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  2010/6/16    No.536   週刊メールジャーナル   読者数10931(前回)
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●「岡本倶楽部」で徹底解明すべき暴力団ルート!
(会員制経済情報誌『現代産業情報』6月1日号より転載)

熱海の老舗「岡本ホテル」を中心にホテルチェーンを展開する岡本ホテルシス
テムズ(本社・東京都中央区)が、山口組系組織と関係が深く、出資法違反の
疑いが濃い資金集めをしていることは、周知の事実であり、ネット上では数年
前から騒がれていた。

その岡本ホテルグループにようやくメスが入り、警視庁組織犯罪対策四課と静
岡県警などによる合同捜査本部は、5月26日、出資法違反(預かり金の禁止)
で関係90カ所以上の家宅捜査を行なった。

手元に岡本ホテルぐループの会員を募集する、「岡本倶楽部」のパンフレット
がある。

「うれしい特典」の最初に書かれているのが、「預かり保証金は5年後退会時
には、全額現金でお手元に戻ります」という元本保証。

そのうえで、100万円(ブロンズ会員)、300万円(シルバー会員)、5
00万円(ゴールド会員)、1000万円(プラチナ会員)と会員ごとの「宿
泊ポイント」と「返金率」の説明があり、「温泉倶楽部」は名目で、実際は利
回り金融商品であることがわかる。

ブロンズ会員なら12万円の年間宿泊ポイントがもらえて返金率50%なので
利回り6%、多く預けると利回りも上がり、プラチナ会員なら10%強となる。

このパンフレットだけで、不特定多数から金銭を集めることを禁じた出資法違
反は濃厚。

しかも、今回の事件を受けてマスコミにコメントを出すことが多い藤森克美弁
護士は、自身のホームページで岡本ホテルシステムズを相手にした民事訴訟を
紹介、次のように書いていた。

「私は、この預託金集めが出資法に抵触していると考えています。また、数年
先の償還期に果たして多数の会員に元金が返還されるのか、危惧しています」

この文書がアップされたのが、2007年2月だから3年3カ月前。第一次会
員の償還が始まるのが今年4月である。

税金滞納で差し押さえを受けるなど、岡本ホテルグループの窮状は明らかで、
元本など返ってくるわけがない。

警察は償還期を迎え、被害が表面化するのを待っていたとしか思えない。

グループのオーナーは、岡本ホテルシステムズの大東正博元会長。金融を始め
とする各種ビジネスに手を出してきたが、その背後には必ず山口組系組織の影
がチラついていた。

本来、熱海は稲川会の“シマ”だが、温泉旅館を舞台にした預託金商法につい
ては、山口組系が稲川会系に筋を通し、それに乗っかる形で大東氏がビジネス
展開した。

だが、ピンクコンパニオンの派遣が“ウリ”だっただけに、すぐに馬脚を表す。

預託金商法を本格化させた直後の05年8月1日、大東会長(当時)は社長ら
とともに、女子中学生に客の接待をさせたとして、神奈川県警少年捜査課によ
って書類送検されている。

こうした事件を起こし、また民事訴訟を起こされて「出資法違反」を指摘され、
オーナーと反社会的勢力との関係が取りざたされながら、またたく間に熱海や
伊東を中心に11カ所で温泉旅館チェーンを展開するようになった大東氏は、
その勢いを駆ってNPO法人の「復活熱海元気ですよ」を設立、代表に就任し
た。

同法人は、花火大会、阿波踊り、プロレス大会、街ぐるみイルミネーションな
どを主催、熱海・伊東人気を盛り上げた。

問題は、警察がパンフレットに堂々と謳われた公然たる出資法違反行為を、5
年も放置していたことである。

大東氏の属性を考えれば暴力団周辺に流れたことは明白で、既に約5000人
から集めた約200億円のうち、40億円弱が大東氏らへの貸付金名目で処理
されていることが明らかとなった。

商品が出資法違反なら、売り方にも問題があり、過去にマルチ商法で摘発を受
けたことのある人物が、同じような手法で会員を増やしていたし、民事再生詐
欺などで逮捕者を出したトランスデジタルの関係者が、20億円近くを大口投
資していた。

そうした募集サイドや大口投資家の背後にも暴力団の企業舎弟、共生者といっ
た類の人脈が絡むことが多く、岡本ホテルグループはまさに闇社会に侵食され
た温泉旅館だった。

それを放置、肥え太らせて被害者を増やした以上、捜査当局は、出資法違反事
件でお茶を濁すことなく、暴力団ルートを徹底解明の上、事件の本質に迫るべ
きである。



●グッドウィル事件の「冒陳」で明らかになった久間元防衛相と統一教会との
関係(転載・同前)

東京地検特捜部が手がけながら、くすぶり続けていた事件が復活、関係者の事
情聴取が精力的に行なわれている。

人材派遣大手・旧グッドウィルグループのM&Aに絡む巨額脱税事件の先にあ
る、東邦グローバルアソシェイツ(東邦GA)という大証二部上場企業の証券
事件である。

「増資マフィア」の中村(旧姓中澤)秀夫、亀頭和孝の両被告は、脱税したカ
ネを国内外の様々な投資に回したが、そのうちの一社が東邦GAだった。

問題は、マフィアが利用する中身のないハコ企業である同社が、「ソチ冬季五
輪向け人工島を建設」とぶち上げ、08年の年初に20円前後だった株価を、
約2カ月で500円近くにまで引き上げたこと。

特捜部はこの行為が、「風説の流布」を始めとする証券事件にあたると見てい
る。

証券市場の片隅で、日々繰り返されているインチキな広報宣伝による株価操縦
の一つである。

証券取引等監視委員会が、この手の摘発に習熟、多くのマフィアたちが機械的
に処理(逮捕)される中にあって、地検特捜部が長くこの事件を温めているの
は、その先に久間章生元防衛相がいるためで、これについては弊誌も「特捜が
『グッドウィルM&A脱税』の先に見据える久間元防衛相へのカネ」と題して、
No.634で報じた。(本誌09年12月2日号にて転載=本誌注)

これまで脱税事件への着手以降、中村被告の海外逃亡、亀頭被告の逮捕、中村
被告の逮捕、犯人隠匿容疑で東邦GAでオーナー代行を名乗っていた澤田美帆
子被告らを逮捕、と時間をかけた捜査の末、特捜部は4月になって事件を財政
経済班から直告一班に担当換え、「風説の流布」など金融商品取引法違反や刑
法の「偽計業務妨害」などでの立件を視野に、捜査を急いでいる。

閣僚を歴任した大物政治家の不正を、見逃せないということだろう。そこには
「小沢(一郎民主党幹事長)捜査」がひと段落、「民主党狙いの特捜部」とい
った民主党政権の不満を払拭する狙いもあるが、報じられている以上に、久間
氏の事件への関与が深く、特捜部が「解明すべき問題だ」という認識を新たに
しているという事情もある。

その「闇」の一端が明らかになった。

5月21日、犯人隠匿罪に問われた澤田美帆子、弟の澤田地平、姉弟の知人の
朴宰範(パク・チェボム)ら三被告の初公判が行なわれ、彼らが「統一教会仲
間」であることが、冒頭陳述で明かされたのだった。

「冒陳」では、不動産ブローカーだった澤田美帆子被告が、不動産取引を通じ
て2004年頃から中村被告と付き合うようになり、中村被告が東邦GAの実
質的オーナーとなってからはその経営にも関与、株式売買などで5億円の利益
を得て、中村被告に“恩義”を感じて、脱税捜査が本格化、海外逃亡の意思を
強くした中村被告の逃亡を手助けした経緯が詳しく綴られていた。

また、弟の地平被告も1億円の利益をもたらされていたという。その姉弟と朴
被告との関係は、簡潔にこう記されていた。

「被告人美帆子と同地平とは実の姉弟同士であり、両名は統一教会における活
動等を通じて、葛西教域長をしていた同朴と知り合った」

「被告人朴は、後記の通り、同21(2009)年7月末ころ、同美帆子や同
地平から韓国内で中澤(中村)をかくまう場所の確保を依頼され、韓国内で同
人と接触して、同人と知り合うようになった」

統一教会と事件との関係が明らかになったわけではないが、葛西教域長の朴被
告が職を解かれ、09年7月27日の離任式の席上、「韓国に逃亡している中
澤のことを打ち明けた」(冒陳)というのだから、尋常な関係ではない。

巨額脱税事件と統一教会がどう絡むのか、気になるところだ。

その複雑な背景の事件に、久間氏は「ソチ冬季五輪協力委員会」の“名誉的”
な会長として関わっただけではない。

パーティーで「オールジャパンで取り組む」と、威勢のいい話をし、工事業者
などを引き連れて黒海沿岸のソチ現地に入ったこともある。

さらに、澤田美帆子被告は、久間サイドと二度の現金授受に関与している。

最初は08年1月末、亀頭被告が久間氏の側近の駒栄博志氏に1億円を渡した
時、その場にいて5000万円ずつを駒栄氏と折半したのが澤田被告だった。

この1億円は、中村被告らが現金のほかに得たクリスタル株(グッドウィルグ
ループに買収される側)を、グッドウィルグループに嵌め込むための工作金名
目だった。澤田被告は、駒栄被告の先に久間氏を思い描いていたという。

次は08年3月。久間氏が役員を務め、本社が駒栄氏の事務所に事務所に登記
されていたこともある、アイメックという会社が保有する鹿児島県徳之島の3
000平方メートルの土地が、澤田地平被告のコンサルタント会社に売買予約
され、約4000万円が支払われていた。

代金は1億円で4000万円は手付け。「残りの支払いがないので困っている」
と、久間氏はマスコミの取材に応えているが、この微妙な時期の現金授受を、
「通常の商取引」というには、いかにも無理がある。

中村、亀頭、澤田ら重要人物の供述を得ている検察にとって、最後のカベは
「駒栄」だという防波堤を乗り越えられるかどうかだが、今回はアイメックへ
の4000万円の振込みという外形的事実もあり、別項の「検察新人事体制」
(本誌6月9日号にて転載=本誌注)がスタートする前に、なんとか立件でき
ないかと、最後の詰めの作業が行なわれている。



●郵便不正公判「調書不採用」の重すぎる衝撃!
(転載・同前)

検察は激しく衝撃を受けているに違いあるまい。

障害者団体への郵便割引制度を悪用した郵便不正事件で、虚偽有印公文書作成・
同行使の罪に問われた厚生労働省元局長、村木厚子被告(54)=休職中=の
公判で、大阪地裁は、村木被告の事件への関与を認めた厚労省元係長、上村勉
被告(40)ら計8人の捜査段階の供述調書計43通を証拠採用しなかった。

特に、部下であり証明書偽造の実行行為者である上村被告の捜査段階の供述調
書15通は、すべて不採用。

公判に入ってからの上村被告は、村木被告の関与を否定しており、捜査段階の
供述調書は村木被告の有罪立証の重要なキーであった。

これを不採用とした大阪地裁が、村木被告を無罪視していることは確定的とい
っていい。

問題は、不採用としたその理由である。

「例えば上村被告の15通について裁判長は、検事が『(被告の)記憶があや
ふやなら関係者の話を総合するのが合理的。いわば多数決。私に任せて』と被
告に言い、検事が思い描く調書を作成したと指摘しました。

被告が訂正を求めても応じず、意思に反した調書が作成されたと認定した。取
調官の暴行や脅迫によって誘導された調書の不採用は例がありますが、『意思
に反した調書を取られたこと』を理由に採用を却下するのは異例のことです。

他の被告の調書でも、検事がその見立てを被告に伝えて誘導したケースが見受
けられると指摘し、『他の関係者と供述を合わせる検察の姿勢がうかがえる』
と言及しました。これは大阪地検特捜部への痛烈な批判です」(司法記者)

刑事訴訟法は、供述調書と公判供述が食い違いを見せた場合、真相解明が滞る
ことを防ぐために、「特に信じることができる事情と状況のもとで作られた調
書に限り、証拠採用できる」と規定している。

採用された供述調書の信用性に疑義が示されて事件構図が崩壊したケースは、
過去に少なくない。

しかし、証拠採用すら却下され、法廷評議に至らず信用性を否定されるという
今回のケースは、きわめて異常な事態とみるべきだ。

しかもそれが「最強の捜査機関」と称される特捜検察の扱い事件で起きている
ことに、弊誌は《司法の地殻変動》を感じるのである。

従来の検面調書は弁護側の同意がなくとも採用されるのが普通で、特に東京、
大阪地検特捜部が手掛ける経済事件では当然だった。

裁判員制度は法廷供述・証言をより重視する口頭主義を強めているが、今回の
大阪地裁判断は、その潮流を示した現象なのか、あるいはもっと本質的なメッ
セージを含んだ態度表明なのだろうか。弊誌は後者と見る。

特捜検察の事件立証上の危うさは、「独りよがりに描いた事件構図を検証する
ことなく、無理やり供述をはめこむところ」(ジャーナリスト)にある――と
ようやく近年になって、主に書籍を舞台に指摘されるようになった。

それでも新聞やテレビなどマスコミ報道機関は、《検察=正義》の前提で捜査
情報を垂れ流しているが、「他の関係者と供述を合わせる検察の姿勢がうかが
える」という大阪地裁の裁判長の発言は、特捜検察の持つ病理性をあまりに鋭
く言い当てており、あるいは同じ司法の一員である裁判所のほうが、検察への
視線を厳格化させ厳しくし始めているのではないか、と思えるのである。

日本において、検察の立証は極端に高度な信頼性を有しており、証拠の客観性
も担保されてきた。

これまで通りにはいかない――大阪地裁判断は、日本の司法の常識を覆すエポ
ックメーキングな判断となるかもしれない。


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次ぎします。お申し出頂けば、無料で見本誌をお送りいたします。




【お知らせ】



■6月18日(金) 第27回社内広報サロン
       「トップ・役員登場企画を考える」を開催■

社内報担当者や社内広報に携わる方のための
「学び」と「交流」の場・社内広報サロン。
次回のテーマは「トップ・役員登場企画を考える」です。
経営方針の浸透のみならず、トップや役員の思いや人となりを知ってもらい、
従業員との距離を少しでも近づけるには、どんな手法・展開・巻き込み方があ
るのでしょうか。
さまざまな切り口から「トップ・役員登場企画」について、みなさんと考えて
いきます。

【開催日時】 6月18日(金) 18時30分〜21時(18時開場)
【開催場所】 株式会社ナナ・コーポレート・コミュニケーション会議室
        http://www.nana-cc.com/corporate/map.html
【参加費】  2000円/1名 ※飲み物・軽食付き
【お申し込み方法】 コミサポネットにアクセス!
       http://www.commu-suppo.net/

 ※申し込み用紙をダウンロードして下記にFAXでお申し込みください。
           
【お問い合わせ先】
ナナ総合コミュニケーション研究所
担当:古屋(furuya@nana-cc.com)、大橋(ohashi@nana-cc.com)
〒160-0022 新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビルディング5F
tel:03-5312-7471 fax:03-5312-7475



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小林アツシ監督『どうするアンポ?〜日米同盟と私たちの未来〜』

など10作品と講演など

6月19,20日の2日間でお届けします。

詳細、チケット購入はHP⇒http://www.peacefilm.net/



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  週刊メールジャーナル 2010年6月16日  第536号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
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