア監督『キャピタリズム マネーは踊る』、 サム・ボッゾ監督『ブルーゴールド―狙われた水の真実』、 小林アツシ監督『どうするアンポ?〜日米同盟と私たちの未来〜』 など10作品と講演など 6月19,20日の2日間でお届けします。 詳細、チケット購入はHP⇒http://www.peacefilm.net/ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2010年5月12日 第531号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |