■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
2011/5/18 No.583 週刊メールジャーナル 読者数10606(前回)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
◆東日本大震災によリ罹災された皆さまに対し心からお見舞い申し上げます。
また、ご家族、職場、地域で、お身内、お知り合いを亡くされた皆さまに衷心
よりお悔やみを申し上げます。
●浜岡原発停止が教える菅首相の正体は「原則無視のパフォーマー」
(会員制経済情報誌『現代産業情報』5月15日号より転載)
無原則の人間は強い。己がないから、こだわりがない。こだわりがないから、
どんな行動も取れる。
右に向かうも左に向かうも風次第。判断基準は保身だけ。したたかな処世術で
生き抜いて見せる。
菅直人首相の強さは、まさに無原則にある。
大震災にどう立ち向かうかという構想力はなく、知恵を持つ国家官僚を操る統
率力もなく、国民の不安を和らげ希望を抱かせる指導力もない。
そんな無能に呆れ果てて急落をした支持率を上げようと、打った“バクチ”が
浜岡原発の停止要請だった。
この要請は、二重三重に間違っている。
第一に、上場している民間会社の中部電力に、原発停止に言及する権限が菅首
相にはないことだ。
「要請」といっても、福島原発事故で原発への国民的不安が高まっている中で
首相が「要請」すれば、それはすなわち「命令」である。中部電力に選択肢は
なかった。
第二に、なぜ浜岡原発だけか、という明確な理由がないことだ。
文部科学省が、「30年以内にマグニチュード8程度の東海地震が発生する確
率は87%」という分析をもとにしているようだが、どこにいつ地震が発生す
るかを予知できたためしはない。
全国どの原発も、地震と津波への不安を抱えており、もし浜岡原発を停止要請
するなら、日本の原子力行政を再考、例えば「全廃」のような方向性を打ち出
し手、取りかかるべきだろう。
改めて思い至るのは、菅直人という政治家が、市民運動出身の「無原則のパフ
ォーマー」であったことだ。
東京工業大学時代は学生運動に打ち込み、市民派の市川房枝元代議士のもとで
修行、事務所代表を務めたことが政界入りのきっかけとなった。
1977年、社会市民連合から出馬して落選、2年後に名称を変えた社会民主
連合から出馬してまたも落選。
当選は3度目の正直で80年の衆議院選だったが、小政党の悲哀で国政に参加
する機会は与えられず、「市民目線の自民党批判」が、菅代議士に与えられた
役回りだった。
その政権批判、官僚批判を自らの“立ち位置”としてきた政治家が、細川護熙
非自民党政権の誕生をきっかけとする政権再編の中で、1996年1月の第1
次橋本内閣で厚生相に就任する。
運動家は批判し、壊すのは得意である。本来、役所の代表である大臣が、役所
を批判する勢力となって、薬害エイズ問題に取り組み、隠蔽されていた行政の
過ちを認めたファイルを見つけ出して公表、国民の喝采を浴びたところに、こ
の政治家の真骨頂があった。
政府の側、権力の側に回っても、役人を敵視するパフォーマー。それは、政治
に対する明確なスタンスがなく、何をやるべきかが分かっていないところから
生ずる。
国民の不幸は、政界と役所と民間のすべての力を糾合して乗り越えなければな
らない難局を、この「孤独な宰相」の元で迎えてしまったことだ。
原発事故に際し、まずやったことは東工大の卒業生名簿を、最も信頼する夫人
に持ってこさせたことだった。
官僚への反発から生じた政治主導は、官僚の離反を生み、何も知らない素人が
事故処理の指揮をとって東電の現場からも総スカンを食った。
マスコミを操る人的魅力を欠くから、記事はいつも痛烈で、それを嫌って表に
出ないから、国民は不機嫌なリーダーの顔を見せられ不安になる。
そのあげくの起死回生策が、原発と電力会社を敵にしたパフォーマンスだった。
厚生相でありながら厚生官僚を怒鳴りつけ、カイワレを食べて人気を博した、
かつての“快感”が忘れられない。
しかし、「会社は誰のものか」を無視、権力を乱用して恥じないこの人は、い
つまでも市民派を気取るパフォーマンスが、実は民主政治とかけ離れた「庶民
利用の独裁政治」となっていることに気づいていない。
東北新幹線で事故でもあれば「耐震性に問題があるから東海道新幹線の運転も
休止」、政権維持の人気取りのためなら、いつかそんな決定もしかねない。
批判の時は過ぎた。政治家は、「菅降ろし」が国民の為になるという現実に、
もっと真摯に向き合うべきなのである。
●混沌とするビンラディン後の国際テロ環境
(会員制経済情報誌『現代産業情報』5月15日号より転載)
2001年米同時多発テロから10年。首謀者とされる国際テロ組織アルカイ
ダの指導者、ウサマ・ビンラディンを、米特殊部隊は遂にパキスタン郊外で発
見、殺害した。
オバマ米大統領は5月1日、「正義の追及の結果である」と国民向けに演説し
た。
「ビンラディンの直接の指示による新たなテロの懸念はひとまず後退したとみ
ていい」というムードが広がるが、ビンラディン射殺が引き起こす「次の事態」
はそれほど単純ではない。
まず、アルカイダの報復が懸念される。殺害と同時に、イスラム過激派系ウェ
ブサイトには「アルカイダ総指導部」を名乗る団体から《米国やその手下に対
し、場所を問わず攻撃を続ける》《米国の喜びは悲しみへと一転するであろう
》と、報復攻撃を示唆する声明が掲載された。
「声明を出した団体が本当にアルカイダかどうかは不明だが、このサイトはこ
れまでもアルカイダがしばしば利用してきたもので、蓋然性は否定できない」
とジャーナリストは指摘する。
ビンラディン死後のアルカイダは、実質的に組織運営を担ってきたナンバー2
のアイマン・ザワヒリを中心に指導部を形成するものとみられるが、内部組織
再編の動きも見受けられる。
「サウジアラビア系組織とイエメン系組織が合併して『アラビア半島のアルカ
イダ(AQAP)』を結成。爆弾製造から地域情報の把握・分析まで“テロ技
術の進化”を狙っている」(米情報筋)
アルカイダの報復と並んで現実性がたかいのが、アルカイダと存在感を競う他
の過激派による自己顕示的なテロ行為の誘発だ。
「アルカイダに取って代わろうと動きを強めているのが、パキスタンで生まれ
た『ラシュカレイトバ』です」とジャーナリストは指摘する。
「『ラシュカレイトバ』とは『純粋な兵団』を意味し、2008年のムンバイ
同時テロを経て主要国の情報機関から注目されるようになった。
インド北部カシミール地方の帰属問題で対立するインドに“代理戦争”を仕掛
ける武装集団で、ビンラディンとのつながりも深いとみられている。
最近はアルカイダと対立する小規模過激組織と連携を深め、米、大洋州、欧州
と活動範囲を拡大しているのが目をひく。
先にテロ未遂事件を調べた欧州の当局関係者によれば、ラシュカレイトバは欧
州のアラブ系人材を勧誘し、イエメンやパキスタンで軍事訓練を施してテロ要
員に育てているところです」
東南アジアでは、インドネシアの小規模組織の動きが激しい。アチェの秘密軍
事基地の存在が判明し、各国を驚かせた「ジェマ・イスラミア(JI)」。
ビンラディン死後、JI元幹部は現地メディアの取材に、「ビンラディン殺害
の報復として米国への攻撃が起きる」と述べた。各国情報筋は、JIの国際テ
ロ戦線への参入を示唆するものと緊張を高めた。
過激組織だけでない。国際テロの現場では、ビンラディン殺害の機を政権有利
に利用しようという国家もある。
「ロシアは国際テロの危険性に最初に直面し、アルカイダとは何かを直接知っ
ている国の一つである」
チェチェン紛争に悩まされ続けたロシアでは、支配に抵抗する北カフカス地方
のイスラム過激組織についてアルカイダとの連携を強調し、米国のビンラディ
ン殺害に絡めて過激派掃討の正当化を国際世論に強く訴え始めた。
チェチェン紛争の経緯から、「同時多発テロとは異なる」とロシアの強硬姿勢
に懸念を示す向きが各国から示されるが、ロシアは意に介する様子はない。
政権の強硬姿勢は国際テロの複雑に絡み合う力学軸をさらに難解にしかねない。
アルカイダの報復懸念と組織再編、対立組織の自己顕示的行動、対する体制側
の暴走――。
ビンラディン殺害は、国際テロをめぐる一定の“バランス”を崩壊させた。混
沌とした状況の中で、どの勢力がまず動き出すのか、各国情報機関は固唾を呑
みながら情報分析に当たっている。
◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』の購読は、本誌がお取次
ぎします。お申し出いただけば、見本誌を無料でお送りいたします。
【お知らせ】
■ 「第10回全国社内誌企画コンペティション」企画の募集中です!■
■ 締め切りを延期しました! ■
今年も「第10回全国社内誌企画コンペティション」を行います。
現在、企画を募集中です。2010年に発行された社内誌、Web社内報、
周年誌、記念誌、社外広報誌、PR誌の、あなたの熱い思い入れの
ある「イチオシ企画」をぜひご応募ください。
この度の東北地方太平洋沖地震の状況をうけまして、締め切りを
延期しました! ご応募お待ちしています。
【応募締切:6月13日(月)】
お問い合わせ先・詳細は下記
⇒http://www.commu-suppo.net
************************
株式会社ナナ・コーポレート・コミュニケーション
ナナ総合コミュニケーション研究所
富加見(ふかみ) 智子
電話:03-5312-7471 FAX:03-5312-7475
E-mail:fukami@nana-cc.com
************************
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
週刊メールジャーナル 2011年5月18日 第583号(水曜日発行)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201
ホームhttp://www.mail-journal.com/
メールadmin@mail-journal.com
転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
|