■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2011/12/28 No.615 週刊メールジャーナル 読者数10388(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【ごあいさつ】 「3・11」を始め、今年は、グローバルな「天災の年」でした。来年は、日 本全国に広がった『絆』が、時とともに薄れないよう、本誌も務めたいと、考 えております。 1月4日号はお休みし、11日号より発行いたします。来年も引き続きご購読 のほど、お願い申し上げます。 なお、ご購読者数が、03年11月の12600をピークに漸減してきました。 ひとえに努力不足が原因と自覚しておりますが、なにとぞ、本誌の「ぶれない コンセプト」にご賛同たまわり、ご購読者の増加にお力添えのほど、心からお 願い申し上げます。 ●慎重なのか弱腰なのか――佐渡賢一証取委委員長の“変化”に戸惑いの声 (会員制経済情報誌『現代産業情報』12月15日号より転載) 縮小、もしくは縮小を迫られている役所が大半の「霞が関」で、唯一、増員が 認められ、予算も増えているのが証券取引等監視委員会(証取委)である。 インサイダー取引、粉飾決算、IR(投資家向け広報)の偽計など証券市場に は、違法が満ち溢れている。人を出し抜き、ごまかし、騙してでも稼ごうとす る“ヤカラ”が後を絶たない。 それでは、先行して情報を得ることができず、企業と距離を置くしかない一般 投資家は許せない。 また、証券市場にとっても、グローバル化が進むなか、「不透明な市場」と見 なされるのはマイナスである。 そうした証券関係者の総意のもと、証取委は拡充してきたし、刑事告発による 一罰百戒や課徴金での制裁が認められてきた。 その証取委をリードするのは、佐渡賢一委員長。 福岡高検検事長を務めた「捜査現場派」の大物で、その略歴に相応しい陣頭指 揮で、「資本のハイエナ」「増資マフィア」と呼ばれる、資金調達に絡んで株 価操縦やインサイダー取引で儲ける連中を一掃してきた。 今や、彼らは皆無に近く、それは「元祖ハイエナ」の故・西田晴夫の捜査に手 間取っている現場に、「何をもたもたしている。俺が責任を持つからしっかり やれ」と、尻を叩き、事件化させた時から始まっていた。 以来、佐渡氏は「戦う委員長」として評価され、異論なく2期目に入ったのだ が、ここ1年ほど停滞が目立つ。証取委担当記者によると、「各方面に配慮す るようになってきた」という。 「決断が遅いし、永田町や霞が関の意向を気にするようになった気がします。 心境の変化なのか、少し枯れてきたのか……」 典型例はオリンパス事件だろう。 まだ第三者委員会の報告書が出ておらず、事件の概要が見えない段階で、「課 徴金による行政処分」という方向を打ち出していた。 刑事告訴が前提の事件捜査にして、オリンパスを「上場廃止」に追い込み、外 資による切り売りなどの事態になるのを避けたいという思惑が透けて見えた。 長引く木村雅昭・資源エネルギー庁前次長に対する捜査もそうである。 木村前次長は、経産省の商務情報政策局担当審議官だった時代に、半導体大手 エルピーダメモリの資本増強策に関与しながら、2009年の2月から5月ま でに、少なくとも5回、同社株を買い付けている。 また、09年4月には、NECエレクトロニクスが別の半導体メーカーと経営 統合するのを知りながら、同月27日の発表前に同社株を買い付けた疑いを持 たれている。 この事件が許し難いのは、政策決定に関わる役人が、その事実を知りつつ、事 前に売買していることで、木村前次長は、「すべて記者会見や新聞報道で公開 された後で、インサイダー取引にはあたらない」と、主張しているようだが、 論外である。 報道や発表の中身にもよるが、一般投資家の情報とは質が違うのは明らかで、 これを許しては、日本はインサイダー天国と見なされるようになる。 証取委が二の足を踏んでいるのは、木村氏に就いている弁護士が、特捜部OB のヤメ検でインサイダー取引に詳しい木目田裕弁護士で、しつこく反論してく るからだという。 しかし、以前なら、「そんなの気にするな。担当官僚が売買しただけで許し難 い」と、ハッパをかけた佐渡委員長が、検察に根回しするなど、積極的に動い た形跡はない。 大物委員長として、「証取委は特捜部の下働きをする役所ではない」と、気位 を高く持っているところが、オリンパスでの事件対応につながっているという 説もある。 しかし、そうした「気位」や「大企業を揺さぶりたくない」という大人の判断 は、政官界のもので、証取委への期待は、「ずるいヤカラやワルの一掃」であ る。原点に戻って、「怖れられる存在であるべきだろう。 ●「半グレ」による暴力団組員への集団暴行事件は無法地帯増殖の予兆か? (転載同前) 予想していた「半グレ」による凶悪犯罪が発生した。 六本木のキャバクラで、14日未明、20〜30人の若い男が乱入、酒を飲ん でいた山口組系暴力団幹部らを襲撃、一人に意識不明の重体を負わせて逃走し た。 襲われた組織は、最近、山口組の直参となったということで、背後には別の在 京組織との組同士の対立構図がありそうだが、集団で暴行する手口と自制の効 かない行動方式は、チンピラ集団のそれである。 捜査関係者が嘆息する。 「赤坂・六本木で、店に集団で押しかけ、命に関わるような暴行を加えるなん て、ここ何十年と聞いたことがない。組織的な背景があるかどうかはわからな いが、実行犯は、海老蔵事件と同じで、暴走族上がりの愚連隊の仕業だろう。 暴力団がいることで保たれた秩序が、完全に壊れた気がする」 弊誌は、bU67の著者紹介で、溝口敦氏の『ヤクザ崩壊 浸食される六代目 山口組』を取り上げ、こうした「半グレ」に警鐘を鳴らしたことがある。 暴力団の構成員、準構成員となることを嫌い、自由に暴力を使い、徒党を組み、 度胸と腕っぷしで、夜の繁華街を我が物顔で歩き回る集団は、これまでの「チ ンピラ」「愚連隊」より、「半グレ」という中途半端さに不気味さが宿る呼称 の方が相応しい。 溝口氏はこう書いている。 「暴走族は暴力団の予備軍といった時代はすでに過去のもので、今は逆に街角 で所在なげに立ち尽くす暴力団を見て、『ああはなりたくないね』と拒否反応 を起こす暴走族OBが多い」 この傾向に拍車をかけたのが、警察による暴力団対策法強化、自治体と市民を 巻き込んだ暴力団排除条例の全国施行だった。 今や暴力団員は、住民でもなければ人でもない。 銀行口座は開けず、家は借りられない。暴力団組員との交際が判明すれば、 「密接交際者」と認定され、勧告を受け、場合によっては名前を公表されると いうのだから、たとえ親族、友人知人であっても交際は憚れる。 暴力団への締め付けはエスカレート、兵庫県警は暴排条例に違反するとして、 兵庫県神社庁と神戸護国神社に組員の集団参拝を拒否することを要請した。 これを受けて山口組は恒例の初詣を自粛、歴代組長の位牌が安置されている比 叡山延暦寺への参拝も取りやめることを決めた。 葬儀も同様だ。暴力団組員の葬儀を「組葬」として行なうのは、暴排条例に抵 触するとして警察が通達、全国の葬議場が暴力団関係者の葬儀に二の足を踏む ようになった。 暴力団の冠婚葬祭を認めないというのだから、経済活動への締め付けは、もっ と徹底している。 盛り場のクラブやバーには「暴力団お断り」のポスターが貼られるようになり、 百貨店の配送サービスのカウンターにまで、「暴力団お断り」の札がぶら下が っている。 どこで暴力団と“認定”するのかという論議はさておき、これだけ排除されて はたまらない。 江戸時代の「村八分」は、葬式と火事の時は除かれていたが、今は、捜査・行 政当局が、人間としてのすべての活動を認めず、それを幇助した市民まで罰す るというのだから、暴力団員でいることはできないし、いる意味がない。 暴力団員は激減、偽装の破門や除籍が相次ぎ、姓名を変えて地下に潜るなどマ フィア化も進行している。 そうした苦労をするぐらいならと、「半グレ」を選択する若者が増えるのは当 然で、「上からの通達」などないから、気に入らなければ「秩序」は無視、た とえ組織の幹部であろうと半殺しの目に合わせる。 「半グレ」という名の無法者が急増、それに合わせて無法地帯も増殖している。 彼らにとっては、市川海老蔵も山口組系幹部も同じである。 生意気だから焼きを入れる。来るなら来い!法律と行政と組織の論理でがんじ がらめの暴力団員には、とても太刀打ちできない。 力と力のガチンコ勝負なら、本気を出せば組織の方が強い。だが、それをやれ ば警察の思うつぼ。手足を縛られた暴力団員が、歯軋りしているのが現状だ。 そうやって無法地帯が増殖するのがいいのか、あるいは暴力団が組織的に無法 地帯をコントロールしている方がいいのか。 本音で論議すべきかもしれない。 ◆会員制(法人・個人)経済情報誌『現代産業情報』の購読は、本紙がお取次 ぎします。お申し出いただけば、無料で見本誌をお送りいたします。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 週刊メールジャーナル 2011年12月28日 第615号(水曜日発行) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 編集発行人:川崎 明 / 発行所:メールジャーナル社 〒130-0026 東京都墨田区両国2-1-4 第2西村ビル201 ホームhttp://www.mail-journal.com/ メールadmin@mail-journal.com 転載・再配布等には事前にメールジャーナル社に許可をお取り下さい。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |