■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2010/7/7 No.539 週刊メールジャーナル 読者数10944(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●「東大教授」の看板でテレビ司会者として“時流”に乗る御厨貴氏の罪 (会員制経済情報誌『現代産業情報』7月1日号より転載) 「東大教授」が、その看板で政治に関与することは悪いことではない。独立行 政法人化したとはいえ、国立大学法人の専門家として情報発信するのは、「日 本の最高学府」に勤務するものとしての務めだろう。 だが、この人の場合はどうか。TBS「時事放談」の司会者を務める御厨貴東 京大学先端科学技術研究センター教授。 東大教授としての見識を披露するというより、司会者として、可もなく不可も ない“老人”の政界四方山話に相槌を打ち、“時流”に乗る。 例えば、小沢一郎(民主党前幹事長)バッシングが続いている時、「時事放談」 に野中広務自民党元幹事長が登場すれば、当然、小沢批判となるが、それに相 乗りして番組を編成する。 「時事放談」の出演者は、日曜日の早朝という時間枠もあって、老人視聴者向 けに老人を揃えている。 野中氏以外の常連といえば、中曽根康弘元首相、塩川正十郎元財務相、藤井裕 久元財務相、渡部恒三元衆院副議長、加藤紘一自民党元幹事長など、政界リタ イヤ組か半リタイヤく組が大半。だから発言は無責任になるし、正確な情報が 入っていないから四方山話となる。 それゆえに「時事放談」だが、「放談」をうまく誘導するのは司会者の役割。 御厨氏の見識なき司会には疑問符がつくが、経歴は申し分ない。 東大法学部を卒業後、ハーバード大学客員研究員などを歴任、サントリー学芸 賞を受賞している。 問題は、そうした経歴の東大教授が、老人の「放談」に相槌を打てば、それが “時流”となってしまうことだ。ただ、その怖さを、この立派な経歴を持つ 「司会者」は、意識していない。 もともと、学者としての「立ち位置」に疑問のある人ではあった。数ある著作 の中で印象に残るのは、宮沢喜一元首相への膨大なインタビューをまとめた 『宮沢喜一回顧録』や後藤田正晴元副総理へのインタビューをまとめた『情と 理』。つまり、印象に残る業績も「司会業」なのである。 司会者としての達人は、好悪は別にして田原総一朗しだろう。挑発して政治家 の喜怒哀楽を引き出す。視聴率狙いの姿勢はあざといが、プロ司会者としての 自らの役割をわきまえている。 もちろん御厨氏には、そんなテクニックはないし、面白い話を引く出そうとす る努力もうかがえない。 御厨氏の対極にあると思われるのが、中西輝政京大教授である。東大と並ぶ国 立大学法人の著名教授として、中西氏は『文芸春秋』『WiLL』など月刊誌を 中心に、精力的な執筆活動を行なっている。 最新8月号の『Will』では、「菅新政権は『偽装政権』だ!」と題し、鳩 山辞任で政権を握った菅直人首相が、「脱小沢」と見えながら、実は「小沢を 隠している」と、痛烈に批判している。 ここで言いたいのは、中西氏の主張の是非ぜひではなく、氏に一貫している 「ぶれない姿勢」である。 おそらくそのために、中西氏は意見がぶつ切りにされるテレビ出演を好まず、 執筆を中心とし、大きな政治の節目に、中西氏の意見を聞きたいと思うファン は少なくないという。 御厨氏には、それがない。『週刊朝日』(7月2日号)で、新政権の「国会通 信簿」をつけた御厨氏は、松原隆一郎東大教授との対談で、こう語っている。 「民主党の小沢一郎前幹事長みたいに、何でも裏で決めちゃうワルはいたけど、 きちんと国民に向かって語れるワルはこれまでいなかった。菅さんはいい意味 でのワルですよ」 情けないほどステレオタイプな発言。こんな感覚で日本政治にコミットしても らいたくはないが、こんな感覚だから「放談」の司会者ができるともいえよう。 ならば、今からでも遅くない。東大教授の職は投げ打って、田原氏並のプロ司 会者を目指すべきではないだろうか。 ●FOIとシニアCの「粉飾上場」を許した東証と主幹事証券の責任! (転載・同前) 半導体製造メーカーのエフオーアイ(FOI)と、シニアマーケットに特化し たコンサルティング会社のシニアコミュニケーション(シニアC)――。 両社とも、とんでもない粉飾決算を続けたうえで東証マザーズに上場を果たし ていた。 FOIは、既に証券取引等監視委員会(証取委)が強制調査、上場廃止が決定、 経営陣への責任追及は必至で、シニアCも外部委員会が詳細な調査レポートを 作成、創業メンバーの社長を含む三役員が退任、こちらも刑事責任の追及は免 れない。 二つの粉飾事件の特徴は、主導した財務責任者が「上場ありき」で、なんのた めらいも苦悩もなく、“数字いじり”に精をだしていること。 こうしたモラル欠如の経営陣の会社を上場させてしまう新興市場の歪みは、か ねて指摘されるところだが、いずれ刑事責任を問われる経営陣より問題なのは、 上場を許す東証と粉飾決算を見抜けない主幹事証券だろう。 やすやすと上場を許した、東証の目は節穴である。両社の主幹事証券を務めた、 みずほインベスターズ証券は、犯罪の“共犯”と指弾されても仕方ない。それ ほどひどい粉飾決算だった。 まず、売り上げのほとんどが虚偽だったというFOI。同社が上場したのは昨 年11月だったが、09年3月期の売上高は、約118億円と記載していたも のの、実際の売上高は約3億円で115億円、97%が水増しした数字。 また、証取委の強制調査(5月12日)を受ける直前、準備していた10年3 月期でも100億円以上を粉飾していた。 海外に実在する半導体メーカーの名前を利用、営業担当役員が自ら海外に出張、 偽造の注文書に捺印して日本に送るなど、情けない工作を繰り返していたとい う。なかでも罪深いのは、財務を担当する上畠正和代表取締役専務である。 1988年に大学を卒業後、野村證券に入社。証券営業を経て2000年、S BIインベストメントに1年だけ籍を置き、FOIに取締役として迎えられて いる。証券のプロとして、上場準備のために入社したといっていい。 上畠氏の入社後、しばらくは業績も順調。05年3月期は、売上高31億円と 右肩上がりだった。 その勢いのまま上場準備、ところがその次の年から売れず、ベンチャーキャピ タルに虚偽報告をするのが“習い性”となり、感覚がマヒしたという。 09年3月期には、わずか数台の半導体製造装置しか売れず、30台以上は売 り上げを立てて倉庫に寝かせていたというから、詐欺師集団と化していた。 首謀者の上畠氏が、“古巣”の野村證券を使わず、みずほインベスターズ証券 を主幹事にしたのは、後ろめたさの証明。また、上畠氏は、「東証は経営実態 を見ない」ということを熟知していた。 シニアCも同様だ。高校の同級生3人が、2000年5月、「サークルのノリ」 で作ってしまったコンサルタント会社。 社長に就任した山崎伸治氏は、創業時から「目標は上場」というから、「ビッ トバレーに集う上場を目指す若者集団」の一人だった。 財務を担当していたのが、前社長の馬谷尚利氏。(もう一人は営業担当の渡部 正教前副社長)は母校である私立大阪星光学院高校を卒業後、慶応大学に入学。 卒業後は旧日本長期信用銀行に入行、破綻騒動のなかでシニアCの立ち上げに 参加した。 同社の粉飾は、上場準備を始めた2004年3月期から始まっていた。調査委 員会の報告書によると、「上場達成が重要なミッション」だったという馬谷氏 は、次のように粉飾に手を染めていったという。 進行準備(プロジェクトが進行していれば、一部を損益計算書に計上する)を 実態よりも前倒しに売り上げを計上できると曲解、そのうえ売り上げを計上す べきでない案件も売り上げ計上の対象とした――。 簡単に言えば、仕掛かり案件であろうが、売り上げが見込めないものであろう が、プロジェクトが進行中なら、決算対象としてすべて計上していった。 その結果、04年3月期以降の決算はすべて修正、平均すると、毎期4割以上 が水増し数字だった。 上場が目標の、粉飾をためらわない経営陣の罪は当然として、それを見抜けな い主幹事証券と東証の責任はどうなるのか。 近年は、証取委の実力が上がって摘発が増え、外部委員会の詳細な調査が問題 点を的確に指摘するようになった。 それで経営陣の罪は問われるが、それを許す主幹事、取引所、監査法人の責任 の所在も明らかにしなければ、「日本市場の恥」は今後も続くことになる。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』のご購読は、本誌がお取 次ぎします。お申し出いただけば、見本誌を無料でお送りいたします。 【お知らせ】 ■ 社内広報サロンに参加しませんか? ナナ総合コミュニケーション研究所(コミ・サポ)では、社内報担当者・社内 広報に携わる方々のための「学び」と「交流」の場・社内広報サロンを、東京 と大阪で定期的に開催しています。 社内報づくりに悩みを抱えながらも、社内に相談できる人がいない、気持ち を共有できる人がいない、他社の情報が知りたい。 そんな方たちが参加され、好評をいただいています。 アドバイザーからヒントも得られるこのサロンに、ぜひ参加してみませんか? ■ 7月大阪、8月東京のテーマ: 「読者を飽きさせない定番企画の作り方」 決算、年頭あいさつ、新入社員紹介など、年間の定番企画や部署紹介、 グループ会社紹介、CSR、コンプライアンスなどの連載企画について、 その企画の展開方法と、「飽きさせない見せ方」について、みなさんで 考えてみませんか? 社内誌として発信するべき重要な情報や伝えたいことはきちんと押えながらも 読者が読みたい、知りたいと思える企画に仕上げるにはどうしたら良いのかを 考えていきます。 <7月大阪・社内広報サロン> 7月29日(木)18:30〜21:00 ● 場所:ハルコラボレーションルーム(大阪市中央区) ● 参加費:2,000円/1人(軽食・飲み物つき) <8月東京・社内広報サロン> 8月20日(金)18:30〜21:00 ● 場所:株式会社ナナ・コーポレート・コミュニケーション(東京都新宿区) ● 参加費:2,000円/1人(軽食・飲み物つき) ************************************** (株)ナナ・コーポレート・コミュニケーション ⇒ http://www.nana-cc.com ナナ総合コミュニケーション研究所 ⇒http://www.commu-suppo.net/ ★お問合せはこちら ⇒furuya@nana-cc.com ************************************** プランナー 古屋 薫 東京都新宿区新宿1-26-6 新宿加藤ビル5F Tel:03-5312-7471 Fax:03-5312-7475 〒160-0022 ************************************** 【本誌おすすめの図書】 ◆人事採用ご担当者向け書籍のご案内 内定者向け研修書籍として、毎年多くの企業が購入している 『新訂 内定したら読む本』 ⇒http://www.nana-cc.com/syoseki/book_b58.html 2002年の初版以来、就活中の人や内定者はもちろん、ビジネスパーソンの “バイブル”として長く愛読されてきた本書が、書き下ろし新章を追加し「改 訂版」として生まれ変わりました! ◆『新訂 内定したら読む本』 〜ビジネスマナーの常識〜 【著者】楢木 望 【価格】定価(本体1500円+税) ⇒http://www.nana-cc.com/syoseki/book_b58.html ◆広報担当者向け書籍のご案内 経営理念の正しい伝え方が学べる 『行きたくなる会社のつくり方』 ⇒http://www.nana-cc.com/syoseki/book_b59.html あなたの会社に「理念」はありますか? そして、その「理念」が言えますか? この「理念」こそ、会社を変える「鍵」になるのです! 1万人以上のインタビュー経験から生まれた「いい会社」のシンプルな つくり方……、 それは「企業理念」を共有し合うことだった ◆『行きたくなる会社のつくり方』 〜元気な会社に「理念」あり〜 【著者】武田 斉紀 【価格】定価(本体1300円+税) ⇒http://www.nana-cc.com/syoseki/book_b59.html ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2010年7月7日 第539号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |