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  2011/8/3    No.594   週刊メールジャーナル   読者数10478(前回)
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◆東日本大震災によリ罹災された皆さまに対し心からお見舞い申し上げます。
また、ご家族、職場、地域で、お身内、お知り合いを亡くされた皆さまに衷心
よりお悔やみを申し上げます。


【お詫び】

本誌前号(7月27日付No.593)のテーマ「『原発のウソ』(小出裕章)
が伝える反原発40年の重み」において、筆者の小出裕章氏を、京大原子炉実
験所助教授と表記しましたが、正しくは助教でした。お詫びして訂正します。

あまりにも多くの方々からご指摘を頂きましたために、いちいちメールバック
をいたしませんでした。お許しください。

こんなに多くの方々が、該書を読み、あるいは筆者をご承知とは想定外でした。
本誌の発行甲斐を実感した次第です。

さりながら、本誌は、目下のところ、購読者数が漸減しております。理由は不
明ですが、引き続き発行目的の達成に努めますので、購読者増加にお骨折りい
ただきますよう、この機会にお願い申し上げます。



●「小沢事件」のお粗末な論告求刑と反省の意味を込めた左遷人事の落差
(会員制経済情報誌『現代産業情報』8月1日号より転載)

推論だらけの、お粗末というしかない「論告求刑」だった。

小沢一郎民主党元代表の政治団体「陸山会」で、政治資金規正法違反罪を犯し
たという大久保隆規、石川知裕、池田光智の3被告の論告求刑は、憶測の羅列
のうえに推論を重ねていった“代物”だった。

「〜と推認するしかない」
「〜とみなすのが自然」
「〜と考えるしかない」

確信するに足る材料がないから、こんな表現になるのだが、想像で求刑された
のでは、たまったものではない。

そもそも、04年の政治資金収支報告書に記載すべき内容を05年に記載した、
という期ズレが問われた事件だった。

ところが検察は、「期ズレ」という起訴事実の裏に、「裏ガネを隠す」という
3被告の思惑があったことを証明しようとした。

それは裁判所が、「裏ガネ立証」を求めたからで、検察は証人に「1億円の裏
ガネ」を渡したという水谷建設の川村尚元社長を始め、授受の現場の同席者、
裏ガネの運び人などを次々に呼んで、立証に心血を注いだ。

登石郁郎裁判長は、自ら積極的に証人尋問を行ない、大阪地検事件の証拠捏造
犯である前田恒彦元検事が作成した調書を、「信用が置けない」と、検察が証
拠申請しなかった「前田作成・大久保調書」を職権で採用するなど、「裏ガネ
立証のうえでの有罪判決」に方向を定めているかのような訴訟指揮だった。

司法記者クラブの裁判担当ならずとも傍聴人は、登石裁判長が検察の側に立ち、
「有罪率99.9%」の“刑事司法神話”を守るのではないかと思った。

ところが登石裁判長は違った。検察が、3被告を脅しながら取った供述調書の
肝心な部分を、ほとんどすべて採用しなかった。

その理由を裁判所は、検察側と弁護側の双方に渡した「決定書」のなかで、
「検察が、3被告に強引に心理的圧迫を加え、利益誘導を繰り返したからだ」
と説明した。

そんな調書は認められない――。

検察は焦る。当然だろう。

日本の刑事裁判は調書至上主義である。裁判所は調書をもとに「白黒」をつけ、
検察はその結論に迷いが生ずることがないように、自供を引き出し、「自供調
書」を取っておく。その裁判の前提が、裁判所の“離反”によって崩れてしま
った。

絶対の証拠である「供述調書」を裁判所によって否定されてしまった。これは
裁判にとって、決定的な失策である。味方でであるはずの裁判所が敵に回った。

これもまた、裁判員裁判制度の導入、検察審査会の起訴議決制度など、一連の
司法制度改革の“成果”と考えてよかろう。

裁判所が、有罪を前提に、量刑と執行猶予だけを決める場所なら、公判を長い
月日をかけて行なう意味がない。

検察改革の一環で「全面可視化」が導入され。「否認のままで起訴」が多くな
れば、当然、裁判所は自分の頭で判断を下すわけで、今回の訴訟指揮は、時代
の先取りでもある。

その変化を前に、検察も変わるべきだったのに、起訴したら有罪に持ち込まず
にいられない検事の“習性”は変わらない。それが、推論だらけの正視に耐え
ない「論告求刑」となった。

水谷建設から裏ガネをもらったに違いないから、政治資金収支報告書に虚偽記
載、それを3被告で協議したと推認出来る――。

こんなお粗末な論告で、大久保被告を禁固年6月、石川被告を禁固2年、池田
被告を禁固1年と求刑した。

彼らを刑務所にぶち込んでいいという神経は、どこからくるのだろうか。検察
こそ人権蹂躙、権力乱用罪で裁かれてもおかしくない。

一方で、検察もまた、変わらねばならないという自覚があることは、指摘すべ
きだろう。

8月の人事異動を前に、「小沢事件」の事実上の指揮を取った大鶴基成最高検
公判部長が退官、弁護士になることが決まった。

また、当時、特捜部長として現場指揮にあたった佐久間達哉大津地検検事正が、
8月1日付けで国連極東アジア犯罪防止研修所の所長となった。明らかな左遷
である。

「小沢捜査」に最初から反対だったという笠間治雄検事総長は、現場責任者の
2人に責任を取らせた。

開き直りの「論告求刑」と、自省の意味を込めた「左遷人事」――。一貫はし
ていないが、それもまた変化の兆しと見るべきなのだ。




●月刊誌らしさを証明した『新潮45』の特集「原発に炙り出された『日本』」
(転載同前)


「3.11」から5カ月近くが経過、原発を巡る論議も一巡した観がある。

『週刊現代』や『週刊朝日』のように、「東電のウソ」や「放射能の恐怖」を
センセーショナルに打ち続ける週刊誌はあるが、総じてマスコミは原発事故を
振り返り、日本のエネルギー事情に原発をどう絡ませるかという冷静な論議の
段階に入っている。

なにも原発は、東電という“悪魔”が、国民を騙し、政治家やマスコミを接待
漬けにして、私利私欲のために推進してきたわけでない。

ある時は「科学の進歩」を象徴する夢の技術であり、ある時は脱石油エネルギ
ーの切り札であり、ある時は地球温暖化対策の推進役として、国民が期待を寄
せ、国家が推進してきたものである。

その思惑と将来設計が、マグニチュード9の地震によって吹っ飛び、一からの
見直しを余儀なくされた。

国民のすべてが、国家観を問われているのに等しく、「国民投票」で是非を問
うことも含め、原発問題を真剣に論議する土壌が整ってきた。

その論議を深めるのに最適な特集が、『新潮45』(8月号)で組まれている。

タイトルは「原発に炙り出された『日本』」――。リードにこうある。

「破壊された原子炉が露呈させたのは、原発の安全神話という虚構だけではな
かった。原発事故は、リスクに対する脆弱な精神性、破局に至る集団的不作為
といった『日本社会の宿痾』を顕にし、技術と人間、文明と生態系という人類
史的な問いを突き付ける」

それだけに、12人の発言者たちは、単に原発の是非を問うのではなく、原発
が抱える「人類史的な意味合い」まで発信しなければならず、深みが要求され
る。

その判断は、読者がそれぞれ下すしかないが、ポストには関係のない「際立つ
能力の差」というものがあることを、この種の「根源の論議」は突き付ける。

例えば、「ゼロリスク信仰から逃れられない国」を書いた恵泉女学園大学教授
でジャーナリストの武田徹氏である。

詳しい専門家を起用すれば「原子力村」の住人に頼るしかなく、「御用メディ
ア批判」をする週刊誌メディアは、「専門的な領域の知識不足のなかで、手柄
をあせるあまり、センセーショナルに危険を煽る報道に傾斜することになって
いく」という武田氏の指摘は、本質をよくつかんでいる。

さらに卓越しているのは、リスクを取りたくないあまりに、たいした線量でも
ない東京の浄水場の放射線量が報道された日に、必要でもない大人が水を買占
め、本当に必要としている子供や乳児といった弱者に水が回らなくなるという
矛盾を、武田氏がテーマに本を執筆した「ハンセン病」との比較で書いている
点である。

「実際の被害につながる恐れの殆どないリスクであれば、みんなで少しずつ受
け入れる許容度を持たないと、一部の弱者がものすごく差別的な暴力を受ける
社会になることをハンセン病の歴史は証明しています」

リスクのない社会などなく、ゼロリスクを求めれば、恐れる必要のない牛肉や
コメや水産物の排除につながる。

その許容度のない人間社会の行き着く先が、自分だけ良ければいいという身勝
手な社会である。

センセーショナルな週刊誌だけでなく、多くのマスコミが「母親の代弁」をす
るという形でゼロリスクに突き進んでいった姿は、「放射能汚染」に負けず劣
らず危うい。

武田氏はそれを斬新な発想で垣間見せてくれたが、一方で箸にも棒にもかから
ない論議をする人もいる。東京大学元総長の小宮山宏氏。タイトルは「省エネ
こそ最大の電源」である。

東大元総長――。「日本を代表する知」といっても差し支えないだろうが、
「省エネ家電を買って節電しよう」と、家電メーカーや家電量販店の回し者の
ようなことをいい、原発の持つ根源の論議に参加していないのだから呆れてし
まう。

そもそも弊誌は、No.671の「省エネ家電で国民を追い詰め、収奪する家電メー
カーと役所」の中で、家電の買い替えを勧める業界と役所のウソとあこぎな商
法を批判した。

いろんなサイトを比較検討、「家電で元を取るのに35年」と、コストパフォ
ーマンスにも合わないことを指摘した。

それを小宮山氏は、どんな極端な比較からか、「冷蔵庫の買い替えで、7年で
元が取れる」と書く。

電気代の計算方法を教えてもらいたいものだが、こんないい加減な数字を出し
ているために、断熱材や太陽光など、氏が実践しているというすべての省エネ
が、眉唾になってしまう。

そうした困った識者がいることも含め、一読に値する特集である。

◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』の購読は、本誌がお取次
ぎします。お申し出頂けば、見本誌を無料でお送りします。






【お知らせ】


■「社内広報サロン」 8月26日(金)開催■
テーマ「読者が読みたい!知りたい!と思う企画の立て方」

社内報編集者にとって、読者から「今回の企画は良かった」という言葉をかけ
られると大変うれしいものです。
逆になかなか読んでくれないのが悩みという編集者のみなさんもいらっしゃる
でしょう。

読者が読みたい!知りたい!と思ってくれる企画とはどのような企画なのでし
ょう。また、そういった企画を上手に誌面にするには、どのように取り組めば
いいのでしょうか。

他社の方のお話や専門家の方々からの事例をうかがい、情報を共有しながら一
緒に考えます。

時間:18:30〜21:00
開催場所:ナナ総合コミュニケーション研究所
   新宿区新宿1-26-6 加藤ビルディング5F
参加費:2,000円/1名

詳しい内容・お問い合わせ先 ⇒http://www.commu-suppo.net

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株式会社ナナ・コーポレート・コミュニケーション
ナナ総合コミュニケーション研究所
富加見(ふかみ) 智子
電話:03-5312-7471 FAX:03-5312-7475
E-mail:fukami@nana-cc.com
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 週刊メールジャーナル 2011年8月3日  第594号(水曜日発行)
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    編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社
        〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201
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